人間の性格は中2で決まる説

 高校時代、予備校の講師に「どうすれば性格を変えられますか?」と相談した。その時の返答が今でも忘れられない。

「性格というのは中2くらいで決まってしまい、それ以降はどんなに頑張っても変えられないと思う。だから性格を変えるのではなく『出し方』を変えていくしかない」

 当時の私は相当暗かった。学校ではいつもぼっちで、体育の「グループを作って下さい」で詰んだ。だから明るく、今で言う陽キャのパリピになって友達を作りたかった。しかし、突き付けられた現実は「今から明るい性格になるのは不可能」。

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 そんな私も気付けば30代の社会人。予備校講師の言う通り、暗い性格が治ることは無かった。それどころか、暗いの延長で「やさぐれる」ようになってしまった。

 評価の良い人や昇進する人を見る度に「何故アイツは評価されているのに自分は……」と恨みを抱いた。その感情は時に愚痴という形で表に出てしまい、そこでまた怒られるという負の連鎖が続いた。

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 新しい職場で2人の男性社員と再会した。どちらも20代前半で、一人は3年ぶり、もう一人は2年ぶりである。

 2~3年しか経っていないのに、立ち居振る舞いが完全に「大人」になっていた。私の言う「大人」の意味については(漠然としているが)以前の記事から引用する。

 では「大人」とは何か。それについて私は説明できないし、説明が不要とも言える。大人であれば一目で「この人は大人だなあ」と分かるのだ。

 私は25歳の頃、漫画喫茶の店員として数多のお客様と接してきた。提示された身分証を見て年齢を計算し、「自分と同い年なのに、なぜこの人の立ち居振る舞いはこんなに大人びているのだろう」と何度も思った。25歳にもなれば30代や40代にも引けを取らない完璧な大人になっている人はごまんと存在する。

当方128『新社会人に伝えたい7つの現実』より引用

 2人とも確実に、以前とは明確な変化があった。私は今でも「中2で性格が決まる説」を信じているので、とどのつまり「出し方」を変えたということになる。こんな若い人でも「出し方」を変えられるのかと驚かざるを得ない。決して有能になったとか、仕事で大きく成長したわけではなさそうなのだが、それでも人間として「大人」になっている。

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「素直になれ」が、やさぐれ人間の私に与えられた新たな課題である。心の奥底にある「暗い」「やさぐれ」といった負の性格が消えることは決して無いが、それでも素直な自分を「出さなければ」ならない。


 勝負の一年が始まる。


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