統合失調症になった親友③親友が犯した罪
「不法侵入と窃盗です」
詳細は後から知ったのだがホテルの部屋に入ろうとした後、隣町に行き何軒かの家屋に入りその後コンビニで店員さんがいる前を堂々とレジに入りタバコを何箱か盗ったとの事。
いくら親友のAが脱法ドラッグをしていても、大麻をしていてもそんな事はしないだろうと不思議に思った。
思わず警察に「本当にAですよね?」と尋ねたがこの訳のわからない行為をしたのは親友Aだった。
その後親友Aは統合失調症の診断を受け、措置入院からの医療保護入院になった。
勾留中、国選弁護人だと思うが法テラスという国がベースの弁護士事務所から電話がかかってきた。私を呼んで欲しいと言っているらしい。
とても悩んだが当時すでに家庭を持っていた私は家族も巻き込んでしまうリスクを恐れて行けないと答えた。
しかし、親友Aが飼っていたミケの餌やりを頼まれた。
ネコに罪は無い。
弁護士が餌やりをしていると言う名目にしてもらい友人何人かと交代で餌やりに行く事にした。
久しぶりに親友Aの部屋に入ると驚いた。
俗に言う「ゴミ屋敷」だったからだ。
ゴミの中にいた痩せ細ったミケを見ると悲しいのか情けないのか悔しいのか良くわからない感情になり涙と笑いが止まらなかった。
寝室に入るとゴミの入ったコンビニのナイロン袋がゴミ屋敷には似つかないほど綺麗に整頓されて数10個置かれており、それが月に照らされて変に妖艶で鳥肌がたった。
しばらくの間私も餌やりに行っていたがしばらくして行かなくなった。もう親友Aに会うことは無いだろうと思っていたがそうでは無かった。
話は変わるが過去に私はもう1人統合失調症の人を仕事以外で見た事がある。
それは妻をストーカーしていた60代の男だ。
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