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アラフォー童貞、ロリコンを語る

 10月某日、タイミーバイト先でAKB小栗有以似の女子大生スタッフと出会った。私は彼女に「この店(コンビニ)でどれくらい勤務されているんですか」と尋ねてみた。

「所属になってからはまだ3ヶ月くらいですけど、それ以前からタイミーとかシェアフルを使って働いていました」

「ちなみに何年生ですか?」

「大学3年です。(貴方は)何年生ですか?」

「いや、僕はもう37歳です。本職の休みの日にタイミーで来ているので」

「凄いですね」


 ………
 ………
 ………


 好きです。


 すみません冗談です(冗談じゃないけど)。この歳にもなってこんな若い女子から「凄い」と言ってもらえるなんて、ときめかないわけないだろ。

 そんな“ゆいゆい”(仮名)は可愛いだけではない。この若さでタイミーとシェアフルを掛け持ちして派遣バイトをしまくっているのだ。しかもチェーン店の中では売上が関東1位(国内5位)の超激務コンビニ店舗での過酷労働にも耐えた経験を持つ。学業や就活もしつつバイトにも励む真面目な頑張り屋であり、垢抜けた見た目とのギャップに萌える。制服の襟元から覗かせるピンクのタートルネックがあざと可愛い。守りたいこの笑顔。

 ***

 突然だが、貴方はアラフォー童貞がロリータコンプレックスに陥る理由を考えたことがあるだろうか。無いと思うので私から順を追って説明させていただく。

 話は私が中高生だった2000年前後まで遡る。インターネットが家庭に普及する草創期で、当時の女子がおしゃれの情報を得るにはSeventeenやPopteenなどのファッション雑誌を購入する必要があった。故に、特に中学生はメイクもせずファッションにも無頓着な芋女が多かった。高校(高専)は女子がクラスに5人しか居ない上に僅か9ヶ月で中退したのでほとんど記憶に無いが、5人とも芋っぽかったような気がする(例外としてぽっちゃり女子が一人だけいてその子は明るく元気だった)。

 大学に入学したのは2004年。小中高の比ではない史上最多人数の女子学生を拝むことができたが、不運にも当時はデニムパンツがブームというかベーシックだった為に地味なカジュアル女子が大半を占めた。

 一応、中学で一人、大学で一人の女子に片想いをしたが、前者は胸の内に秘めたまま終わり、後者は大食い対決の罰ゲームで意を決して告白をしたが既に彼氏が居たこともあり撃沈。こうして童貞を卒業することの無いまま大学だけ卒業、社会人になってしまったモテない男の気持ちを考えたことがあるだろうか。無いと思うので私から話す。

 社会人になりたての2008年頃は

(1)レギンス・トレンカブームによりスカート派の女子が急増
(2)ユニクロ・GU・H&Mなどのファストファッションが浸透
(3)ファッションやメイクなどの情報をネットで気軽に得られるようになる

 以上の社会的背景が重なった結果、JC・JKのおしゃれは確実にインフレ化しており、私の中学・高校時代に見た芋女軍団とは全くの別人が多かった。

 ときめかないわけないだろ。

 そして社会人5年目の26歳。夏はキュロット、冬は膝丈スカートに黒タイツがトレンドだった2012年に私はコンビニの店舗社員になり、JKアルバイト数名に恋心を抱くヤベエ奴となった。許して下さい。学生時代に味わえなかった青春を、ほんのちょっと味見だけでもしたかったのです。

 ***

 長くなったのでその後の話は省くが、同じような感じのまま37歳を迎えたとだけ記しておく。

 ただご安心下さい。気持ち悪いロリコン男性は私の世代で絶滅すると思います。少なくとも今のZ世代がアラフォーになる頃にロリコン化している可能性は極めて低いかと。何故なら現代の男子中学・高校生は、JC・JKのおしゃれがインフレ化した後の世界を生きているから。つまり学校に居るJC・JKが垢抜けた可愛い子だらけのはずなのである。大学に行けば更にレベルアップし、冒頭の“ゆいゆい”のような“あざと可愛い子”もわんさか存在するのだろう。私の頃とはあまりにも環境が違いすぎる。

 そうやって学生のうちに可愛い女子に対する免疫をつけておけば、大の大人になってからJC・JKを見ても今更ときめくのは難しくなると思うのである。

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 というわけで、私がロリコン文化の最後の世代として責任を持って真っ白な灰になるまでロリータを愛でようと思います。止めないで下さい。最後に……“ゆいゆい”さん、好きです。

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