あたふた、でいい
仕事でバタバタしているときに、気がついた。
ほとんど息をしていない。
もちろん死なない程度にはしているのだけれど、滅茶苦茶呼吸が浅い。
焦って早口になって、息切れする。
まるで酸欠の金魚だ。悲しい。
必死にパソコンに文字を打ち込んでいて、気がついた。
ほとんどまばたきをしていない。
健康診断でお医者さんから、モニターを見ているとき、人はふだんの6分の1しかまばたきをしていないと聞いた。
本当にそうですね。
息もしないしまばたきもしないし、働く私は、生物として今ひとつだ。
忙しいときこそ、落ち着いて。
そう思うけれど、頭がぐるぐるして、気ばかり焦ってしまう。
そんな自分が、ちょっと悲しい。
若い頃は、とくに嫌だった。
二十代の頃、人から「あたふたしてる」と言われて、ものすごく腹が立った。
一瞬気が遠くなるくらい腹が立って、驚いた。
なんであんなに怒りを覚えたかといえば、自分の本質を言い当てられたからだろう。
数年前、人から「あたふたしてる」と言われたときは、そうでもなかった。
そうですよね、と笑ってやり過ごせた。
よかったな私。本気で怒る中年って、つらいものがあるから。
あたふたで、生きていこう。
ときどき、深呼吸しよう。
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