見出し画像

保守とリベラルを分断しない集合思想が新しい日本を作る

小池百合子都政の3期目続投が決まり、
第22回の東京都知事選挙は幕を閉じました。

同じく2024年7月、
世界では政権交代が相次いで起こりました。

・イギリス政権
 14年ぶりに保守党から左派の労働党へ
・イラン政権
 19年ぶりに保守強硬派から左派の改革派へ
・フランス政権
 中道の与党連合から左派連合の新人民戦線へ

2024年11月のアメリカ大統領選挙では、
民主党から共和党へ政権交代が予想されており、

権威主義的な政治社会ではなく、
個人の自由を尊重する自由主義的な政治社会が
世界各地で求められているように見えます。

【一般的な政治思想】
保守(現状維持)=右翼・右派=権威主義(大きな政府)
リベラル(革新)=左翼・左派=自由主義(小さな政府)

※ちなみにアメリカでは、
 トランプ共和党(保守)      =右派が自由主義、
 バイデン民主党(リベラル)=左派が権威主義の思想で
 右と左が世界と異なっています。

世界的な政権交代の背景の一つには、
ロシアウクライナ問題(2022-)があります。

世界的に燃料、食料の供給不足が起こり
世界各国で燃料費、食料費が高騰したことで、
所得が増えないインフレ(物価高)が続いています。

どの国でも国民の不満は出てくるもので、
現に、フランスのマクロン大統領が率いる
中道の与党連合が第2勢力に転落したのは、

年金の受給年齢引き上げ改革で
国民の不満が強くなったことが要因です。

◆--------------------------------------------
【右翼・右派(タカ派)】※権威主義(国家主義)
・日本維新の会
・自由民主党

【中道】
・国民民主党
・公明党

【左翼・左派(ハト派)】※自由主義(個人主義)
・立憲民主党
・社会民主党
・日本共産党

[ 権威主義(国家主義) ]
・自衛隊を憲法に位置付けるなどの
 憲法改正に積極的(改憲派が多い)
・安全保障関連法の支持、
 改正組織犯罪処罰法(共謀罪法)支持
・原子力発電を維持
・伝統的な家族形態が大事(選択的夫別姓に反対)
・首相の靖国神社公式参拝に賛成
・増税、規制強化
・生活困窮世帯への給付金
・国家による社会形成

[ 自由主義(個人主義) ]
・自衛隊を憲法に位置付けるなどの
 憲法改正に消極的(護憲派が多い)
・安全保障関連法は憲法違反として反対
 改正組織犯罪処罰法(共謀罪法)反対
・原子力発電ゼロを主張
・夫婦別姓に賛成
・首相の靖国神社公式参拝に反対
・減税、規制緩和
・全国民一律の給付金
・個人個人による社会形成
◆--------------------------------------------

今まで、日本の政党における政治思想は、
右と左の対立構造にあてはめられてきました。

しかし、近年における政治思想は、
右と左を分ける明確な線引きはなくなり、
「保守(現状維持)」「リベラル(革新)」
両方の思想は党内で共存するようになりました。

例えば、自由民主党の岸田文雄首相は、
党内のリベラル会派(宏池会)に属していました。

※派閥政治資金パーティーの裏金問題を受けて、
 1957年に池田勇人元首相が設立した党内最古の
 派閥、宏池会(岸田派)は24年1月に解散を決定。

【岸田内閣の主要政策】
新しい資本主義を通じて、
成長と分配の好循環を成し遂げます。

社会全体でこども・子育てを支える
社会の構築、教育制度の確保、

社会保障制度の持続可能性の向上等を通じ、
分厚い中間層を復活させていきます。

さらに、政策運営の国際的なコンセンサス形成と、
同志国等との連携強化に向けた議論を
リードしていきます。

◆--------------------------------------------

保守(現状維持)志向の小泉純一郎元首相も、
原発維持ではなく原発ゼロを主張していました。

※岸信介が源流で、小泉純一郎、安倍晋三が
 所属していた清和政策研究会はタカ派(右派)

※佐藤栄作、田中角栄、竹下登が
 所属していた平成研究会はハト派(左派)

自由民主党議員の大半は
自分自身を「保守」と認識していますが、

そもそも、自由民主党の英語名は
Liberal Democratic Party of JAPANと
頭にリベラルがついており、
保守とリベラルの集合体とみる見方もあります。

「反共産・社会主義」を明記してはいますが
社会保障制度の整備など野党の主張も取り込む
「日本型の社会主義」政策を続けています。

立憲民主党、日本社会党、日本共産党は
左派=リベラル(革新)の主張が目立つ一方で、

自由民主党は
「保守(現状維持)」「リベラル(革新)」
集合体であるため、
昔から様々な層に受け入れられてきました。

自由民主党に有権者が多いのはそのためで、
つられて国民の思想も、保守とリベラルが
混在する思想に変化してきています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?