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#2 読書のある生活「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」

はじめに

2回目!シリーズもののSを獲得した今回は、RYU MURAKAMI。単純に龍という名前がかっこいい。アルケミストで始まったのに2回目で村上龍は攻めすぎか?とも思いましたが、読み終わった時の満足感がよかったので書こうと思います。

本屋

この本は今年の初めにコインロッカーベイビーズを読んで村上龍氏にはまった時に偶然、BOOKOFFで見つけたものでした。なので、半年以上積読されていた本です。アルケミストが久しぶりの小説でして、それまではずっとエッセイや人文学系を読んでいたので、続けて物語が読みたくなり、積読本の重い扉を開いたわけです。

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜

村上龍の著作は「限りなく透明に近いブルー」から入り、今までに「コインロッカーベイビーズ」「69」を読んできました。

ざっくり、中学の時の初恋の人と40代になって再会するというお話です。69を先に読んでいたので、この話との繋がりはないとは思うのですが、何か近しいものを感じました。

限りなく…から入ったというのもあり、割と刺激的な内容が印象に強かったので、今回もそっち系だと思って読み始めました。しかし、過激なシーンというのはほとんどなく、落ち着いた展開だったので身構えていた分すこし拍子抜けしました。そんな落ち着いた展開の中でも、一緒に食べている料理と会話が官能的に混ざっていく感じや回想シーン、節々の表現がやっぱり村上龍を読んでいるなと思わせられる一作でした。村上龍の書く学生時代は自分の学生時代とは全く違う世界で、あのゴツゴツとした時代特有の「生命体」を感じさせるシーンが大好きです。俯瞰的な視野を持っていながらも、衝動を抑えられない部分を強く感じる。

まだ20なので、40になった時のことはわかりませんが、その年になっても初恋や中学のときのことをこんなにも覚えているもんなんだなと思いましたがどうなんでしょう。ただ、その20年以上の時を経て自分も彼女も変化していることを感じている主人公を見ながら、やっぱりそういう気持ちってその時にしか成立しないものなのか…と若干しみじみしました。

多分、再会して交わした時間もいいものなんでしょうが、当時の輝きとはまた違うし、なにかが欠如している感じ。
年齢も恋愛経験も乏しい私にはすべてのことが理解できたわけではないですが、きっと少し胸に引っかかるものがあるんだろうなと思います。

最後に

これを読んだ時に、大人の恋愛…と思い結局思いつく大人は両親。
父と母のパーソナルな話をたまに聞くことがありますが、この人たちにもそれぞれ違う初恋がある。そう思うと、子供という目線から見るある種の気持ち悪さもありますが、それが当たり前で、今まで自分がそのことを考えていなかっただけなんだと気付かされました。

家族はどうしても「家族」という枠組みが邪魔をし、他の人たちと同じ目線で見ることを忘れる時があります。特別感というか、ある種の絶対的なものというか。それが幸福につながる時もあるし、うるさいときもある。

家族だからといって、全てを明かす必要もないし、それをさせる権利もない。適度に見えてないものがある方が、家族はやりやすいなと思います。

話が逸れました。この辺で終わりにしたいと思います。

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