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『葛藤・つながれなさの先』には、何があったのか?プロセスワーク×LGBTQ+合宿

2023年9月のプロセスワーク×LGBTQ+の合宿で出会った尚ときりんの二人の対談企画vol.4!
(vol.1はコチラから。vol.2はコチラから。vol.3はコチラから。ぜひ読んでみてください。)

  • 合宿に参加するまでの二人のそれぞれの歩み

  • 合宿を通して感じたこと、体験したこと←今回はココ!!

  • 合宿からしばらく経って今、振り返って感じる変化

今を生きるわたしたちを何回かの記事にわけてお届けします!

参加した合宿はこちら!

LGBTQ+と現場に立つアライに贈る
【 ディープデモクラシーへの扉@大阪 】 ー「葛藤・つながれなさ」の先へ ー


この合宿は、LGBTQ+の当事者、当事者の家族やパートナー、支援者が、それぞれの立場から、日々現場で感じる葛藤・つながれなさに向き合い、ともに生きるために私たちは一体何ができるのか?を模索する場でした。

▼詳細&対談に登場する🐋尚と🦒きりんの自己紹介はコチラから!

https://note.com/natsunokirin/n/nd2d5bcd97825

社会で受けた傷はコミュニティでのみ癒される


🐋尚:
前回は、合宿での体験を語ったけど、まだまだ多くの体験をしたから、もう少し話していこうか!

もう一つ現実と結びついていることがあってさ、みんなでガッと話したあとに、尚は、みんなの輪から離れていたんだよ。
それは、「傷ついても傷つけても、諦めずにつながっていこう」とするわたしたちから、自分を排除していたんだよね。
そこにわたしは含まれる必要はないって。そういう行動をいつもしているんだなと思った。
本音は、みんなのなかにいたい。でも、それを許していない自分にも気づいたな。

🦒きりん:
そうだったんだね。

🐋尚:
つながるとまた傷つけあってしまうという未来を見て、怖くなるんだよね。深い関係性を築くことを避けるようにしているから。

でもさ、目の前に広がっている光景は、「もうあなたの手を離しません」という光景。怖さをやっぱり感じた。

でも、今から考えると、一番怖がっているのは自分で、輪に入ることを許していないのも自分。仲間はすぐそこにいるんだよね。すごいことやん。

実際合宿の時、輪から離れている尚を、輪のなかに引っ張っていってくれたのはLGBTQ+当事者の仲間だった。

「あなたはここにいていいのだ」

というメッセージをもらったよ。輪から離れるほうが、もしかしたら簡単かもしれない。人の輪の中にいたらやっぱり傷ついたり、傷つけあったりしてしまうかもしれないから。
でも、その離れる、自分を排除する道を歩みたいかというとそうじゃない。合宿で輪になった、握り合った手の感覚を忘れたくないと思う。

🦒きりん:
なんかさ、つながれなさを感じれば感じるほど、つながりを信じられなくなる感覚は、わたしも経験があるんだよね。
また傷つくならもうつながりを作りたくないな、人と関わりたくないな、自分の大切な想いを伝えるのってしんどいなっていう。

でも、この合宿は違ったよね。
尚がずっと読書会を続けてくれているDayaさんの『日常のなかのワールドワーク』の本の中でも、

『社会で受けた傷はコミュニティでのみ癒される』

って言葉があるじゃない?
あれがまさに起こっていた場だったのか!って後から思ったの。

ただ、傷つかないようにするとか、我慢するとか、空気を読むということじゃなくて、人と深く関わっていくことの大切さをあの合宿では本当に感じて、傷が癒されていく感じがあって、もう一度人と深く関わることを信じられる感じがあった。

わたしはあるワークの中で、物理的に目の前にいた相手に手を差し伸べて、手を繋ぐということを自然としたタイミングがあったんだけど、

「ああ、これでいいんだ。」

って体の感覚が教えてくれた感じがあって。

しばらくしたら、繋がれた方の相手も涙を流し始めて、本当に心を動かされている感じがあったの。

「そうか、これだけで伝わるんだ。これなんだ。」

って思ったんだよね。
どうすればいいのか?って自分が本当は知っているんだ、そう思ったの。

まだプロセスワークを学び始めて日が浅いからうまく伝えられるかわからないんだけど、プロセスワークもそうだし、プロセスワークが大事にしているディープデモクラシーという世界観も、そういう人と人との深い関わり方、違いがある中で人とどう繋がっていけるのか?について知恵をくれる感じがする。

自分のやるせない気持ちとか苦悩とかもちゃんと自分にあるって認めて、含めてあげることで、自分のあり方が変わっていく一歩を踏み出すことができて、そうすると他者や自分と異なる価値観を持っている人とも繋がっていけるんだって。

そんな人や社会と関わりながら生きていく智慧をプロセスワークは、いろんな角度から教えてくれてるのかなって思ってる。

🐋尚:
そうだね。
『社会で受けた傷はコミュニティでのみ癒される』
この言葉は、自分も体感としてもってるな。まさに合宿が社会で受けた傷を癒す時間になったとおもう。

そして、プロセスワークの智慧のすごさは、智慧はわたしたちの中にあるということを思い出せることだなと尚はおもっているよ。
なぜかというと、わたしたちが語り合っていったり、表現している中から、葛藤が変容していく道ができたり、つながる道ができるのが体験できたから。

もうすでにわたしたちの中に智慧はあって、それが大事に表現されることで、葛藤変容の道を自分たちでつくることができるとおもった。

こんなに自分の中で変容が起きるんだ、癒やされるんだ

🦒きりん:
私は合宿で特に印象に残っていることが2つあって。

1つ目はね、カミングアウトされた親としての動揺があって、でも、本当は心から応援したいし、ともに生きたい、だけど、葛藤が大きすぎて抱えられない、みたいなことを語らせてもらった時間で感じたことなんだけど。

たくさんスペースをもらって語らせてもらって、カミングアウトした子どもの立場からの声もたくさん聴かせてもらう中で、本当に涙が止まらなかったんだよね。

たくさんの感情が溢れてきて、
「あぁ、こんなにも、あるはずのことをないことにしていたんだ」
って気づいたの。

わたしはやっぱり動揺が消えなくて、喪失感を感じ続けていること

「子どもは悪いことをしているわけじゃないから肩身の狭い想いをさせたくないけど、私はそうさせてしまっているんじゃないか?」
という怖さや不安がたくさんあること

子どもとどう関わるのか?パートナーとどう関わるのか?正解がない中で、わたしはどうしたらいいのか?と迷いがこんなにあったんだっていうこと

心から子どもとともに生きたいと思っていることに嘘や偽りはないと確信したこと

子どもには、自分の選択を信じて欲しいって心から思っていること

他にもここで語り尽くせないけど、
いろんなことがブワーーー!!!って自分の心の奥から湧き上がってきて、こんなにいろんなことがわたしの中にあったのに、「ない」ってしてたんだって初めて気づいて本当に驚いた。

葛藤はいつか消えるものだろうって、感じてはいけないものだって、「ない」ってしてたことを、言葉にして口に出して「ある」ことにしていって、真剣に耳を傾けてもらえて、受け取ってもらえることで、こんなに自分の中で変容が起きるんだ、癒やされるんだって驚いた。

こんなことが起きるんだって。
これが1つ目の印象に残っていることね。

🐋尚:
実際に語りを聴いていて、きりんさんの愛にあふれる姿に尚は言葉が出なかった。
ありがとうって思ってた。
親はこんなふうに思っているのかなと自分に置き換えてきいていたよ。

親にもいろんな感情があることは想像はつくけど、実際自分の親の声をここまで聞くことは難しい。

だから、きりんさんの存在を通して、親との関わりについてじんわり考える時間だったなぁ。語ってくれてありがとうがすごくある。今も。

🦒きりん:
そうだったんだ。ありがとう。
わたしは、親としての深い気持ちを語ることで、親子の関係性でしんどさを抱えている人にとっては、わたしの語りはつらいことや傷を思い出させてしまうんじゃないかという恐れはあったんだよね。
だから、そういう風に言ってもらえて、ホッとしてる。

『葛藤・つながれなさの先』には、何があったのか?


🦒きりん:
それで、もう1つはさ、この合宿のタイトルにもなってる、『葛藤・つながれなさの先』に繋がる話だと思うんだけど。

葛藤・つながれなさの先に、わたしは『希望』を見つけたの。

わたしは、今回の合宿って、セクシャルマイノリティの当事者のみんなの生の声を初めて聴かせてもらう体験だったんだよね。

心の奥の真実を勇気をもって語っていく姿とか、

日々の中で傷つきながらも「それでもなお」って思って立っている姿とか、

心のしんどさがこんなにも体のしんどさに現れていて、ただ生きていくのもこんなにも大変なんだということを真摯に語る姿とか。

そんな姿を見た時に、一人ひとりの命の美しさが尊くて、我が家の子どもたちもこんな風に生きていく人になっていってくれたらと思ったの。
あぁ、目の前にいる一人ひとりの姿に希望があふれてるんだ!って心が震えたの。

🐋尚:
「希望」を見ていたんだね。
尚も同じ。
わたしたちは、語り合えるし、諦めない姿で関わりあえる。
それは、この場だからできることもあるけど、この場にいない人も絶対できるという気持ちになった。希望は、わたしたちで創りだせるって思った。

🦒きりん:
あぁ、本当だねぇ。
希望はわたしたちで創りだせる。
本当にそれができるはずだし、わたしたちのこの対談記事も希望だよ。
親と子どもの立場でありのままを語り合ってそれを記事として世界に届けることは、希望だとわたしは思っているよ。

かと言って、希望だけがあって、スッキリしているみたいな単純な話でもないなと思う。

やっぱり葛藤や悩みもある。

ただ、葛藤や悩みも抱えていくのは、悪いことじゃないと思えるようになったから、ともに生きていくことを純粋に大切にしていきたいなとシンプルに思ってるよ。

気づけば、わたしたちがあの合宿で出会って、あれから半年経つね。

次の回では、それぞれどんなことを感じたり、変化があったりしたのか、その後の半年間でどんな希望を見ようとしたのか?について聴けるのがとても楽しみだなぁ。
今回は、共通の体験としての合宿について色々話せて、もう一度、合宿での体験を丁寧に味わうことができた感じもする。
本当に得難い時間だったなぁ。ありがとう。

次回のプロセスワーク×LGBTQ+企画についてのお知らせ

🐬尚と🦒きりんの二人が参加した2023年9月の合宿は、今年は2つの企画になって開催されるそうです。
LGBTQ+フレンドリーなら参加できる2Dayの7月末の企画!
それから、LGBTQ+当事者&家族、現在現場のある人向けの9月の合宿企画!
どちらも本当にオススメで、ぜひ一度は体験してほしいです。

7/27(土)・7/28(日) 2days!!
LGBTQ+&アライがより繋がっていくために、分かち合いたい!
Dayaのプロセスワーク入門講座
LGBTQ+フレンドリーなら皆歓迎です◎

9/14(土)〜9/15(日) 1泊2日合宿!!
LGBTQ+と現場に立つアライに贈る
『ディープデモクラシーへの扉@大阪』 2024
〜「葛藤・つながれなさ」の先へ〜
LGBTQ+当事者&家族、現在現場のある人向け◎

ワールドワーク2024についてのお知らせ

もう一つ紹介させてもらいたい大事な企画が、ワールドワーク2024
ワールドワークは、社会で起きている葛藤や対立を扱うことで、自分のことや自分と社会・世界との繋がりを深めることができる場です。
ジェンダー・セクシュアリティがテーマ。

誰もが参加できるのが、このワールドワーク。
この記事を読んでいるあなたに、ぜひ体験しに来てほしいと思います。

10/12(土)~10/14(月・祝)
ワールドワークLABO合宿2024 (山梨県 清里)
〜葛藤・対立を変容させていくための対話促進アプローチ〜
「ジェンダー・セクシュアリティ」をめぐる様々な声

🦒きりんは、ワールドワーク2023に参加して、個人の葛藤や苦しみは、社会と切り離されたものではなく、密接に絡み合っていること、社会の構造によって起きていることがたくさんあるんだ!ということを深く知りました。
参加者が経験してきた葛藤や傷、わかりあえなさなどのリアルな声を通して出会うことができたのです。

また、私たちが日常で直面している難しさの一つひとつに、ジェンダー・セクシュアリティは関係していることを知って驚きました。
日々のあのモヤモヤ、小さな傷つきは、紐解いてみるとジェンダー・セクシュアリティがこんなにもいつも関係していたのかと目からウロコでした。

一方で、ただ、そういうことが社会に起きているんだね!と理解するだけではないのが、このワールドワークのすごさだと私は思います。
個人の葛藤や苦しさをその人に背負わせてはならない、一人ひとりがもっとできることがあるはずだ、私はできることからやろう!と覚悟を持てた
時間でもありました。

🦒きりんがワールドワーク2023に参加しての感想や、その後に起きた変化について書いているnote記事をまとめているマガジンです!
読んでもらえたら嬉しいです!
https://note.com/natsunokirin/m/m67b1b01b701310/12(土)~10/14(月・祝)
ワールドワークLABO合宿2024 (山梨県 清里)
〜葛藤・対立を変容させていくための対話促進アプローチ〜
「ジェンダー・セクシュアリティ」をめぐる様々な声

https://worldworkgender2024.peatix.com

Dayaさんの個人セッションのご案内


Dayaさんの個人セッションについては、下記のメールアドレスに【個人セッション問い合わせ】を件名にして、空きがあるかどうかも含めて問い合わせしてみてください。
processwork.daya★gmail.com
(★を@に変える)

個人セッションってなんだろう?って思った方は良かったこの記事も読んでみてくださいね☺


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