『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』山本貴光、吉川浩満の感想

前回、さくっと哲学に触れる感じの本を読んで、エピクテトスの哲学に興味持ったので読んだ。
本人は著書残してはいないか、弟子が残している語録があるとの事なので直ぐにそちらを読むかとも思ったが、多分理解できない。
なので、大元に辿り着く前に、何となくふわっとエピクテトスの哲学に触れられそうな本を探した。
読みやすく、初心者でも読める本だと思った。
扱う事柄が自分の権内のものか、権外のものかを見極めるというのは、アドラー心理学とかに通ずるもので面白いと思う。
私は以前、ベストセラーになった『嫌われる勇気』を読んで、アドラー心理学の考え方は面白いなと思った。
続編の『幸せになる勇気』は、その後の考え方の参考になった。
個人として生きる私から、私達へと主体を変えて生きていく、それこそが人間の成熟であるみたいなやつだったと思うが、その本を読んだときの私には、私しか無く、他人取り込んで人生を歩むとかいう発想が欠けていたので、成る程なと思ったものだ。

何分、エピクテトスは古代ローマ時代に奴隷として生きてきたという、初期設定がハードモード過ぎる人生だったので、ちょっと極端過ぎるところがある。
人の命がさくさく消える世界に生きていたのだ。
世界感が凄すぎるので直接参考にはしにくい。
あくまで思想の断片をスポイルしながら、自然と一体となって生きるぜ~と穏やかな気持ちになりたいぜと思える本だった。
流石に本物の奴隷とは深刻さが違うが、我々はみんな社会の奴隷なので、根本のところは非常に参考になりそうだ。
じわじわエピクテトスに迫っていきたい。

おわり。

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