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【読書感想】『デトロイト美術館の奇跡』(新潮文庫)原田マハ

原田マハさんの『デトロイト美術館の奇跡』の感想を書きたいと思います!!

感想

最初から最後まで、心温まる内容の本でした。

美術館という存在、そして絵画という存在が人々に色々な影響を与え、美術館が中心となり世界が動いてゆくストーリーに心惹かれました。別々の物語が繋がりデトロイト美術館を中心に一つの話になり感動しました。美術をこよなく愛し、たくさん取材した生の声を聞いてきた原田マハさんだからかける素敵な内容でした。

たまに挿入写真が出てくるので、全て実話だと錯覚してしまうようなリアル感がある作品でした。

この本で印象に残った言葉が以下の文です。
常設展示で常にそこにいるからこそですし、愛されているから「アートは友だち」です!

「──アートのことよ。アートはあたしの友だち。だから、DIAは、あたしの「友だちの家」なの。」

『デトロイト美術館の奇跡』(新潮社)原田マハ

デトロイト美術館とは

デトロイト美術館があるデトロイトは、地理で習う五大湖の一つであるセントクレア湖が隣接しています。アメリカ合衆国のミシガン州に属しています。かつては、自動車産業で栄え、現在は、医療やロボット、スタートアップ企業など先端産業が盛んになっています。

デトロイト美術館の正式名称は「Detroit Institute of Arts」といい、通称DIAと呼ばれています。1885年に自動車産業や新聞会社などの支援により設立されます。アメリカの公立美術館として初めてゴッホやマティスの作品を購入し有名となります。今では、古代エジプト美術から近代美術まで約65,000点ものを貯蔵する美術館になっています。

そんなデトロイト美術館ですが、2013年7月18日に連邦破産法9条の適用申請により危機に立たされます。年金等の支払いを優先するため、デトロイト美術館の作品の売却案が浮上するのです。しかし、市民などの寄付により助かることになります。

ロバート・タナヒルとは

ハドソンズというデトロイトにある百貨店の創業一族に生まれたタナヒルは、美術コレクターとして有名であり、デトロイトへの寄贈もしています。

セザンヌ夫人

セザンヌ夫人の名前は「オルタンス」といいアートモデルをしていました。ポール・セザンヌは夫人の絵をたくさん書いてあり、本書に出てくる『画家の夫人』は1886年ごろに書かれています。たまに美術館で絵を見ていると容姿的に美人ではないし、雑誌などのモデル見たいにスタイルがいいわけではないけど、なぜか美しく惹かれて目が離せなくなる作品ががあります。そんな作品が今回の主役です。温かく、惹かれるまさに友達がそこにいるのです。


アートは友達。いい言葉です。辛い時、悲しい時、楽しい時、幸せな時。
いつもそこにアートがある。

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