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湯河原最強の源泉を味わえる秘密基地発見!【おひとり様女子旅記録】

川のせせらぎの音が心地よく響き
日常の喧騒を忘れさせてくれる
老舗かつ高級温泉街 奥湯河原。

趣のある老舗旅館が立ち並んでいて
私には手の届かない世界のイメージがあって
今まで調べようともしませんでしたが

ここで
湯河原最強の源泉を味わえる
秘密基地を見つけました!

最初に申しますが
ダメな人は絶対ダメなお宿です。
実際、ネットの口コミ評価は散々です。
私はまた行きますけど、笑。

温泉民宿 美湯香さん。

土曜日のひとり宿泊、
一泊2食で8,000円代。

お値段と提供されるモノの質、
バランスを考えるととんでもないお宿です。


普通の民家のような玄関。
しかも、インターフォンは壊れています。


お宿というよりお家です。
親戚のお家です。
かなりの生活感です。

見つけたこちらのお宿は
元々常連客のご夫婦が
お湯に惚れ込んで
先代から引き継いだとの事。

このエピソードからも
私の温泉に対する期待が否応なしに高まります。

………

湯河原駅から奥湯河原行きバス
桜山入口で下車。

湯河原駅から路線バスで15分程。
最寄りのバス停からは
地図上では目と鼻の先ですが
急な坂道を息切れしながら5分強。


物々しい廃墟を
横目に見ながら坂を登ります。


かなりの登り坂ですが
湯河原の景色、非日常を感じながら
お宿へ向かって進むのは悪くないです。

やがて見えてきた「温泉民宿 美湯香」の看板。

古い鉄筋コンクリート造りの建物です。

建物外観。


インターフォンを押しても
鳴っている気配がないので
ドアを開けて中へ。

入ってビックリ!まんま誰かのお家。
なんというか、既視感たっぷりというか
パンダのスリッパに緩さを感じるというか…。

大声で「スミマセーン!」と叫ぶ事数回、
ようやく遠くから「はーい!ちょっとお待ちをー!」と返事がありました。

つい「お邪魔しまーす」と言いたくなるような
玄関。

程なくして
パタパタとずいぶん遠くの方から
黒のスキニージーンズがお似合いの
奥さまが現れました。
私と同年代か、ちょっと上か。
チャキチャキサバサバ系のお姉さま、と言った感じ。

館内は廊下も天井もなんだか狭く窮屈。
細い階段を降りるように促されます。

先ほどの玄関は3階だそうで、
2階の受付兼ダイニングへ。

玄関は3階で
ダイニング兼受付は2階、
そして温泉が1階という構造。
それぞれの階に客室があります。


受付兼ダイニング入り口。
「茶の間」って書いてあります。

チェックイン手続きをしながら
湯河原温泉は初めて?と訊かれて頷いた私に
まず奥さまが温泉の説明をしてくれました。

湯河原温泉の主泉質の要となる食塩泉は
からだの芯までよく温め、
しかも冷めにくい効果があること。 

さらにアルカリ性の温泉なので
美肌効果もいっそう増して
化粧水の湯、と呼ばれる
保湿効果に優れていること。

条例で60度を下回る温泉には
塩素消毒が義務付けられているが、
ここは湧出量も豊富で
源泉温度最高80度以上あるので
生きた源泉そのものが味わえること…

お宿こだわりの温泉は
高温の源泉から加水なしの湯量調整で
外気で温度を下げて浴槽へ流し込んでいるそうです。
(熱過ぎるときはもちろん加水OKとのこと)

「一応シャワーもあるけど、せっかくだから
身体も髪も消毒なしのかけ流しの「生」温泉で
ザバザバ洗って!!」
自信たっぷりな奥さまの笑顔に
頼もしさを感じました。

館内の説明を受けながら
さらに階段を降りて
一階の客室へ案内されます。

襖扉の六畳間の客室。
お風呂から一番近いお部屋、とのこと。

照明の紐が長い。
寝たまま消せる。


まるで親戚か知り合いの家に泊りにきたような…
アットホームにも程がある!笑

本当に誰か住んでいるお部屋に
転がり込んだようで
私は逆にとても楽しめました。

襖のお部屋なので、鍵は形ばかりの南京錠です。

押入れ扉の中には
浴衣、タオル、ドライヤー、ポットなど
最低限のアメニティと
かわいいチャンチャンコが
お行儀よく揃っています。
マッサージ棒もありました。

裏ボアのキュートなチャンチャンコ

さて、早速温泉へ!

温泉は離れにあり、
空いているときに鍵をかけて
貸し切りで入るパターンです。


浴場はここから一度外へ。
貸切温泉の約束事その① 「ここでスリッパを脱ぐ事」

ここにスリッパがなければ
今誰も入っていないサイン。


浴場への渡り廊下。
右側の窓が私が宿泊している部屋です。
窓を開けると丸見えなので、
配慮して在室時は閉めっぱなしにしました。

渡り廊下からの眺望は
雨天にも関わらず素晴らしいものでした。

渡り廊下からの景色です。 
 バス停からかなりの登り坂でしたが
高低差があればこその眺望!

渡り廊下の突き当たりに
浴場入り口のドアがあります。


 貸切温泉の約束事その②
「脱衣所に入ったら内鍵をかける事」。

浴室の扉を開けると温泉の良い匂いがムンムン。
目に飛び込んできたのは
ブルーのタイルが美しい浴槽。

貸切温泉の約束事その③
「常に窓は15センチほど開けておく事
入浴時には閉めても開けてもいいが、
出る際には 現状復帰する事」
お湯を適温に冷ます工夫だそうです。


掛け湯をザバザバして身体を湯温に慣らしてから
湯船に身を沈めた瞬間
この源泉の質が高いことに驚きます。

湯河原独特の温泉の匂い。
柔らかな湯質。
身体をしっとり包み込む湯感。

キリリと熱いこの温泉は
ぜひとも水で薄めることなく
我慢してでもこの温度で楽しんでもらいたい!
…私の切実な願いです、笑。

湯船には
蛇口から底部分に延びた鉄管が挿入されています。

これは源泉の注入口で
常に一定量のあつ湯が掛け流されているとの事。

温泉の蛇口まわりには
析出物がびっしり付いていました。


たくさんの種類のシャンプー、ボディソープの類。
空ボトルもいくつか。
奥さまは資生堂派と見ました、笑。

お風呂から上がって部屋に戻る時、
共同の洗面所脇にある小さな冷蔵庫が目に入りました。
シールがいっぱい貼ってあるのも
生活感溢れてます。

中の飲みものは早い者勝ち。
ソフトドリンク100円、アルコール300円の
チェックアウト時に自己申告制です。
(近くにはコンビニも自販機もありません。)


洗面所のタイルも昭和レトロ。


冷蔵庫の中。
翌朝にはだいぶ品薄になっていました。

部屋でお布団を敷いて
ゴロゴロしていたら
いつのまにか眠ってしまいました。

「食事、準備出来ましたよー」
襖を叩く音で目が覚めました。

私としたことが18時半の夕食時間に遅刻です。

慌てて2階の茶の間ダイニングに向かいます。


味のある食事処。
窓の外は綺麗な夜景。

お料理も温泉に負けず劣らずです。

食前酒の自家製梅酒は香り高いし
野菜天ぷらは揚げたてが出てくるし
新鮮こだわりのお刺身も焼き魚も最高。
お手製の煮豚もしっとり柔らか。
野菜は自家菜園のものというこだわりよう。

【夕食メニュー】
新鮮なお刺身、自家製野菜のサラダ、 季節の天ぷら、
ホタルイカ、生ハムと青菜のお浸し、
オリーブオイル仕立てのお豆腐、金目鯛焼き、
煮豚、ウズラ卵の燻製、
けんちん汁、葛餅。

お腹いっぱい、胸いっぱい。
またひとっ風呂浴びてお布団にダイブ。

あー幸せ!

この日は私の他に
おひとり様の男性客が3人、ご夫婦+ワンちゃんが
宿泊していました。

リピーターさんが多いのも納得。

私はどんなに騒がしくても
問題なく爆睡できるのですが

誰かがお風呂へ行ったり
部屋の戸を開け閉めしたり開けたり
洗面所を使ったり
部屋で電話してたり…といった
生活音は結構響くので、
気になる方はキツイと思います。

早くに寝たので
案の定、夜中に目が覚めます。

温泉は夜通し入れるので
何度も入りました。

夜のお風呂。
温まってはうたた寝…を繰り返す至福。
渡り廊下からの夜景は 本当に綺麗でした。

夜が明けても
朝風呂から8時の朝食時間まで温泉三昧。

朝食は
天日干しの鯵の干物に卵焼き、
食後のコーヒーは絶品。

【朝食メニュー】
天日ぼしのアジの干物、自家製ぬか漬け、釜揚げシラス、花豆、納豆、お浸し、さつま揚げ、 卵焼き、お味噌汁、
ヨーグルト。


コーヒーも美味しかった!
飛行機の箸置きが可愛かったので
一緒に撮影。

チェックアウトが12時なのも嬉しいです。
チェックアウトギリギリまで
今回もしつこく温泉を堪能させて頂きました。

……

完全に好みが分かれるお宿ですね。
私は大好きです。

この良さが解らない方は
備品の整理整頓やお宿全体の見た目、雰囲気など本質ではない部分で低評価とするんですよね…

アツ湯、食事、ゆっくりしたい人には
超絶おすすめですが
こちらは、あくまで民宿なんです。
今流行りの「おもてなし」とは無縁なんです。

きめ細やかな接待やサービスにこだわり、
不服を言う方は
そのような高級宿にされるほうがいいと思います。
宿泊客がそれぞれ調和して行えば良い事だと思います。

ホテルやペンションみたいな期待は
絶対にダメです。

いや本当にここはヤバい。
正直あまり流行ってほしくないけど…

料理のおいしさ
奥さま旦那さまのひとの良さ
渡り廊下から望む山々
そしてかなり濃いめの温泉!

冒頭にも記しましたが
秘密基地を見つけた気分です。

一人旅を受け入れてくれる 
湯河原の貴重な秘密基地です。

神奈川県 奥湯河原温泉
温泉民宿美湯香
泉質: ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 弱アルカリ性 低張性 高温泉
源泉温度: 約70度
入浴可能時間:チェックイン〜翌11時
(チェックアウト12時)
2023年3月25日(土)宿泊 一泊2食
 食前酒に梅酒サービスプラン 8,600円+入湯税150円
帰りのバス車内で撮った写真。
何かのロケをやっていました。
TVを見ないので本当に疎いのですが
この方たち芸能人ですか?

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