見出し画像

元宵節(元宵节)

元宵節は春節から数えて15日目で、「正月十五」とも言います。この日は春節の最後の行事で、赤い提灯を揚げて家族団らんでご馳走と「元宵」というお団子を食べる風習があります。

子どもの時、小学生までだった記憶がありますが、
この日になると両親はいつも赤い提灯を買ってくれました。
そして、父がみかんの皮でみかんランタンを作ってくれたのはとても鮮明に覚えています。
作り方は、カッターナイフで小さな口を開けて、中身を出して空っぽにします。
それから中に下に小さな針金付きの蝋燭を入れてみかんの中で固定します。
火をつけるととてもやさしいオレンジ色の灯って、ほんわりとみかんの良い香りがします。
近所の友だちが良いな!と羨ましそうに言ってくれたことも覚えています。

毎年この日になると、あの時のみかんランタンを思い出して懐かしい、恋しい気持ちになります。

そして、たいして伝統的な行事がない地元ですが、元宵節だけには盛大なランタンフェスティバルが毎年ありました。

そういえば、京都にある万福寺には1月末までランタンフェスティバルが行われたと数日前に知人から聞きました。
しかし、知った時には既に終了していてとても残念でした。
調べてみると、このフェスティバルは1661年に「黄檗山万福寺」を開創した中国僧「隠元隆琦(いんげんりゅうき)」の350年大遠諱の記念催事に合わせて開催されたものです。期間中、お寺の中に、中国から運ばれてきた大型ランタンが約30か所も設置されていたようです。
ホームページにはとても中国的なランタンの写真がたくさんありました。写真ではありますが、それでも雰囲気はよく伝わりました。
日本と中国の間は政治問題は常にありますが、こうして民間では数えきれないほどの友好交流が行われていることを考えると気持ちが明るくなります。

さてと、ランタンは見れなかったのですが、元宵節ですので、元宵(たんえん(汤圆)とも言う)はしっかりと美味しく頂きました。
便利な時代ですので、ネットショッピングで中華食材のお店から購入しました。
実は、まだ幼い息子たちは時々中国発の「ベビーバス」という子供向けのアニメを見ていて、「たんえん」のことをその中の歌で知りました。
「たんえん」は何?と何回も聞かれたので、今年こそ食べさせてあげようと思いました。
ぷるんぷるんのたんえんを自分たちの目で確かめて、そして食べることができて息子たちはすごく納得した顔でした。
そうか、これがたんえんだね!と特に年長さんの長男は嬉しそうでした。

市販の冷凍汤圆(たんえん)

しかし、知りたい気持ちはあるものの、初めての食べ物で息子たちは数個しか食べることができませんでした。
それでも、食べてみた、確かめることができた、母の出身国の味をもう一つ知った、一緒に元宵節を過ごすことができた。これらの「できた」で十分よかったと私は思います。

因みに他の家族メンバーはとても美味しそうに食べていました。

今日で春節が終わりました。ちょっぴり寂しい気持ちになりました。
子どもの時お年玉とご馳走以外さほど興味のない春節が、今となるとこんなにも懐かしく、恋しくなるなんて、本当に不思議です。
そして、小さい時の自分と今の自分、家族と自分をしっかり繋げてくれる暖かい存在にもなりました。

世の中は既に新年が過ぎての2月ですが、あたらしい一年も自分の納得できる一年、もっと成長できる一年にしよう、と改めて新年の抱負を立てました。

読んでくださる皆様にも、福がたくさんきますようにお祈りします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?