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囲(かこい)ロード

喫茶店がやりたい。
たぶん一番はじめにそういう感情を抱いたのはずいぶん前、高校生くらいだったと思う。
あの薄暗い空間でクールにコーヒーを淹れるマスターの紳士的な雰囲気に「あんな大人になりたいなー」とただ憧れただけのちっぽけな感情だった。
本気でなりたいと思っていたわけでもないので、そんな想いも頭のどこか片隅へ追いやられ、本人もしばらく思い出すことが出来なかった。
その後の高校生活は部活と遊びとほんの少しの勉強を繰り返し、無事卒業し、大学生になった。
大学生の時は喫茶店の「き」の字も出ないほどゴルフにのめり込み、ゴルフ場のバイトとバイト先の先輩への憧れから車イジリにハマった。
全く上手くはならなかったけどそれでもゴルフをしてるのが楽しかった。
大学へ行っても授業を受けず近くの打ちっぱなしに行って帰る日なんかもあって、週末はゴルフ場にバイト。稼いだお金で車を改造。バイトが終われば自由にラウンドさせてもらえたので「大学生サイコー!」なんて思っていたら案の定その皺寄せがきて、留年確定。
幸い(?)半年の留年で済んだのでそこから半年はプータローをして、同級生から一年遅れて新社会人へ。

つづく


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