大人の階段(3)
雲ひとつない青空の日も
どんより曇った日も
雨の日はシルバーのKappaのウインドブレーカーで
先生は団地まで来てくれた。
「長屋生まれ団地育ち」なんて
どっかのラッパーみたいな謳い文句を気に入っていた厨二病な時代をくぐり抜けたこともあったっけ。
完全なる黒歴史だ。
「竜也くん。今日はジャンプとチャンピオン持ってきたよ。ウチのあんにゃが読み終わったやつだけど。よかったら読んでね。」
と、関根先生はスーパーウオロクのビニール袋を置く。月に一回の楽しみだ。時間差はあるけれど
好きなマンガが無料で読める。
ありがとうございます。
と言いながら団地の鉄扉を押し開けて受け取る。
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