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家族の事:息子と親父が戦うなんて、そんなの大昔から決まっている。はず

今から始まる戦いに、やはり嫁さんは乗り気ではない。
嫁さんの役目はレフェリー。審判である。重要な役目だ。
一体誰と誰が戦うのか。

息子と親父である。
こんな日が来ることを、男は知っていた。いや、待っていたのかもしれない。少年はいつか親父と戦う運命にある。父になった日から覚悟はしていた。まさかこんなに早く来るとは。いいだろう、俺の背中を超えて往け。

嫁さんは乗り気ではない。

「お父さんの足の匂いで死にそうなんやけどッ!」
きっかけはこんな一言だった。
私の足が臭いことを、私は知っていた。こんなに臭いのだ。知らないはずがない。

ところが、息子も負けないくらい臭いのだ。小学生でここまで臭いとは。正直親としては心配なのだが、血は争えないということだろうか。
自分の匂いを棚に上げて私の匂いを責める。死にそうとまで言ってくる。
もう戦うしかない。どっちの足が臭いか白黒はっきりさせようじゃないか。

嫁さんは乗り気ではない。

この流れは臭くないほうが勝ちだが、クサさで負けたくない。どうせなら臭い方が勝ちで行こう。そうと決まれば戦い方は簡単だ。嗅いでもらって臭かった方が勝ち。って事で嫁さんに審判を頼んだのだ。あんな顔の嫁さんは初めてだ。

嫁さんは、まだ乗り気ではない。きっと最後まで乗り気にはならない。

後は戦うだけである。仕事から帰宅後、私は颯爽と靴下を脱いだ。殺人兵器となった靴下は持つ手も痺れる出来だ。それに合わせて息子も靴下を脱ぐ。おいおい、なかなかの匂いではないか。ここまで匂ってくるぞ。いい試合になりそうだ。
さぁ嫁さんよ、どっちが臭いかジャッジを願おうッ!!

「いや、もうキモイ。どっちが臭い?知らん。くだらん。」

嫁さんは乗り気ではない。あんな顔しなくてもいいではないか。

こうして、息子と親父の戦いは幕を閉じた。世代交代は、まだ先になりそうだ。
足の匂いって、本当に勘弁して欲しいですよね。皆さんの足も匂ってる前提で書いてます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
ナニコレ・・・

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

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