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裏切りの提案

さぁ、自分のお城です。
全部、自分の好きなお花ばかりで店を埋めることができる。
幸せすぎます!
市場が楽しくて楽しくて(笑)

でもやっぱり偏るんですね。
私は枝物や葉物、グリーン系と白いお花に狂ってますので。

市場から帰って水揚げをすると気が付きます。

黄色いお花がない!

今のようにくすんだ黄色?マスタードイエローなんて
そんなもん、見たこともありません。
派手な明るい黄色ばかり。

派手な黄色は苦手です。(唯一フリージアは繊細で好き)

でも、ここは自分のお城。
私らしくいこうと。
ブレてはいけないと。
だから苦手なものは買いません。

自分のブランドを確立するためには
お客様をも選ばざるを得ません。

「かすみそう(実はこれがもっとも苦手)」を入れて とか
色々な色を入れて とか
・・・お断りをしていました。

市場でお花を仕入れるときは、ほぼ10本単位ですので
おひとりの方のために「かすみそう」を買うと
残りの9本はお店にいるわけです。

使いますか? 使いません。

お店の見栄えはどうですか? イメージが違います。

そんなことを思い、申し訳なかったのですが
お断りしました。
実際、売り上げ的には絶対に逃したくなかったのですが。

その後も「かすみそう」の依頼はありましたが
他のお花や葉で創る提案をさせていただきました。
すると、ほとんどの方が受け入れてくれて
「入れない方が素敵!」と仰ってくださいました。

お客様に提案する事って大切なんだなあ、と改めて思いました。
いい裏切りの提案です。

そうやって自分のお店のブランドを高めていきました。

この店でしか買えない物、この店の作品が好き、と
仰ってくださる方は浮気しません。
そして、惚れ込んでくれると信頼関係が生まれます。

うちの店は「おまかせで」の電話注文が多かったんですよ。
(SNSなかったので)

本当にありがたかったです。
感謝しかありません。



ここまでの経緯はマガジン「軌跡」で見ていただくと嬉しいです。


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