今すぐ、生きよ

昨日、いつか謡を習いたい、とnoteに書いて、ふとセネカの言葉を思い出した。
あなたがそんなに長生きする保証がどこにあるというのか、とセネカは言う。

あなたは、どこを見ているのか。
あなたは、どこを目指しているのか。
これからやってくることは、みな不確かではないか。
今すぐ生きなさい。

セネカ「人生の短さについて」
中澤務訳 光文社古典新訳文庫

いつまで生きていられるのかは、本当にわからない。父を亡くしてから、特にそう思うようになった。
仮に長生きしたとしても、健康でなければ、やりたいこともできない。
本くらいは読めるだろうと思っていたけれど、先日病んでいたときは、本も読めなかった。ずっと寝ていられる体力もなくて、ひたすら家で刺繍をしていた。おかげで、クロスステッチの刺繍セットの、空とアルプス部分が出来上がった。
何事も成し遂げられない中で、目に見える成果があったことで、ずいぶん慰められた。
私に刺繍があってよかった。

健康な時間というのは、いつまでも保証されるわけではない。やりたいことをやれるうちに、やらなくちゃ。

とはいえ、いきなり謡のお稽古という訳にもいかないな。
まずは、能を観に行くことにしよう。

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