見出し画像

コロナ下でやってみたことの小さな成功と大きな失敗 Ep 4.4

外出自粛要請が5月31日まで延長となりました。(2020年当時)
そもそも、それで終わるのでしょうか?
いや終わってほしいけれど、誰もまだ分からないというのが正直なところです。

そもそも「予測できる未来」なんていうものは存在していませんでした。
それが新型コロナウイスの出現により、より鮮明になったと理解するほうが自然です。これからはこれまでの延長線上にある、という幻想はかくも崩れ去ってしまいました。

オンラインで前売り券が売れた!

オンラインショップを開設して約1か月。
整体というサービスは、事前にそれがどんなものか知っていなければ、なかなか新しい顧客が増える仕事ではありません。
これまでも多くの治療院の集客は、ポスティングよりもSNSよりも「口コミが一番強い」という前提で成り立っており、それは今後も変わることはないでしょう。

”とりあえず店を開きました状態” で放置していたところ、ある日、商品購入通知:BASEという一通のメールが届きました。
小躍りするとはこのことです!
オンラインショップ初の売り上げ。

画像1

それは、前職で同僚だった方が買ってくれた整体の前売りチケットでした。新しいチャレンジが受け入れられた嬉しさも手伝って、いつもより饒舌にお礼のメールを書いて返信しました。

「ここ(オンライン)でもやはり口コミか」

冷静になって前売り券が売れた事象を捉えなおすと、それは従来のルールがオンラインでも通用することの証明でした。

口コミは信用の裏付け

では、「口コミ」とは何でしょうか。
Wikipediaによれば、物事の評判などに関する噂のこと。マスコミとの対比で生まれた言葉であり「口頭でのコミュニケーション」の略とあります。
手元に置いてある辞書にも、ほぼ同様のことが書いてありました。

元来、日本人は「あの人が言っているから」という理由でものごとを判断する傾向があります。とりもなおさず、それは「信用があること」を暗に確かめてから選択することにほかなりません。

そう、信用を築くこと。
それがリアルでも、オンライン上でも欠かせない要件です。

その一方で、多くのYouTuberの動画がそうであるように他者を惹きつけるには「なんだか面白そうだな」という要素もあるのかもしれません。

オンライン上でも
・信用があること
・なんだか面白そうだな

という2つの要件を満たすことが、他者に受け入れられるポイントなのだとわかります。

失敗を経験したうえで初めて知る自分

ご多分に漏れず、私自身もYouTuberの真似ごとをしてみました。
治療院という仕事はただ単に整体やリラクゼーションを提供するだけでなく、ひろく健康に関わるもの。。。
そう考えると、外出を自粛しているこの時期にできるのは「セルフケア」という結論になります。

まずはオンライン講座として中継でセルフケア教室を行い、その様子を録画しておいたものをYouTubeにアップします。

ウェブカメラの画質が悪い…。
そんなことが気になりつつも、私としてはこれまでの講師の経験を活かして段取りよく説明できたものと納得していました。自己採点で100点満点中70点くらいでしょうか。

しかし、編集した動画を海外にいる親友に見てもらったところ、返ってきた返事はダメ出しの一言でした。

・画質が悪いこと
・ただ漫然と喋っていること
・そもそも熱意が伝わらない

「え!」と思ったものの、そこは返す言葉もありません。
30年前から私のことを知っている彼曰く、YouTubeはこのご時世、レッドオーシャン極まりない、と。
自分のことを知ってもらうことが目的なら、もっと工夫せなあかん。
淡々と喋っていて真面目さだけが伝わってくる、というコメントでした。

言われてみれば、確かにそうなのです。
授業やセミナー等の講師として、解剖学の説明をする際にはムダを省いて極力、事実のみを時間内でわかりやすく伝えることを心掛けてきました。
かたや、面白おかしく興味を聞くような話し方やキャッチーな演出は一切、気に掛けてこなかったのです。

すでに面識があり、少なからず私という個人のことを知っている人にとっては、この動画はそれなりに価値のあるコンテンツかもしれません。
しかし、初めて見る人からすれば、NHKの7時のニュースもしくは国会中継のように「面白みに欠ける」ものに映ることでしょう。

「せっかくええもん持ってるんやから、あとは見せ方やで」

そう言うと、親友は電話を切りました。
あとに残ったのは、どうやって自分の仕事を料理して盛り付けるか、という大きなテーマでした。


physical, mental, spiritual and social well-beingに生きるお手伝いをしています。2020.3に独立開業しました。家族を大切にし、一人ひとりが生き生きと人生を楽しめる社会が訪れるといいなと思いながら綴っています。