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カフェ ド パルク

東京都荒川区西日暮里駅から歩いて3分ほど。

雑居ビルの2階にこのカフェはある。

階段をワクワクしながら登ると
入り口右手に古い公衆電話が見える。

「申し訳ないです。今満席で。入り口のイスでお待ち下さい。」

てきぱきとよく動く、オーナーらしき男性が
案内してくれた。


公衆電話と壁の間に背もたれ付きのイス。

そこにわたしはわたしを収納した。

う〜ん。この狭い感じ。たまらん。


目の前はお手洗いだ。
内装は、タバコの煙で燻されたあの色。

ここは自家製アップルパイがウリらしい。

クラシックに決めようと、
今日のファッションは
ライトグレーのニューハッタンのバケットハット
90sのNIKEアスレチックスのハイネックスウェット
にスカイブルーのボタンダウンシャツを入れ
ベージュのテーパードアンクルパンツに
ホワイトソックスに青赤のストライプが一本ずつ入ったユニクロのソックス。
足元はサンドベージュの
NIKEのスペシャルAF1という
ブーツスニーカーにした。

イメージはフレンチミリタリーとストリートだ。

アラフォーだがストリートスタイルは
取り入れたいお年頃なので
なるべく若年層と被らないアイテムを選ぶ。


「焼き上がりまで25分いただきます。」


席が空き、窓辺の席に座った私は
期待値があがる25分かけて作るプルパイと
カフェナッツという、ウィンナ・コーヒー
にアーモンドスライスが散らされた
飲み物を頼んだ。


いつもはiQOSだが、今日はとことん
クラシックに決めるため
箱マッチにセブンスターのソフトパックを嗜む。


おいちい。


カフェナッツのアーモンドとクリームが
甘い香りのセブンスターとよく合う。

偶然だったが良いチョイスだった。



酔いしれていると、お待たせしましたと
白い更に燦然たる輝きを放つ
アップルパイを店主が運んできて
さっとはけた。


(なんて機敏なんだ、、、、、。)


2つとなりの席に座る、和装のホステスと
イケおじの会話をBGMに
サクサクのパイ生地にナイフを入れる。


バニラアイスがとろけ、りんごとパイにからむ。


もぐもぐすればお口とほっぺが綻ぶ。


旨い。


当然だが旨い。いや、旨すぎた。



私とアップルパイ(通称プルパイ)
の出会いはヤマザキのアップルパイだ。


姉から「温めなおすと美味しいよ」と
幼いながらに教えてもらいトーストして
よく食べたものだ。


少ししかないりんごの部分に
分厚いパイ。
あれが庶民のプルパイならば

カフェドパルクのプルパイは
ブルジョワのプルパイだ。


キャラメルソースが白い更に映える。


カフェナッツとともに頂く。

気付いたら5分で平らげた。


手間がかかるものをどん兵衛が出来る間に
食べてしまった背徳感。


よい日曜日が過ごせました。


タバコ臭くなった衣類を
帰宅後に洗濯機にぶちこみ
15:30に幸せな仮眠をとった。

自分がバニラアイスになった気分だった。


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