『世界を知るための哲学的思考実験』岡本裕一朗を読んでの感想

トロッコ問題のようなものを出されると、そんな脳が疲れることを考えさせないでくれよと思っていた。
労働で疲れ切った私には、毎日を何とか乗り切る、それ以上の脳の余力がなく、思考がぐるぐるするのは、自分の過去の失敗ばかりであった。
今、興味はあったけど、数か月前まではとても思考することか出来なかったような内容の本を読んでいる。
それか凄いなという感じだ。

この著者の本は前にも読んだ気がする。
なかなか面白い。
読みやすくて、現代の時代の流れを踏んでるので取っつきやすい。
社会とか世界史の授業でほんのり習ったような事を思い出して、ああ、勉強しとくのが大事ってこういう時に思うのよねとぼんやりしていた。
ていうか、トロッコ問題とはこういうやつだったのか。
『人工妊娠中絶』の問題の議論の中から出てきた事例だったなんて初めて知ったよ。
部分だけかじって何だか知った気になってるものって多いよな。
そんなんばっかりで、誤魔化し誤魔化し生きてる。

私は哲学的思考をしたところで、私の毎日は変わらないし、私の苦悩は変わらないでしょ。だって嫌なものは嫌なんだから。と思って生きている部分が強かったのだが、最近はそういう思いが解けてきてる。
思考停止状態から、少なくとも思考を整理するために文章を読もうと思う位にはなってる。
毎日は変わらないけど、楽に生きるのには必要だと思うようになった。
そもそも生きてることに意味はないので、人間の集めてきた叡智でも眺めてダラダラ過ごす方がいい気すらしてる。

この本では、人口減少、それに伴う出産についての問題にも触れているが、もう、今の時代に、産めよ増やせよは古くないか?だってもうそんなに人間いらなくない?という漠然とした気持ちがあったのだが、そういうのを理論的に纏めてあって頭がすっきりして良かった。
あと、漠然とした気持ちとしてあったのを、ああこういう考え方って別に可笑しくないのかと安心した。
私は自分の気持ちや考えにいつも自信がない。
はやく根拠のない自信がほしい。
哲学的思考実験の本を読んでも結局自分のことばかり考えてる!利己的!

おわる。

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