週刊「我がヂレンマ」<3月18日号>

 昨日の残り物(柚子ダコ、昆布付き明太子)で夕餉をすませ、本稿に辿り着いた次第です。
 関東地方は風が強く、スカートが捲れないかと期待しましたが、そうは問屋が卸しませんで、残念です。筆舌をギリギリ尽くせるぐらいの気持ち悪さですが、真実です。男はほぼ全員期待してますぜ。
 仕事を順調に終えて、それなりの清々しさが心に吹いている。
 さて、今週のコンテンツや。
<メモについて解説と考察>
<購入した書籍、おススメの書籍紹介>
<八十八ヶ所巡礼、西村賢太>
 早く家に帰りたい(在宅中)ということで、イッテみよう。

<メモについて解説と考察>

「狂都」
 京都のモジり。一見さんお断り、それを破った場合、命無きものと思え。盆地であるが故、夏は酷暑、冬は地獄の底冷え。舞子はそれでも涼しげかつ、太々しい。新選組の流れを汲む自警団『罵羅怒(バラッド)』は真剣を帯刀、狂都の風紀と治安を乱すものを容赦なく切り捨てる。
 狂って、狂って、狂い咲き。散って、散らして、ちりぬるを。
 ま、あれですね。中二病です(来月で38歳)。

「獰猛にして凶暴、粗野にして非情なる冷血の野蛮人。加えて、残虐非道、貪虐兇穢(どんぎゃくきょうあい)眼を覆うばかりの血も涙もない、畜生にも劣る殺人鬼」
 これは筒井康隆先生のエッセーか、何かにあった一節。あまりに疾風怒濤の罵詈雑言、いやに知的な語彙、これに値する人間が人類史上どれだけ存在しただろうか。

「月刊 廃人」
 古今東西、ありとあらゆる廃人を専門に扱う月刊誌。
【廃人】とは、病気や障害など様々な事情で普通の人間生活が営めない者とされる。蔑称であるため、使用には注意する必要がある。
 近年、特定の趣味に没頭するあまり日常生活に支障をきたしまうような状態を自虐的に、または他者を揶揄してこの単語を用いることもある。ネトゲ廃人など。
 YouTubeの『街録』の出演者を地獄に落として、錯乱と失神を永遠と繰り返したような、廃人をじっとりと紹介する。社会的背景や、社会学や心理学の観点も盛り込んで、ただの色物雑誌を脱する内容とする。
 表紙はゴリゴリの極太の明朝体で、全体を使って四文字。
 上部に月刊、下部に廃人。雑誌サイズなのにハードカバー。無駄に装丁が豪華。熱狂的かつ狭い世界で、読者たちがエコーチャンバーに酩酊する。
 色は白黒モノトーン。毎回、微妙に違う白黒を使用する。価格は税込み4,000円。シリアルナンバー入り。
 欲しい。

「スキンヘッドでセーラー服」
 不審人物すぎて、逆に通報されない。人が目を合わしてくれない。何をするでもなく佇んでいる。
 新宿東口で、皇居前で、秋葉原で、五稜郭で、首里城で、大阪・新世界で、ニューヨークで、月面で、火星で。
 確実に人類ではない。

「農耕なキス」
 土煙の影響か、すこし土が吹きさらした縁側で。田植えをしながら、周りにバレないように。軽トラックで。出荷のため荷積みのときもさりげなく。 
 私、農耕、俺、農耕。愛と作物育んで、第一次産業支えます。
 子供さこさえて少子化改善、貢献。
 農耕キス。濃厚キス。農耕キス。濃厚キッス。
 唾棄!!!

「身体改造(body modification)」
 は、習慣やファッション、刑罰等として身体の形状を変更すること。広義の身体装飾に含まれ、伸長・狭窄・切開・切断・縫合・焼灼などの手段を用い、人間の肉体に意図的に、また多くの場合は恒久的に変形を施すことで装飾する行為である。民俗学・文化人類学の分野では身体変工(mutilationまたはdeformation)と呼ばれ、人体改造や肉体改造とも呼ばれる。

「横臥」
 横になって寝ること。からだを横たえること。「ベッドに――している」
まさに横臥しながら本稿を執筆中。ちなみに『臥』は漢字検定準1級。
 何となく仏像を思い浮かべた。涅槃。タイ王国。ストリートファイター。
 椅子に座って痔を患う莫迦を尻目に、私は横臥しながら。書く。

<購入した書籍、おススメの書籍紹介>

「夏への扉 新版」
               ロバート・A・ハイライン 福島正実/訳
 ぼくの飼い猫はピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。
 親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送り込まれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか――新版でおくる、永遠の名作。
                           
                           解説/高橋良平

「飛行文学」 
                          著=しゃんおずん
『二人の日常が、漫画表現の最前線』
『昨日の通学路から1万年後のあの子の家まで自在に遊泳する爽快な1冊』  
                      ――衿沢世衣子(漫画家)

 トーチweb誌上を7年に渡って彩ってきた、不可思議な日常を描く69本の実験的ショートショート。
 なつめとみやび、二人の日常は時間も空間も超えたあらゆる、”いつか”に偏在する。多彩な漫画表現を駆動しながら描かれるマルチバースさながらの多様な世界。
 二人が切り開く時空の旅は、漫画表現の実験場だった――。
『あらゆる”いつか”を横断していく、変幻自在の空飛ぶ文学』

 可愛らしく、ときにアーティスティックな絵柄で、二人の少女の日常を描く。2~10ページ程度ですらすら、さらさら読める。不思議と爽やかな気持ちになる。400ページ近くあるので、ハーブティーでもすすりながら、ムードある音楽でも流しつつ読み耽るのも一興。

「襲撃」
                   ハリー・ムリシュ 長山さき◎訳
『親ナチス警視が殺害された「襲撃」の夜、家族を失った少年が戦後に知る衝撃の事実の数々』

『20世紀後半のヨーロッパを代表する巨匠による世界40か国以上で出版された、戦争文学の静かな傑作』

「明瞭で奥深く、ギリシャ悲劇のように楽しめるミステリー」
                          ――ル・モンド
「運命と偶然、強さと弱さ、罪悪と無罪が交錯する暗黒の寓話」
                     ――ニューヨーク・タイムズ

「この世界では、良い事柄にも必ずや悪い面が含まれている。だがそれ以外にもまた別の面があるのだ」

 1945年1月、終戦間近なオランダの夜間外出禁止の夜に鳴り響く6発の銃声。親ナチス警視殺害の報復で家族を失った少年が、戦後に知る衝撃の事実とは何か。
 暴力に屈する裁判書記の父、警官のピストルを奪って逃走した兄、慈愛に満ちた母のぬくもり、警察署の独房で遭遇した女性の柔らか声・・・・・・  戦後、医師として働くアントンのもとに、忌々しい事実の波紋が押し寄せてくる。対独協力者の父とユダヤ人の母から生を享け、「わたしが第二次世界大戦だ」と発言した巨匠が、戦争や罪や運命について精緻に織りあげた静かなる傑作、ついに邦訳!!!

 白状します。ジャケ買いです。白黒ツートーンで明朝体ゴリゴリのタイトル、作者、翻訳者名。最高。
 装丁は森敬太さん、組版は株式会社社創部、印刷はモリモト印刷株式会社、製本は小泉製本株式会社。
「イケてる。痺れる。めっちゃカッコよすんぎ。濡れる」
――ついに翻訳!!! て、いう、気合が、情熱が迸ってます!!!

「つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む」←おススメ。
                              つげ義春
 つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる”夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた”日常者”を集大成。

【収録作品】
 ねじ式/ゲンセンカン主人/夢の散歩/アルバイト/雨の中の慾情/夜が掴む/コマツ岬の生活/外のふくらみ/必殺するための固め/ヨシボーの犯罪/窓の手/夏の思いで/懐かしいひと/事件/退屈な部屋/日の戯れ

                           解説 川本三郎
                           解題 高野慎三

「ニヒリズムとテクノロジー」←おススメ。
                        レーガン・ガーツ◎著
                        南沢篤花◎訳
『ニーチェなら、現代テクノロジーをどう見るか?』

『挑戦的思考実験の書。人間よ、目ヲ覚マセ』

『人間を虚無に導く企業やサービス→FACEBOOK[Meta]/TWITTER[X]/
 NETFLIX / SIRI / KICKSTARTER / GOOGLE / YOUTUBE / POKEMON  GO / FITBIT / TINDER / AIRBNB…』

●ニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解く
●SNSや有名アプリ・サービスを題材に、人が「無」に向かう構図を解説
●テクノロジーと私たちの関係を見直し、批判的かつ楽観的な思考を養う
●現代の研究や調査、理論を反映、ニーチェの哲学が現代に通用することを
  示す

<八十八ヶ所巡礼、西村賢太>

 日本のスリーピースバンド。レーベルはPsychederic Progressive  Revolution(インディーズ)。略称は「八八(はちはち)」、「巡礼(じゅんれい)」。2006年10月8日に結成されたスリーピースバンド。「ちょっとやそっとじゃ想像できないロック音楽」「浮き浮きするプログレの端くれ」と自らの音楽性を称している。マスコットキャラクターは谷口崇の手によるもの。バンド名をはじめ、仏教や神道など、東洋の宗教の世界観と取り入れた楽曲が多い。
 と、
 1967年(昭和42年)7月12日‐2022(令和4年)2月5日は、日本の小説家。同人誌への参加で執筆を始め、暗澹たる日々にもがく姿をさらけ出す私小説の書き手。2011年(平成23年)「苦役列車」で芥川賞受賞。ほかに『暗渠の宿』(2006年)、『二度はゆけぬ町の地図』(2007年)、『無銭横丁』(2015年)など。
 を、聴いては、読んで、書いている。なんだろね。
 言葉とフィーリングが、しぶき、たてすぎ。
 それはもうジャンジャンバリバリすぎる。
 教祖、猫を咬むデス。
 輪廻転生もいい加減にしてほしい(意味不)。
 オフザケはこれくらいにして、どうも私は一般受けしないひと、ひとたちを好きになってしまう。
 迷路を巡っているうちに、引き寄せられるように辿り着いてしまう。多くの人は狂感できないだろうが、根が意識高めで斜に構えているため、かような芸術に耽ってしまう(気色悪い)。
 それらを浴びに浴びて、肝心の自分の作品(気恥ずかしい)にどんな影響があるだろうか。
 思えば子供のころから、漫画や映画やダウンタウンのコントに夢中になっていた。19歳のころ、出版詐欺で今は無き新風舎に持ち込み、1000枚弱書いて編集者の方にみてもらったこともあった。騙されないでよかった。
 その後、脚本の通信教育に手をだしてみたがしっくりこず、
「自分は映画監督になるんだ」
 と言って、DVDを500本ぐらい集めてみたが、ついに一本の映画も撮らず時間は過ぎる。
 30代はろくに作品をつくらず、ノートにメモ書きをして、映画や小説や漫画を渉猟する日々。
 そして、去年4月1日からnoteを始める。艱難辛苦、粗製乱造、駄文雑文垂れ流し、これが”何”に繋がるのか。
 そろそろ長篇小説の準備を始めなくてはいけない。と、言って、なんだか、ちょっと、時間が過ぎている。短文を毎日投稿していることで、努力をしているつもりなっている、かもしれない。無為、無駄かもしれない。
 そんな恐怖を抱くとともに、小腹が空いた。最寄りのファミリーマートへ行ってきます。
 無事に、
『LOTTE マカダミア・チョコレート 丸ごと贅沢 幸運のマカダミア』
『カルビー ポテトチップス BIGBAGチャック付き うすしお味』
『ファミマル スーパーサイダーファイバー』
 を購入。
 無事「今週は夜、コンビニへ行かない」という自分との約束を破る。
人間の三大欲求である、食慾には勝てない。
 そして、八十八ヶ所巡礼の『紫光』は無類であり「外は疑惑の雨」であって、師匠・西村賢太は関わってはいけない類の無頼派の屑(褒め言葉)であり、モラトリアム糞野郎どもを励ましつづける。
 さて、ノルマである5,000字を超えそうだ。
 超えた。
 自分を。あと2年で四十。泥春を行く暗中行路の灯火は西村賢太かもしれないし、フィリップ・K・ディックか、または中原中也か。
 もうなんでもいいから、
 終われ。もういい。蛇足を切り捨てろ。さっさと喰って、読んで、寝ろ。
 
 


 

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