日記祭で購入した本の感想
おはようございます、当方128です。
去る12月10日、下北沢のBONUS TRACKにて開催された日記祭にこっそり行っていました。極度の人見知りなので、最寄りの下北沢駅ではなく経堂駅から40分かけて歩いて行きました(本当)。お目当ての本を含む4冊の日記本を購入しましたが、取り急ぎ2冊の感想を書かせていただきます。
こういうの勝手に書いて良いのか分かりませんが、褒める事しかしませんのでお許し下さい。ちなみに今、缶チューハイを2本ほど飲んでNO LIMIT!状態なので、普段は恥ずかしくて書けないことも書いてしまうかもしれません。
1.『ただ生きてみた』
フォロワー・蔵様の日記本。昨年4月13日から毎日投稿している日記記事を厳選し、書き下ろしの日記も加えて収録されたものです。奥付も含めるとちょうど100ページ。
とある方の企画を通して彼女のnoteアカウントを知ったので、初めて読んだ記事は昨年5月の『蔵のちょっとだけ部長をクビになったあの頃の話』になるのですが、いきなり文章力の高さに驚かされた記憶があります。
これをきっかけに日記をほぼ毎日読むようになりましたが、そもそも他者の日記を読む習慣の無かった私が蔵様のnoteにハマったのは、前半は日記として書かれてあるのに、途中から流れるように過去話エッセイに突入する構成が魅力だと思ったからです。日記の範疇を超えたクオリティー。それも毎日。
酒の力を借りて書きますが、私は自分に無いものを持っている方に憧れ、尊敬の念を抱きます。蔵様の文章力(特に小説・エッセイ。カクヨムもアカウント無いから反応できないけどこっそり読んでいます)はもちろん、毎日投稿を1年半以上も続ける継続力は、今までも、そしてこれからも私の手に入ることは無いでしょう。
それ以降もほぼ毎日読み続けた蔵様の毎日投稿noteですが、途中から過去話エッセイはほとんど無くなります。これは良い変化であり、“日記”の本来の意味に立ち戻り、“今”をありのままに記録することに特化するようになったということです。最近の記事のほうが文体も構成もリアル日記感が漂っています。ポジティブな記事もネガティブな記事も、長文の日も短文の日さえも、全てに味があって良いと今では思います。
noteの感想だけで長くなってしまいましたが、ここからが日記本の感想です。いざ本を開いて見ると、掲載された記事は相当厳選されていることに驚かされます。毎日投稿しているはずなのに、1月12日の次が2月24日みたいな感じで結構飛んだりしています。では何を軸に選んだのか勝手に推測すると、なんてことのない“日常の日記”が軸なのかなと私は感じました。
4月16日の記事で1年間を振り返っているのですが、マヂラブのイベントやCreepy Nutsのライブ、冨樫展など、P.67に羅列してある外出先の話が軒並みカットされていることに気付かされます。それと、電撃大賞の1次選考を通過したというとても凄い話を丸々カットは(同時期に凄惨な事件があったとはいえ)思い切ったなと思います。前述の過去話エッセイもほぼ無し。非日常よりも“日常”を優先し、過去ではなく“今”の日記のみを厳選した“THE 日記本”。
段落の最初にスペースを挿入したり、全ての英数字を全角に修正したりと、縦書きでも読みやすい配慮がなされており、編集作業は相当大変だったとお察ししますが、表紙はもちろん巻末の奥付まで本格的に仕上げており、これはもはや本物の本と言って良いでしょう(※本物の本です)。現在も時々気落ちされているようですが、ラジオを聞く限りコミュ力も高そうに感じますし、今後環境の変化があったとしても順応できると信じています。
2.『○△□』
著者名、ブースの屋号、note、Xのいずれも名前が異なっている為(何かの対策なのか?)、念のため匿名とさせていただきます。
私はこの方を事前に知らない状態で、ブースで少しお話させていただきました。第一印象はとても優しくて誠実な方でした。「お菓子だけでもどうぞ」の一言と笑顔に心を打たれ、日記本の購入を決意しました。帳簿みたいな紙には緊張して偽名を書いてしまいました。すみません。
309ページと分厚いのですが、ページ当たりの文字数は少なめ、改行も多めなので、サクサク読み進めました。一文一文がメモのように短く、話がテンポ良くどんどん展開していきます。簡潔にまとまっているが故に説明不足の部分も無きにしも非ずなのですが、概ね脳内で補完できるので問題ありません。そもそも日記に細かい説明など不要なのかもしれません。あくまで自分のための記録なのだから。
内容は壮絶でした。私なんかの比ではない大きなビハインドを抱えながら、それでも必死に生きています。そのリアルな記録です。自分の事だけで精一杯なはずなのに、家族・恋人など周囲の人々からメディア・SNSの向こう側に居る人、そして見ず知らずの人にまで、常に誰かの幸せを願っています。私も含め、誰もがそれくらいの優しさを持っていれば、彼女は少しでも生きやすくなるのではと思ってしまいます。
写真のページは全てフルカラーで、製本にそれなりの費用をかけていると見受けられ、1冊300円ではどう計算しても赤字なのですが、それでも売上金は全額寄付されたようで、どこまで優しい御方なのでしょうか。今後もご自分のペースで生きて下さい。ただ生きるだけで良いです。それだけを陰ながら願っています。
3.総括
初めて日記祭というものに行かせていただき、日記本を数冊読ませていただいたのは良い経験になりました。もちろん小説ではない、かといってエッセイとも少し違う、今をありのままに記す“日記”という文章の良さが少しだけ分かったような気がします。
会場は良い意味でサブカル感のある落ち着いた空間となっており、だからこそ『○△□』の彼女も安心して参加できたのだと思うと、これも必要不可欠な文化なのだと思いました。私は場違い感が半端ないので早々に撤退しましたが。
私みたいに色々と恵まれている人間が生きづらいと思ってはいけないのでしょうが、それでも御二方を決して他人事ではないと思いながら読ませていただきました。私もブラック会社での激務を幾つも経験し、何度もパワハラを受け、バックレて東北の実家に逃げたこともありますし、御二方のようになる可能性は過去に何度もありました。
一年前の影山優佳さん(当時日向坂46)のインスタライブを唐突に(?)思い出したので、最後に引用して御二方へのメッセージとさせていただきます。
「誰も見えなくない?」の一言が今でも印象に残っています。漠然とした不安は自分だけでなく誰もが抱えている。実際のところは分かりませんが、そう思うことで少しだけ気が楽になれるような気がします。頭の良い彼女が言うからこそ説得力もあります。
気付いたら3000字超え……長くなって申し訳ありません。酒の力ってすげえ……。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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