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被害総額30億円!?消費者への影響から考える「おとり物件」の実情
前回の記事で不動産のおとり広告である「おとり物件」の要因として、リアルタイムでの情報取得が出来ない事から起こる”広告の落とし漏れ”がある、とお話しました。
不動産業界やメディアの中には、「おとり物件」が不当表示であることを認識している一方で、これらを「構造上の問題により解消が困難なもの」と位置づけ、仕方がないものと結論付けている場合があります。
「おとり物件」は、本当に「意図的ではないものであれば仕方ない」と受け入れなければならないのでしょうか🏘
今回は「おとり物件」について、住まい探しを行う消費者へどのような影響があるか、という観点でお話します。
■消費者の約半数が募集終了物件に遭遇
今年1月、LIFULLでは、18歳~69歳の消費者の計9,104名(男性4,446名 女性4,658名)に対しておとり物件に関するインターネット調査を実施しました。
直近3年間においてインターネットの住宅総合検索サイト(LIFULL HOME'S以外も含む)で賃貸検索を利用した人のうち、約半数(47%)が「募集終了物件の遭遇経験あり」と回答しています。
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とくに、18歳~29歳では「募集終了物件の遭遇経験がある」という回答が多くなり、約2人に1人(52.5%)が経験ありと回答しています。進学や就職で初めて1人暮らしを検討する等、引っ越しの経験が少ない世代では、スムーズに契約に結び付かず、募集終了物件に遭遇してしまう割合が高いようです。
■消費者の「おとり物件」に対する問題意識は低い
一方で消費者の多くは「おとり物件は仕方ないもの」と認識している事が分かりました。
「募集終了物件の遭遇経験あり」と回答した人のうち、約8割(81.6%)が「残念な気持ちはあったが、仕方がないと納得した」と答えました。
消費者には、募集終了物件が「おとり物件」なのかを確認する方法がなく、「そういうものか」と納得して泣き寝入りしてしまう事が多いようです。
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また、「”おとり物件”という言葉を知っているか」という設問に対しては、約7割(71.1%)が「知らない」と回答しました。
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言葉の意味まで理解している人は、なんと約1割という結果に。消費者が「おとり物件」の存在を知らず、被害に遭遇している自覚に乏しい事もわかりました。
なお、「おとり物件」の意味を伝えた上で改めて、直近3年間において「おとり物件に引っかかってしまった可能性があるか」を確認したところ、およそ4人に1人(約28%)が「可能性がある」と答える結果となりました。
アンケート調査結果からは、不動産会社に比べ、消費者がお部屋探しへの知識や理解が乏しい事により、おとり物件の問題が表層化しない可能性があると読み取れます。
■被害総額はなんと「30億円」!?
LIFULLでは、更に1,000名(男性502名 女性498名)に対して踏み込んで調査をしました。
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直近3年間において住宅総合検索サイトで賃貸検索を利用した人のうち、実際に「不動産会社や店舗に足を運んだ」人は全体の約49%、「引っ越し先の地域に足を運んだ」人は約33%でした。いずれかの項目にひとつでも該当する人(=物件探しのために実際に移動の手間をかけた人)は約57%にのぼります。
上記57%に実際にかかった費用を聞いたところ、平均金額は3,600円でし
た。「1万円以上」と回答した人も15.4%います。
また、移動の有無にかかわらず、物件探しにかかった時間は平均8時間でした。
これらを元に「おとり物件」の被害額について、人口ウェイトバックで推計値を算出しました。
その結果、日本全国の年間被害額は、驚くことに約30億円と推計とされました。
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この結果から、私共では、おとり物件は時間面でもコスト面でも消費者にとって負担発生するものであり、決して「仕方ない」で片づけられる問題ではない、と捉えています。
不動産会社側での課題だけではなく、お部屋探しをする方々の個人個人が、現状把握をし、問題として認識する事、それが「おとり広告撲滅への一歩」となるのでは、と思います。
■今日のまとめ
✅引越しで新居を探している方のうち、約半数が「おとり物件」に遭遇している!
✅「おとり物件」や「おとり広告」のことを認知・理解している方はごく少数!
✅「おとり物件」や「おとり広告」の被害総額は30億円にのぼる可能性がある!
✅不当表示に対する正しい理解が広まる事がおとり広告を無くす大事な一歩!
今回はいかがだったでしょうか。
次回は「おとり物件撲滅」の為、LIFULL HOME'Sが開始した不動産業界初の画期的な取り組みについてご紹介します。
お楽しみに!
次回記事はコチラ!
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