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デスマの合間の……

 鈴虫の鳴き声が止まらない、でもそれ以外に何も聞こえない、深夜1時半の五月蠅くて静寂な道を、自転車で駆け抜ける。少しペダルを漕ぐだけで加速する電動アシスト機能により、消えやらぬ残暑でも汗をかかず、疲れない。この時間ともなると歩行者はほぼ居ないし、車も少ない。快適で心地よいサイクリングは約40分続いた。たまにはこういうのも悪くない、と思った。

 仕事が押して終電を逃した(n回目)。これまでは漫画喫茶に泊まる、タクシーで帰る、居酒屋やガストで始発まで凌ぐ等をしてきたが、シェアサイクルが最も安い(40分なら360円)ことに気付き、実行に移したのである。何せ職場から自宅までは2駅分、約8kmしか無いのだから。しかも自宅近くの公園に返却スポットがある。良いことずくめだった。

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 飲食業に転職して半年もの月日が経過しようとしているが、今が一番激務かもしれない。昨日は朝7時から深夜2時半まで職場に居た。今日もこのあと9時から仕事。このような場合は流石に職場近くの漫画喫茶に寝泊まりする。朝にシャワーを浴び、持参した靴下や下着に着替える。そう言えば先日、自宅から遠い別店舗に朝6時出勤という日もあった。早起きする自信がないので前夜に前乗りした。職場近くの温泉施設で露天風呂とサウナを堪能し、リクライニングソファで仮眠をとる。

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 そうやってデスマの合間の癒しを楽しむこともあるが、弊害もある。休日は極度の疲労に襲われ、一日の半分以上は家で寝るだけになってしまったのだ。否、休日の昼寝は今に始まったことでは無いが、最近は特に輪をかけている気がする。そして、最大の問題は文章を書けなくなってしまったことだ。というか書く気力さえも起きない。

 連続小説の第三話も、ようやくストーリー構想がまとまりかけてきたというのに、筆が思うように進まない。小説以外のnote記事も、書いては止まり、書いては止まりを繰り返している。

 実に6,000字を超える長文記事を読んだ。創作大賞の中間発表に選ばれた方だった。複数の心の病に伴い会社も休職を余儀なくされ、自分には文章しか無い、書いて生きていくしかないと切実に願っていた。それほどまでに強く熱い思いで創作大賞に人生を懸けている人も大勢居ることは何となく気付いていたが、いざ目の当たりにすると「自分はここまで熱くはなれないな」と思ってしまう。

 忘れもしない2021年12月9日、スピーチ社長激怒事件の発生である。(中略)私は話すのが大の苦手だったことに改めて気付かされる。この頃の絶望感と言ったら半端なかった。話せないなら、せめて文章を頑張りたいと思うようになった。悔しさをバネに、思いの丈をnoteにぶつけ、12月18日にはnote初の創作小説をUPしていた。

 そして年が明け、皆様からのスキやフォローが増え、あまつさえエッセイでグランプリをいただいたことも文章への自信に繋がり、春までに4000字以上の短編小説を2作品仕上げ、その後も2作品だけショートショートを執筆し今に至る。

2022.8.30『小説を書けば何かが変わると信じて』より引用

 スピーチで上手く話せず怒られ、自分には書くことしか無いと気付き、noteを積極的に更新するようになった。現在も週1以上のペースを維持してはいるが、最近はギリギリの状態である。確固たる熱意を持っていたあの頃にはもう戻れないのだろうか。

 文章力への自信を完全に失ったことは認める。それでも書かないことには上達しない。不定期でも月9休を貰えている以上、激務を言い訳にはできない。ましてやここ数ヶ月は友人と会う回数も減っているのだ。明日あたりスタバ合宿(ノートPCを持ち込み強制的に書く時間を作る)でもして何かを書こうか。ここで宣言すれば実行するだろう。

 今、始業まで1時間を切った。もう推敲する時間が無いのでこのまま投稿する。さて、漫画喫茶のシャワールームをお借りしようか。

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