6 兌換紙幣と不換紙幣とは

うとぅ と にぃに 〜国の借金を返済する方法〜 

 
6 兌換だかん紙幣と不換紙幣とは

 
 

うとぅ『 確かに今の説明でやっと呪文が解呪されて

日本銀行(日本の中央銀行)が 紙幣を発行すると《 国の借金になる 》

政府が1〜500円玉 (※記念貨幣を含む) 貨幣を発行すると《 国の借金にはならない 》

って、わかってきたけど…その中でも引っかかったのが昔は

【 紙幣は金または銀と交換できる券だった 】

ってことなんだけど本当なんだよね? 』

にぃに「 うん 、本当。さっき説明した通り。

さっきも言ったけど、その当時に採用されていた制度にもよるけど

昔は 《 兌換だかん紙幣 》の時に金もしくは銀と交換することが可能だったんだよ。 」

うとぅ『 でも今はダメなんだよね 』

にぃに「 うん。

今は《 不換ふかん紙幣 》と言って金または銀と交換はできない

……って、うとぅこれも習ったかもしれないけど… 」

うとぅ『 YES!もちろん覚えてなかった!

習ったかもしれないけど胸を張って覚えてなかったって断言できる!! 』

にぃに「 うん。。。そんな胸張って言われても 。。。 」

うとぅ『 でもさぁ、今の紙幣は《 不換ふかん紙幣 》って

それって以前の金か銀に交換できる《 兌換だかん紙幣 》に戻したほうが良くない?
だってそっちの方が紙幣にちゃんと価値があるからさ〜 』

にぃに「 うん?

うとぅは、《 金本位制 》または《 金銀複本位制 》に戻した方が良いって考えだってことだね?

ん〜…僕的にはあまり賛成できないかな… 」

うとぅ『 えっ!何で?

今の紙幣ってよーするにただの紙切れでしょ? 』

にぃに「 まあ、紙幣には《 強制通用力 》っていって

日本銀行法に、支払い時に受け取りが拒否できないという法的根拠があるから、ただの紙切れでもないんだけどね…

〔 >第五章 日本銀行券
   (日本銀行券の発行)
   第四十六条 日本銀行は、銀行券を発行する。
   2 前項の規定により日本銀行が発行する銀行券(以下「日本銀行券」という。)は、法貨として無制限に通用する。 〕(※1)

ただ、それも契約前に現金不可って言われれば《 強制通用力 》も通じない場合も出てくるとかなんとか

…そこまで詳しい話は法律の専門家に話を聞かなきゃわからないから

とりあえず話を 僕が《 金本位制 》復帰にあまり賛成できない理由について

今現在までのお金の歴史を簡単に説明しようか 」

うとぅ『 説明!説明! 』

にぃに「 えっと…まずは

● 物々交換

● 物品貨幣

● 金属貨幣

● 紙幣

細かく紹介すれば長くなるから大体になるけど、こんな流れがお金の歴史だよね。

ちなみに、この《 物々交換 》からの流れでお金の制度ができたんじゃないって説もあるみたいだけど

それって学術的に重要なんだとは思うけど、そっちも調べ出すと収拾がつかなくなるから

うとぅが気になってる何で今現在《 金本位制 》じゃないのか?

今の状況になった主な出来事を紹介することにするよ

●1914年  第1次世界大戦勃発

●1929年  世界大恐慌

●1931年(昭和6年) 日本  金本位制 離脱

●1939年(昭和14年)9月 第二次世界大戦勃発

●1945年「ブレトン・ウッズ協定(金・ドル本位制度)」が発行
(※アメリカのブレトンウッズという場所で連合国通貨金融会議が1944年に開催)

●1971年 (昭和46年)8月  ドル・ショック(米ドル対策で株大暴落)
(※ニクソン・ショック と呼ばれる出来事)

これらが押さえておきたい出来事なんだけど

何でかって言うと《 金本位制 》がこれらの出来事を経て終わる流れになってるんだよね

《 第一次世界大戦 》が始まってから次々と各国が金の兌換だかんや金の輸出を停止したんだよ

一時的な停止で復帰はあったけど、その後にまた 《 世界恐慌 》が起こったから

ま〜た次々と各国も金本位制を停止しちゃったんだって

んで、まともに 国際通貨制度が回復しないままに《 第二次世界大戦 》が始まっちゃって《 第二次世界大戦 》が終わると

アメリカに金の大半が集中してた為に《 ブレトン・ウッズ体制「金・ドル本位制度」 》になっちゃうんだけど

1971年 にアメリカのニクソン大統領がドルの金兌換だかん停止を発表したんだよね

これがいわゆる【 ニクソン・ショック 】と言われる出来事で

ちなみに1973年には《 変動相場制 》になって

〔 >現実を追認する形で IMF は 協定を改定して金平価制度を廃止し(一九七八年)、
   各国も金と自国通貨の関係を規定した条項を逐次廃止していった
(仏一九七八年、米一九八二年、英一九八六年)。
   こうした動きの中で、日本も 昭和六十三年(一九八八年)三月末をもって貨幣法を廃止 〕(※2)

そして今現在まで採用されているお金の制度になってるってワケ。

〔 >最終的には通貨当局が完全に通貨の価値と量をコントロールする 「管理通貨制度」の採用に至った。 〕(※3)

………長くならないように、か〜なり端折ってるから

それぞれの理由とかが正確に知りたいならば調べることをオススメするよ。

。。。はぁ、疲れた。けどまだ続く。 」

うとぅ『 まだ!?もうお腹いっぱ… 』

にぃに「…それで肝心な《 金本位制 》復帰に僕があまり賛成できないのは

《 金本位制 》の1番大事な金の確保は?

世界中で何処でも平等に金が産出されるわけじゃないよね
おまけに金ってその希少性から価値を保ってる希少金属でしょ?

希少ってよーするに量が少ないってことなのに
《 金本位制 》に復帰するってことは、その少ない金を各国が確保しておかなきゃいけないってことでしょ?

そこで思い出して欲しいのが

第一次世界大戦頃から理由があったとはいえ過去に各国が《 金本位制 》を停止または離脱して

金輸出や金の兌換だかんを停止したり、状況が変化すれば、また《 金本位制 》に復帰して

金解禁や金兌換だかん開始したり…

その時の状況で《 金本位制 》の停止や離脱、再開が行われるっていう前例があったよね

金の確保が出来なくて《 金本位制 》を停止、離脱。

状況が変化すればまた復帰を繰り返したんでしょ?

おまけに戦後辺りから金の大半がアメリカに集中したから
各国で、また金の確保が出来なくて《 ブレトン・ウッズ体制「金・ドル本位制度」 》に移行して

それでも《 ブレトン・ウッズ体制「金・ドル本位制度」 》を続けるのが難しくなったから

今の《 管理通貨制度 》になってるのに

《 金本位制 》に復帰するって僕的には意味がない気がする…

金の量が問題ならば…って、もしも金が人工的に作り出せるようになって金の量産化に成功したとしても

金はその希少価値から、つまり量が少ないから価値があるのであって

アルミニウムのように安く量産化されてしまえば価値が暴落してしまうと思う。

それだと誰も金を欲しがらないよね?希少価値から皆欲しいって思うんだから。

あ、ちなみにナポレオンが生きておられた時代はアルミニウムってとっても希少価値のある珍しい金属だったんだよ。

〔 >当時、アルミニウムは、金や銀と同じくらいに貴重なものだった。〕(※4)

こういったことから僕は《 金本位制 》に復帰することにはあまり賛成できないんだよね。 」

うとぅ『 理由がくそ長い…! 』


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(※1)出典元︰日本銀行法 | e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=409AC0000000089_20220617_504AC0000000068&keyword=日本銀行法
参照日(2024年7月9日)

(※2)引用元︰大蔵省印刷局/編|日本のお金 : 近代通貨ハンドブック|大蔵省印刷局 |1994年6月|113p

(※3)引用元︰大蔵省印刷局/編|日本のお金 : 近代通貨ハンドブック|大蔵省印刷局 |1994年6月|108p

(※4)引用元︰左巻健男|金や銀と同じくらい貴重…ナポレオン三世が最上のもてなしに使った「金属」とは? | 世界史は化学でできている | ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/268010?_gl=1*135ik6k*_ga*blVHX0pPTWF6RVlCRnJkNjRIMHY5M184eENPTnlIWm1WR3FwX2lpdHJMVUdRSkotVUVUNlQwTlNXT1RDVk1YYw.._ga_4ZRR68SQNHMTcwODg0OTU4MC4yLjAuMTcwODg0OTU4MS4wLjAuMA..
公開日[2021年4月11日 4:30]
参照日(2024年7月9日)

参考文献︰大蔵省印刷局/編|日本のお金 : 近代通貨ハンドブック|大蔵省印刷局 |1994年6月

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