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缶コーヒーCMから読み解く、この時代を働く人の価値感 | 広告デコン

こんにちは。広告プランナーのきんちゃんです。
突然ですが、このCMをご覧になったことはありますか。


ジョージアが放映していたこのCMシリーズ「明日があるさ」は、後にテレビドラマ化し日テレ歴代1位の視聴率を記録します。そして紅白にも出場、2001年流行語大賞トップテンも獲得。まさに一世を風靡した広告コミュニケーションでした。

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働く人達をターゲットに、ずっと愛飲されてきた缶コーヒー。
ゆえに缶コーヒーの広告といえば、その時代に働く人達の価値観を反映したものでした。

ということは・・・

缶コーヒーのCMみれば、その時代の空気感がわかるんじゃね?


というわけで。今回はジョージアとBOSSのCMを通じて、現代に働く人の価値観を読み解いて行こう思います。

申し遅れましたが、普段こんな感じでマイペースにマーケティングの記事を書いています。

では、本題へ。

目次
(1)ジョージアからみる働く人
(2)BOSSからみる働く人
(3)あとがき

(1)ジョージアからみる働く人

「だから、私は頑張れる。」(『世界は誰かの仕事でできている。』シリーズ)

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後輩サラリーマン:俺たちなんでこんなに仕事を頑張ってるんすか?

先輩サラリーマン:頑張るって、もう古いのかもな

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「そんな事無いぜ!」

達成会、仕事が好きだから、喜んでくれる人がいるから…。それぞれ別々のところで頑張っている人たちが、自分たちの頑張る理由を教えてくれます。

”どんなに時代が変わっても、仲間と缶コーヒーがあれば頑張れる。”
そして最後に「だから私は、頑張れる。」


いかがでしたでしょうか。

正直、私がこれを見たときの第一印象は「なんか世の中に逆行した、安易なCMだな〜」でした。笑

だって時代は、働き方改革じゃないですか。

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けれどちょっと待てよ。

もしや、それこそがCMにあった「頑張るって、もう古いのかもな」なのか?このイメージこそが実は安易だったのか・・・?

今の時代って、仕事でこそ自己実現ができる人たちには、逆風なんじゃないでしょうか。

だからこそ、職場の中ではなくて離れた場所から送られるエール。”どんなに時代が変わっても、仲間と缶コーヒーがあれば頑張れる。”というコピー。

社会潮流に対して、逆張りのインサイト。

よくよく考えてみたら、缶コーヒーを一番買う層って、多分仕事を頑張りたい人達ですよね。

このCM、最初は前時代的に感じましたが、令和の文脈を踏まえて、あえてこう作ったんじゃないかなって今は思っています。

ちゃんと届けたい人たちには、きっとしっかり届いている。

ただ、社会潮流へのカウンターなので、刺さらない人には全く刺さらない。むしろ逆効果になる。(笑)

多分これは

令和に生きる、それでも仕事を頑張り”たい”若者たちへのエールなのでしょう。


(2)BOSSから見る働く人

「宇宙人ジョーンズ」

こちらのシリーズはとても沢山あるので、見返すだけでも大変なのですが…

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坂本九、八代亜紀、入来選手(野球)、高見盛(相撲)、そしてこのシリーズでよく流れる中島みゆき。

なんでしょう、打って変わってこの昭和世代感。(笑)


このCMシリーズ、今年でなんと14年目になります。(!) 長い!

14年前の2006年は、景気低迷も長期化していました。テレビでもいじめ自殺や、イラクでのテロ激化、汚職事故といった暗いニュースばかり。

2001年。バブル崩壊も過去となり「明日があるさ」のように前をむき出したはいいが、なかなか先行きが見えない。

そんな時代だったからこそ、どこか皮肉的だが、それでも黙々と頑張る宇宙人ジョーンズが刺さったんじゃないでしょうか。

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今でもこのシリーズは根強い人気を誇っています。

もちろん、社会はこの14年で大きく変わりました。働き方への見方も少しずつ変わってきています。しかし、この人気を見ると

きっと、まだ多くの日本人がこういった気持ちをまだ心の奥に持っているのかもしれませんね


ジョージアが、令和に生きる仕事を頑張り"たい"若者であれば、こちらは

昭和に生まれた、それでも仕事を頑張”る”ベテランたちへのエールなのでしょう。


(3)あとがき

働き方が多様化していると言われて久しいですが、ちゃんとCMも多様化しているんですね。

これからミレニアル世代やZ世代が社会に出てくるにつれて、もっと違うCMになってくるかもしれません。

次のCMプランナーさんは、どんな時代のインサイトを発見してくれるのでしょうか。

そんな視点で、これからコーヒーのCMを見ても面白いかもしれないですね!


これからもマイペースにマーケティングの記事を書いていきます。



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