私たちのゴール
春に出会った君
季節が変わり初夏を迎え、私たちはそれぞれの道を歩こうとしている。
思い返せば楽しい思い出よりも耐えたり我慢しだりすることの方が多かったと思う。
付き合い始めは風邪を引いた彼がなかなか病院に行ってくれず、3週間も彼は具合が悪かった。
「体調大丈夫だよ」と言うから彼に会いに行ったら全く治ってなくて風邪をうつされたり。
段々、時間が経つと彼は自分に発達障害があると言うようになった。
たしかに遅刻癖はあるし先延ばし癖はあるし、優しく注意しても物凄いショックを受けたり。
おそらく未診断なのだろうけど、大学で発達障害について勉強した私から見ても、生まれ持った特性で生きづらそうに思える。
私は何かあるとすぐ「ごめん」、「全部俺が悪い」と話を聞いてくれないことが辛かった。
落ち着いていれば話し合いのできる彼だけど、注意されたことでしばらく萎縮していて話のできる状態には戻れなかった。
私もこんな状況に耐え続けることには疲弊してしまい、昨日はボロボロと声を上げて泣いていた。
彼に「話したいことがある」とLINEで伝えた夜だった。
私自身疲れ切っていて不安なことだらけで、彼の気持ちを聞くために通話がしたかった。
でも彼は飲みに出かけていて、通話することができなかった。
そして、泣いている私に焦ることもなく、私よりも飲みを優先していた。
すぐに会いに駆けつけるなんてことはなくても、異変を感じて通話をしてほしかった。
でも彼自身も言うように、「察せない」。
どこでもいつでも彼の発達障害の特性が邪魔をする。
でもそれも含めて彼なのだ。
私は、そんな彼を受け止められなかった。
追い詰められている私に対して、「すぐ自分を責めて謝ってしまうのはどうしようもないからわかってほしい」と彼は言った。
もう無理だと思った。
許したり大目に見て見逃したり耐えたり我慢したり
そんなことばかりで楽しい時間はあまりなかったと思う。
でも、いざ別れるとなるといいことばかり思い起こされるもんだ。
「初めて自分から告白したんだ」と恥ずかしそうにする彼。
「両思いだってわかって嬉しい」と笑顔の彼。
初めてのキスの時。初めての夜の時。
いつも大事に大事に、優しく触れてくれた。
そんな年下の彼は可愛くて仕方なかった。
お願いだから幸せになって。
幸せにできるのは私じゃないのが悔しい。
嫌いになったとか障害があるのが嫌だとかじゃなくて、ただただ耐えるのが苦しいんだ。
そして話し合いもまともにできず、解決の道が見つからないのが辛い。
病気じゃないから治るものでもない。
たくさん優しくしてきたつもりだった。
優しさを通り越してたくさん甘やかしてもいた。
ふにゃっと笑う彼が可愛くて大好きだった。
私たちのゴールは、2人で過ごす未来になれなかった。
今日、私の仕事が終わって帰宅したら彼と通話するんだ。別れ話。
来週なら会えるよと彼は言うけど、私の心はもう限界だし、無理してでもすぐに会いに来てほしかった。
でもそれができないのが彼だった。
声を聞いたら泣いちゃうな。
また彼は謝るんだろうな。
顔なんか見たら泣き崩れてしまいそうだから、このまま会わないまま別れようか考えている。
もっとこれから歳を重ねていく彼を隣で見ていたかった。
あれやこれやありつつも、お互いの気持ちを大事にしながら2人で歳を重ねたかった。
でも、今の私から出てくる言葉は「もう付き合っていけない」。
今がこうなのに、未来なんかあるわけなくて。
でも2人の未来を私は考えていたよ。
暑いね。夏だね。熱中症に気をつけてね。
さよなら、だね。
ー
追記(2024/07/03 21:50:43)
今日の夕方16時頃に書いたこのnoteが私の不手際で公開設定になっていませんでした。
彼とは通話で別れ話をし、別れることになりました。
お互いわんわん泣いて、彼の仕事の時間が来るまで通話が切れませんでした。
その通話を切ったらもうさようならだから。
「こんなに大好きなのに、こんなに大事なのに、なんで別れなきゃいけないんだろう」と2人で言い合っていました。
でも、お互い辛いのが事実で、一人の時間が必要で、ズルズル付き合ってもただ辛いだけだと2人で結論を決めました。
「正解がないね。どうしたらいいのか分からないね。」とずっと2人で話していました。
彼は「もう誰とも付き合うことができない。(私が)いなくなっても次の日には立ち直れるだなんて言ったことがあるけど、全然無理だった。一生忘れられない。こんな経験したくなかったし、するはずじゃなかったのに。」と言っていました。
私もそんな経験をさせたくありませんでした。
でも、気付いたら涙が出ていて、辛いのが事実。
最後に2人で会うのはやめようと2人で決めました。
会ってしまったら好きすぎて別れられなくなるから。
私も泣き崩れて動けなくなってしまうから。
でも、最後に彼に抱きしめてほしかった。
仕事が終わったらすぐに会いに行けばよかった。
それだけが後悔です。
彼も、「もっと好きだって、大好きだって伝えたかった。行きたい場所がたくさんあった。毎日連絡を取っていて定期的に会っていたのに、(私)がいない日常なんて考えられない。」と言っていました。
2人で最後に約束したことがあります。
お互い別れたあと自暴自棄にならないことです。
変に異性と関係を持って誰かを傷付けるだとか、自分を傷付けたりだとかそういうことはやめよう、と。
だから、この寂しさの微熱は私ひとりで嫌になるくらい味わって私だけのものにしようと思います。
彼との最後の感情だから。
大好きだし、今も大好き。
泣いてる彼を抱きしめてあげたかった。
でもそれをできるのは私じゃない。
7個年下の彼でした。
恋愛経験がほとんどないと言う彼に、私は何か爪痕を残そうとかいろいろ教えるのが楽しみだなぁなんてちょっと悪いことを考えていました。
最悪で最強の爪痕だったな。
彼はきっと私のことが忘れられない。
彼の家で落とした私のイヤリングが見つかったそうです。
彼はそれがあれば私に会う口実ができると言っていました。
あまりにも泣く彼に少し困って、イヤリングはお守りみたいに持っていていいよと私は伝えました。
お互いLINEやSNSはブロックしないことにし、仕事に行く準備をする時間が来て、お互い「またね!またどこかでね!」と強く言い合って通話を終えました。
初めてで最後の通話は4時間弱でした。
離れたくないし寂しくて辛いけど、別れという判断は最善だったと思います。
一旦保留にしてズルズル付き合ってもお互い休まらないし、会ってしまったらそれこそ別れられないし。
通話でお別れなんてイマドキね、なんて思われてしまうけど、私たちは会ってしまったらダメなんです。
今もお互い大好きだから。
さようなら。愛しくて仕方なかった君へ。
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