週刊「我がヂレンマ」<7月1日号>

 梅雨もまだ明けない7月1日。あまりの湿度で、止まれば汗が吹き出し水滴ダラダラ、肌着は湿り気を増す。不快指数が高すぎる。ここを耐えきっても、夏になり、真夏に移行し灼熱地獄と化す。運命とはかくも残酷であり、誰も助けてはくれず、味方は冷房とハンカチとボディペーパーだけだ。人は常に孤独であり、受け入れることで前進ができるというもの。
 とはいえ日本の、世界の夏が長くなりすぎている。出来ることと言えば、読書するとか、noteを書くぐらいである。
 と、いうことで今週のコンテンツ。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<マンデーひとり歌会>
 毎回、この前文の締めに困る。
 と、書くことによって何か浮かぶほど甘くもなく、できることなどなく、だからもう始めることにする。

<メモについての解説と考察>

「ムムム」
 検索しても『濃恋肉味噌ラーメン ムムム(MMM)』や、TVerの『貴女のそばの妖怪ちゃん 日常で出会う「ムムム!」な行動を――』のようなよくわからない、興味が湧かない結果しかでない。
 何でメモしたのか不明。記憶にまったくない。しかし、小説のタイトルだったら内容が気になる。気がします。

「パオロ・バチガルピ(1972年-)」
 は、アメリカ人SF作家である。
 1972年アメリカ・コロラド州生まれ。オバーリン大学で学んだ。中国語を履修。
 2006年に「カロリーマン」でシオドア・スタージョン記念賞、2009年「第六ポンプ」、2010年「ねじまき少女」、2011年「シップブレイカー」でローカス賞を受賞(ねじまき少女はネビュラ賞、ヒューゴー賞、ジョン・W・キャンベル記念賞も受賞)。
 第六ポンプほしい。新刊でだしてくれ。

「他問自答」
 自問自答も安易なモジり。つまり他者に問いを投げかけ、自分で答えるということか。
「ねぇ、今暇? 食事でもしない?」
「俺はしたい、出来ればワンナイトしたい」
 迷惑。自分さえよければ相手の意思など関係ないとか、そもそも何故質問したのか、あまりに不遜である。

「何らかの業を抱えた、金髪圧力マダム(デブ気味)」
 新宿で見かけた人。金、というより黄色のビビッドな頭をしていた人。肉襦袢で身を包み、相手に有無を言わせないような威圧感を纏っていた。決して関わってはいけない、そんな、危険な香りがしたのだ。完全に偏見であるが、外見には人格がでる。
「どう思われたい」「こうしたい」「こう思われていい」
 その結果が、外見だ。
 もしかしたら、やり手で、面倒見のいい姉御肌の人かもしれない。

「カービィを踏みつぶした、また、バスサンダル5枚重ねスニーカー姉貴」
 新宿バルト9で発見。
 文字通り、ショッキングピンクの靴を履いた女性である。あまりのピンク具合に注目してしまった。日本人に見えたが、東南アジアの女性が好みそうな色合いであった。間違えても、私は履けない。ファッションにとち狂っていた数年前なら、イキり倒して履いていたかもしれない。あれだけ目立つ靴を履くなら、頭もピンクに染めないと帳尻が合わない。
 そんなことをしたら、会社にいけない。

「PRADAで試着しているヒゲのエグゼクティブ兄貴」
 文字通りである。新宿伊勢丹を通りかかった際、目に入った人。ジャケットか何かを試着していた。店員の女性の、接客のプロ的な笑顔が印象的だった。兄貴の雰囲気からすると、なんだか、クリエイティブでエグゼクティブなんだろうと妄想する。PRADAなので、定価20万円は軽く越えていそうな、エクスペンシブな商品を気軽に、優雅に試着する姿に憧れた。
 かくいう私も、ファッションに狂っていたとき、新宿高島屋のバレンシアガに行ったことがある。何を思ったか、定価21万はする女性用の、財布ぐらいしか入らないバッグを買ったことがある。
 あれは狂気でした。

「マックス・ヘッドルーム事件」
 は、1987年11月22日、アメリカ合衆国・イリノイ州シカゴ一帯で発生したテレビ放送の電波ジャック。テレビ業界での「放送信号割り込み」の一例として知られている。
 CGキャラクター・マックス・ヘッドルームに扮した侵入者は、3時間のうちに放送信号割り込みを成功させた。発生から36年以上経つ現在も未解決事件となっている。
 未解決。これはそそる文言だ。何が目的だったのか。単なる愉快犯か、何らかのメッセージか。それとも、何か陰謀論的なものか。もしかしたら、くわしく調べてみれば、作品の題材になるかも。

<購入した書籍の紹介>

「伝奇集」
                           J.L.ボルヘス作
                       鼓直(つづみただし)訳
 ホルヘ・ルイス・ボルヘスの代表的短編集。スペイン語小説集。1944年刊行。元は1941年の『八岐の園』(やまたのその)と1944年の『工匠集』の2篇だったものをまとめたもの。
『八岐の園』9編と『工匠集』10編を合わせて全19篇の作品から成る。
【収録作品】
〇八岐の園
・プロローグ
・トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス
・アル・ムターシムを求めて
・『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール
・円環の廃墟
・バビロンのくじ
・ハーバート・クエインの作品の検討
・バベルの図書館
・八岐の園
〇工匠集
・プロローグ
・記憶の人、フネス
・刀の形
・裏切者と英雄のテーマ
・死とコンパス
・隠れた奇跡
・ユダについての三つの解釈
・結末
・フェニックス宗
・南部

「永遠も半ばも過ぎて」
                              中島らも
「えっ。ユーレイが小説を書いたの!?」
 巨大タニシの母貝1個1億円の商談をしくじった三流詐欺師の俺にも、運がめぐってきたようだ。謎の原稿を出版社に持ち込んだところ、文壇の大事件に発展し・・・・・・。
 うふふ。ここは腕の見せどころ。輪舞するコメディ。あふれ出る言霊。待ってましたの痛快らもワールド!
                           解説・山内圭哉
 1997年に映画化されている。
 題名『Lie Lie Lie』
「櫻の園」「12人の優しい日本人」の中原俊監督が中島らもの小説『永遠も半ばも過ぎて』と基に描いた3人の男女の詐欺の物語。
 不眠症の電算写植オペレーター・波多野(佐藤浩市)のところに高校時代の同級生・相川(豊川悦司)が突然現れる。そのまま勝手に居ついた彼は実はサギ師だった。相川は波多野が睡眠薬でラリった時に打った写植を、幽霊が書いた本として出版社に持ち込むが、編集者・宇井美咲(鈴木保奈美)は相川のウソを見破り、反対にこの話に自分も加えろと言い出す・・・・・。

 YouTubeの動画で『Lie Lie Lie』を観て。

「恐怖を失った男」
                         М・W・クレイヴン
                            山中朝晶・訳

【『ストーンサークルの殺人』の著者、新シリーズ開幕!】

『恐怖の感情を失った男、ベン・ケーニグは、危険な任務に身を投じる!』
『巧妙な伏線と冷酷非情な展開の傑作アクション小説』
『ゴールド・ダガー賞受賞作家による構想十年に及ぶ超大作。』

「クレイヴンの小説をまだ読んでいないなら、今すぐに改めていただきたい」
            ――S・A・コスビー(『頬い哀しみを刻め』)

「タフで強烈、見事な格好良さ。この本にはスリラーに求める全てがある。」
         ――クリス・ウィタカー(『われら闇より天を見る』)

「おれは完璧な殺人マシンと化した。冷酷非情な。恐れを知らない。」
                            (本文より)

 連邦保安官局のベン・ケーニグは頭部へ銃弾を受け、恐怖の感情を失った。さらにマフィアから懸賞金をかけられたベンは、任務に支障をきたし逃亡生活を余儀なくされる。
 ある日、彼は連邦保安局に拘束され、かつての上司から行方不明になった一人娘の捜索を命じられる。死地へ向かうことを躊躇しないベンは、不倶戴天の敵ジェンと事件を追うが・・・・・・。
                            解説/小財満

「動物農園」
                        ジョージ・オーウェル
                            吉田健一/訳
『非人間的な政治圧力を寓話的に批判する、オーウェルの衝撃作』
『吉田健一の名訳を、描き下ろしの絵とともに(ヒグチユウコ・画)』

 最低限の食料しか与えず、幼い命を死に追いやり、自分たちだけ温かく安全な家に住む人間を追い出すため動物たちは謀反を起こした。
 動物たちは文字を覚え、「動物農園」を営んで、自らのために働く喜びを手に入れる。しかし一部の豚が君臨し始めると、動物たちが掲げた普遍の戒律は改竄され、恐怖と残酷な死が支配する世界に変わっていく――。
 非人間的な政治圧力を寓話的に批判したジョージ・オーウェルの世紀を超えた衝撃。発掘された名訳を描き下ろし装画とともに。

「え、ハードカバーで動物農園あるじゃん」 
 て、ことで買いましたね。これは。前々から欲しかったし。

「加藤楸邨全歌集」
                              加藤楸邨
『決定版全歌集』
『俳人楸邨(しゅうそん)の情感あふれる原点』

歌人としても卓越した才能を持ち、多くの秀詠を遺した楸邨。俳句では表現できない詠嘆的な心情を詠った短歌が異能の天才を浮かび上がらせる。

【解題・解説=中村稔】
「俳人加藤楸邨は短歌を生涯にわたって詠み続けていた。
 未収録78首を含む全637首を収録。佐佐木幸綱氏、推薦。楸邨が短歌をつくっていたのは知っていたが、これほど数が多いとは知らなかった。
 とくに驚いたのは、戦後すぐの昭和二十三年二月から四月の日付のある「短歌ノート」450余首。斎藤茂吉をふかく読みこんで実践的に彼の技法をとりこみつつ、敗戦直後の社会を家族を自身を自然をていねいにうたっている。戦後短歌としても注目すべきだが、何より『野哭』以後の楸邨の俳句を読み込むうえで必読の一冊とおもう」

 加藤楸邨(かとう・しゅうそん)1905年東京生まれ。東京文理科大卒。
水原秋櫻子に師事し「馬酔木」に加わり、1940年「寒雷」を創刊して
主宰、その強烈な個性と広汎な視野にもとづく独自の世界を確立。
 森澄雄、金子兜太、安東次男など、すぐれた弟子を数多く育成、楸邨山脈ともいうべき世界を確立した。1993年逝去。

<マンデーひとり歌会>

 この記事を書いていたら、突然フリーズ。シャットダウンしても電源のランプが消えず、画面は真っ黒。マニュアルを見ても分からず、問い合わせも時間外で絶望。これはバッテリーを外すしかない。こういう時は物理的対処だと、裏を開けてみたが、バッテリーは取れそうにない。
 諦めたところで電源のランプが消えた。何度か電源を入れなおし、BIOSの画面になり、マニュアルに従って、なんとか復旧。現在に至る。
 連続投稿記録が途切れる。パソコンの買い替えによる多大な出費。
 そして、
「書けないことへの、恐怖」
 肝を冷やした。こうして歌会に至れて、幸福の至り。
 心をこめて「五・七・五・七・七」「季語はいらないが、使用可」という最低限のルールを守って風流でも、美しくもない短歌を詠おう。
 と、いうことでスタートです。

新宿はホームレスから富豪まで魑魅魍魎跋扈なりけり

ちんかすを指でこそいで匂う指ちんかす何処へ消えゆくかな

期せずしてフリーズせしむ何事ぞ力技こそ道を開きて

ゴキブリがトイレの網戸這いまわり隣家の灯りゴキブリの影

酒のんでツマミ鱈腹貪って喰いに喰ったり呑んで三本

バスに乗り席最後尾座ったら隣り塞がれ心舌打ち

ダイエット言ったそばから米を喰うラーメン鉢で太りふくれて

目玉焼きいちパック焼いて醤油かけ酒のアテには至高至福ぞ

なくならぬ煽り運転悲劇生むハンドル握り消えるやさしさ

辛いとき直ぐに解決しないこと辛い自分を受け入れ寝たれ

扇風機まわりまわって夏の夜儚き時を撫でるそよ風

インド人人が多すぎカーストよ過ぎて及ばぬされど止まれぬ

 なんとか終わった。パソコンのトラブルにより、連続投稿が途切れると思ったが、どうにか何とかなった。神様はいた。見捨てなかった。別にキリスト教信者でないけれど、こんな時ぐらい神を信じてもいいかもしれない。
 話変わって、我が家の書棚に『加藤楸邨全歌集』が加わった。
 丸善・津田沼店で発見し、加藤楸邨の存在は知らなかったし、買う予定もなかったが、ピンときて購入。運命か、巡り合わせか。
 当面は、町田康先生と加藤楸邨先生を師匠として、歌を詠んでいきたいと思う。
 いい弟子になれそうにないが、ワードセンスを磨くために。



 

 
 

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