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あの夏の日

-同僚からの何気ないひとこと


時はいちばん最初の記事に戻ります。私は保育園のシフトを作成する係だったため、職員間の夏休みを調整をしたり、プールに入る優先順位を決めたり…ようやく夏期の勤務表を仕上げて、事務所にコピーに行きました。すると1人の若い保育士が私に向かってこう言いました。

「(事故で失った)信頼を取り戻したかったら、きちんと仕事をしてください」

その保育士にとってはきっと、私の何かの行いがその言葉を言わせる程に心の中でモヤモヤしてしまったのでしょう。

そしてその一撃は、私を自宅キッチンの床に這いつくばらせるのに十分な打撃となりました…


-うつ病と分かるまで


キッチンの床は冷たく、ホコリが見えました。思ったよりも頭は冷静ですが、いかんせん身体が全く言うことを聞きません。これ以上動けないと判断した私は、出勤前でまだ家にいた妻を呼び、私の保育園に代理で連絡する様お願いをしました。

この症状はもしかしたら…思い当たる節があって連絡したのは、心療内科でした。あの事故の日から悪夢にうなされ、満足に眠ることも出来ないでいた私は、自分が何科にかかれば良いか位はとっくに見当がついていました。

翌々日、私が「抑うつ状態」だと分かるまで、今までに味わったことのない吐き気と目眩に襲われ夜は2日間一睡も出来ませんでした。藁をも掴む思いで飛びこんだのは、地元の精神科・心療内科。精神科とは謳っているけれど、特別なカウンセリングがある訳でもなし、今思えば極々シンプルな心療内科でした。

医師の先生は男性で、人あたりは悪くはないけれど、どことなく冷たい感じがして、あまり好印象を持ちませんでした。ですがそんなことも言っていられません。原因と思われる悲しい事故と、それよりもっと悲しい事故後の出来事をお話すると「抑うつ状態ですね」と抗うつ薬と安定剤、睡眠薬を処方してくれました。

抗うつ薬を飲んだ私はしばらくの間、副作用に悩まされました。お薬を飲まないでも吐くし、飲んでも吐くってどういうこと!?眠りの方も、特別寝付きが良くなるでもなし、深く眠れるでもなし
悪夢もそのまま。何が変わると言うのか。

サインバルタという抗うつ薬は、思ったよりも慣れるまでに時間がかかりましたが、慣れてくれば気持ちの低下もそこまでではないし、飲まないよりは飲んだ方が…くらいの印象でした。睡眠薬のマイスリーは、寝付きが良い訳でもないのに、飲んだあとは夢遊病の様な症状になり、知らぬ間に火を使って料理をしていたり、無意識にコンビニに出かけたりと、段々症状が悪くなりました。

ここから、私の抑うつ症状の中でもいちばん厄介な不眠症と睡眠薬との闘いが始まるのでした。





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