【詩《うた》う】どうせ教からの脱出

どうせ誰に入れたって同じ
どうせどの党に入れたって同じ
どうせ私の一票じゃ変わらない
どうせお祭り騒ぎ
どうせ昨日まで頭さげてた人間が
どうせ明日からまたふんぞり返る

どうせどうせのどうせ教
ええーい
どうせっつうねん

どうせ教を唱えてみても
永遠に救われることはない

どうせ誰に入れても
どうせどの党に入れても
同じだよ
と嘯《うそぶ》くなかれ
同じにならない選択肢を放棄して
どうせ教を広めないでおくれ

どうせどうせと言わずにいた
一歩踏み出し
変化した
あのとき
あのこ(あいつ)と 
あの日のこと
思い出し

どうせだったら
賭けてみよう

どうせという投げ遣《や》りの
槍《やり》を投げて飛ばしてみれば
同じではない
なにかがあとに残るだろう

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本日は第50回衆議院議員総選挙の投票開票日。
8カ月ほど前、安全地帯の『恋の予感』の替え歌を作りnoteに書いた。
なぜ なぜ あなたは 投票所に行かないの?
と京都市長選の結果を嘆いた。

選挙権のない人の存在を思えば権利というより義務だろうと書いたとき、
外国籍住民のことを念頭にした。
投票権はあっても投票所に行くことが難しい人として、心身に障がいを抱えている人や、今回の場合だと能登半島地震と続く豪雨災害で被災した人のことが頭に浮かぶ。また住民票がないホームレス状態の人がその権利を行使できないあり方にも問題がある。

そして、あーそうなのかーと私の頭から抜け落ちていた人について示唆してくれたのが、一昨日(10月25日)放送された、毎月最終金曜午後8時5分よりNHKラジオ第一放送で流れる番組、「みんなでひきこもりラジオ」だった。
リンク先は聴き逃しサービスのため、11月1日(金)の午後8時55分までの限定公開だが視聴できる。
差別や貧困、暴力に支配され、絶望のさなかにある人に、「市長が変われば、この人生が変わるとでもいうんか!」と胸の内を吐露されたら、、、と8カ月前に書いた時には彼らの存在が見えていなかった。
”ひきこもり”当事者からのメッセージをアナウンサーが紹介するというシンプルな番組作りに好感を持ち、この春から聴いている。
彼らは”どうせ教”信者ではなかった。
それでも、外に出るハードルが高い。一票を投じたくてもできない。
期日前投票の人の少ない夜に出かけたという人はこう呟く。
「投票したくても行くことができない人が存在する社会は、そもそもひとり一票の権利を持っているとは言えないんではないんでしょうか」

どうせ一票、たかが一票ではなく、されど一票なり。






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