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#31 特別支援教育:多数派と少数派の共生:学級経営の新たな視点

前回は、整列で並ぶことができない子どもたちの支援の仕方についてお話しました。
詳しくは、こちらをお読みください。↓

その中に、
友達とふざけたり、話をしたりしてる子どもがいました。

この子ども達は、
「特別な支援を要する子ども達」というより、
「特別な支援を必要としない、その他大勢の子ども達。つまり多数派」です。

支援を要する子どもは、集団でみると数も少ないので、少数派にあたります。

学級を作り上げる際、少数派の支援に追われつつも、多数派をどのように指導していくかが非常に重要となります。

少数派である支援を要する子どもたちは、トラブルが絶えません。
なぜなら、人とコミュニケーションをとるのがそもそも苦手だからです。
さらに相手の気持ちも、場の状況も読み取るのが苦手です。
だからこそ個別の支援が必要なのです。

そんな子どもがクラスにいたとき、

できれば、巻き込まれたくない、近くにいると授業に集中できない、体育で同じチームになりたくない、同じ斑になりたくない、などと思ってる子どももいるかもしれません。
こんな子どもたちが増えてきたらクラスは危険信号です。

こうした気持ちは多数派の論理であり、少数派の気持ちに寄り添っていません。
これでは、少数派の子どもは教室に居場所がなくなり一層トラブルも増えます。

ではどうするのか?

少数派の気持ちに寄り添ってやれる多数派を作り上げることです。
それが学級経営の肝になります。学級経営のユニバーサルデザイン(学級経営UD)といえます。

学級経営の肝については、こちらをお読み下さい。学級経営とは何か?がよくわかります。↓

多数派の子どもたはちが並んでないのは、指導が行き届いてないといえます。
このような状況のとき、注意すると学級はほころびはじめます。
さらに、少数派がターゲットとなる可能性もあります。

並んでない多数派に注意をすると、多数派の子どもが少数派のある子どもを指し、
「○○も並んでない。」
と話をすり替えようとすることがあります。
でも、この少数派の子たちは、並んでないのではなく、並べない理由があるのです。

このような言葉がでてくると、学級のほころびのみならず、多数派による、少数派のいじめが始まる可能性もでてきます。

整列については、
本来なら学級開きで確認すべきですが、一度全員着席させて確認します。

「整列はなんのためにするの?」とききます。

「教室移動するため」
「全員で揃っていくため」
といった内容の言葉を引き出します。

さらに、
「どういう状態になっていたら整列できたって言えるの?」

「全員が並んでること」
「前を向いて静かに立っていること」

「ゆっくりでもいい?」
「だめ」
「どうして?」
「ゆっくりしてたら、次の授業に間に合わないから」

素早く、前を向いて、静かに並ぶなどをキーワードとしておさえた後、実際に整列させます。

できたら褒め、できていなかったら繰り返します。

集団で、できることが増えていくと、全員が褒めらることになり、学級への帰属意識が高まります。

そして忘れてはならないのは、
多数派が少数派を理解し、寄り添うことができるようにするための理解教育です。
これがないと少数派の居場所がなくなります。不登校になります。右肩上がりに増え続ける不登校児への一番の対策は、誰にとっても居心地のよい学級づくりです。
また、将来、少数派の気持ちに寄り添うことのできる大人になって欲しいという願いもあります。

地道な積み重ねが、誰にでも居心地のよい学級を作り上げるのです。

参考になる方がいたら幸いです。

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