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コメダ珈琲・季節のケーキ語り〜2024夏〜

コメダ珈琲店の季節のケーキ、新たなラインナップの到来なのだが……。
私は夏のケーキが好きじゃない。

だって、3種類しかないんだもん!
他のシーズンは4種類あるのに、なぜ!?

夏は冷たいドリンクの需要が増え、冷蔵庫だか冷凍庫だかの容量がケーキに割けないのだろう、と勝手に想像している。
でも、季節のケーキ大好き民としては、毎回4枠設けてほしいのです。

え?夏はかき氷があるからいいだろって?

これをケーキと同列で語らないで下さい。
かき氷はケーキと違って、覚悟と準備が必要なんだから。

例によって長いので、最後にまとめを行っている。
結論を急ぐ方には目次から飛んで頂こう。


◆すずむ レモンチーズ

凍ったまま食べる、ひんやり冷たいレアチーズケーキ。
一口ほおばれば、ひんやり気分もリフレッシュ。
※本商品はリステリアフリーです。

コメダ珈琲店公式HPより

ひんやり気分もリフレッシュ?
「ひんやり気分に」とか「ひんやり気分で」じゃなくて?

助詞にモヤるが、それより注目したいのは一番下の注意書き。
出た、リステリアフリー!
進○ゼミでやったところだ!

非加熱のチーズを使用しているけど、リステリア菌が死滅する調理工程は経ているので、妊婦さんも安心して食べていいよ、だと解釈している。

凍ったまま食べるケーキといえば、氷点下ショコラ

左から2021年、2022年、2023年。

時を超え、姿を変え、味を変え。
長きにわたって夏のケーキに君臨していた。
夏の風物詩として定着させたいのかと思いきや、今年はまさかの不出場。

さあ、レモンチーズよ。お前は氷点下ショコラを凌ぐ新たなひんやりケーキとなれるのか?

綺麗な円形。レモンソースがまるで満月のようだ。
周りは固いプラスチックの帯で囲われている。
そうか、この形式のケーキだったのか。

私が食べた季節のケーキの中で、プラスチックの帯で囲っていたケーキはただひとつ。
唯一にして最愛のケーキ、口どけオレンジである。

忘れもしない、2021年の夏。覇権揃いのラインナップに魅了され、私は季節のケーキを愛するようになったのだ。
中でも特に口どけオレンジが大好きだった。甘さと酸味のバランス、夏らしい爽やかさの表現。もしも季節のケーキを復刻する投票が設けられたら、私は間違いなく口どけオレンジに票を投じる。

全く同じケーキではないとはいえ、同じ形で同じ提供方法。何か運命めいたものを感じずにはいられない。光源氏が紫の上を初めて見た時、きっとこんな気持ちだったのだろう。

プラスチックの帯を外そうと触ると、冷たいっ!
そうそう、これはひんやりケーキ。口どけオレンジに想いを馳せている間にすっかり忘れていた。ぬるくならないうちに頂こう。

まずは表面の黄色いレモンソース。氷の粒のシャリシャリとした食感が心地良い。凍ったまま食べる意義がちゃんとあっていいね!
酸味が強いけど、甘さも同じくらい強い。しかし後味は酸っぱいのが残る。ソースにはレモンピールがたくさん混ざっていた。
次に、白いレアチーズムース。こちらは冷えているものの、それほど凍ったような食感はしない。このムースだけでもレモンの味がしっかりと感じられた。

最後に、ソースとムース、スポンジをまとめて味わう。レアチーズのクリーミーさが先行しており、後味は酸っぱくない。ソース単体・ムース単体ではレモンの味が強かったのに、一緒に食べるとクリーミーさが現れてくる。何とも不思議であった。

都知事選のメタファー。

おや?
いつの間にかなくなっちゃった!
さっきまであったじゃん!なんで!
どこに隠したの!返してよーっ!(理不尽)

そう、すぐになくなる勢いで美味しい。
レアチーズが酸っぱいレモンを食べやすくしているのだ。もっと味わいたい!もっと欲しい!と思ったらもう消えている。これこそが本当に美味しいという証明なのかもしれない。


◆かおる 紅茶モンブラン

紅茶の気品あふれる華やかな香りのモンブラン。
隠し味のオレンジピューレがアクセント。
※本商品に使用しているチーズは加熱処理済です。

コメダ珈琲店公式HPより

モンブランは、登場するたび私の期待に応えてくれる。
表面を覆うクリームが、この上なく美味しいのだ。私はモンブランのクリームを口にするたびに、開発担当者の賃上げを願うほどである。

今春のモンブラン・あまんぶらん。

ただ、今春のモンブランについては、クリームにそこまでの感動を覚えなかった。
担当が変わってしまったのか?一抹の不安は拭えないものの、この夏は私を満足させてくれると信じているぞ。

ウワーッ、クリームが崩れちゃってる〜!今回のガチャ運は悪かったみたいだ。崩れている箇所がなるべく見えないように撮影。

それにしても君、写真と色味が違うね?随分と加工したじゃないか。
写真ではギリギリ淡い栗色という感じだったが、実物の色はもっと白いというか、黄色いというか。なんか見覚えあるんだよなぁ、この色とこの形。
……そうだ。もののけ姫の乙事主の色に似てる。
そんな色をしたモンブランの束は、パイレーツオブカリビアンのタコ船長のおヒゲを彷彿とさせるのだ。あーあ、型崩れのせいでこんな汚い例えしか思いつかないじゃないか。

見た目にガッカリするのはこのくらいにして、実食に移ろう。紅茶の風味が薄い可能性も考慮して、邪魔しなさそうなアイスミルクコーヒーをお供にチョイスしたぞ。
まずは香り。特に紅茶が匂っては来ない。鼻がクリームにくっつきそうになるぐらい近づけないと、紅茶の香りはしない。
さて、気になるクリームのお味は……?

おぉっ、強い紅茶の味!
これは大当たりクリームだ〜!

外側からはほとんど匂いがなかったのに、口に入れた瞬間、むせ返るように強い紅茶の味が襲い来る。「かおる」と銘打つに恥じぬ風味である。

中には、白いチーズホイップクリームが。もったりとした食感で、レモンっぽい味がする。おそらくこれが隠し味のオレンジピューレなのだろう。
この適度な柑橘の酸味が、強い紅茶のクリームに爽やかさを与えていた。
その爽やかさが、夏のケーキらしさを演出しているのだ。

紅茶クリーム、ホイップクリーム、土台のスポンジ。
今度はこれらをまとめて食べてみる。
ホイップクリームの酸味とスポンジによって、強い紅茶の味がまろやかになっているではないか。おかげで、食べ進めても紅茶をクドく感じない。クリームとスポンジが合わさり、何とも絶妙なバランス感のある味わいになっていた。

私は基本的にスポンジが好きじゃない。あれはケーキを形作るために仕方なく存在しているのであって、本当ならクリームだけ摂取したいとすら思っている。
しかし、この紅茶モンブランでは、スポンジさえも愛おしく感じた。このスポンジは、クリームと一体になって、ケーキの味を作り上げている。ちゃんと役割を果たしているのが分かるから好きなのかもしれない。

役割つながりでもうひとつ気になったのが、上に添えられているクランチ。
あれには意義を見出せなかった。タルト生地をベチャベチャにして散らかしたように見えるし。
こんなに味を褒めているのに、見た目に関しては汚い例えしかできなくてごめん。


◆ふわる シャインマスカットシフォン

ソース、クリーム、スポンジすべてにシャインマスカットを使用したシフォンケーキ。
爽やかでフルーティーな果実の味わいをお楽しみください。
※本商品に果肉は含まれておりません。

コメダ珈琲店公式HPより

あーあ、薫るって言わなくなっちゃった。どこかのオタクがシフォンケーキから香りがしないって毎回書くからだよ。
コメダのシフォンケーキは毎回香りをアピールする紹介文なのだが、実際は尽く無味無臭に近い。表面のクリームは美味しいので、シフォンケーキのシフォン抜きでも構わないくらいだ。

しかし、ふわるという表現からは、香りをまだ諦めたくないという心意気も感じられる。同じぶどう系シフォンとしては、2022年夏に巨峰ふわりが発売されたことがあるのだが。

皆さんは虚無を味覚という形で感じたことがありますか?
私はあります。
このケーキ、驚くほど風味が微塵も感じられなかった。
こんなの巨峰ふわりと呼べない。巨峰ふわらないだ。
今回も「ふわる」が「ふわらない」になっていないといいけどなぁ。

微量のコーヒーの味にも負けるだろうと思って、あらかじめアイスミルクをお供にチョイス。こっちだってわずかな風味を感じ取ろうと工夫してるんです。
ケーキに鼻を近づけると、ちょっとだけシャインマスカットの匂いがする、ような気がする。

さあ、まずはクリームから。
おぉ、美味しい!甘くて芳醇な味!
複雑さや繊細さを感じられる、豊かな味わいだ〜!

そう、シフォンのクリームは毎回総じて優秀なのよ。

お次は表面のソース。
シャインマスカットの甘さを凝縮したような、強い甘味が広がる。酸味とまではいかないが、甘酸っぱさの一歩手前まで甘さを極めたような感じ。

そして、問題のシフォン。
……あぁー、安定の無味無臭。目隠ししてプレーンのシフォンケーキだよって食べさせられても多分信じる。
しかし、食べている間、たまーに、ちょっとだけ、果実の甘さが奥深くから感じられる。そう、ふわりとシャインマスカットの風味がするのだ。
おぉっ!?と思って再び口にすると、今度は無味。
何だったの?幻?

何はともあれ、巨峰よりは「ふわっていた」ということだ。
これはシフォンの成長と言っていいだろう。

さて、ソース、クリーム、シフォンを一緒に味わってみる。
おや?美味しいクリームの味がしない。
なんと、クリームの繊細な味が、強いソースによって完全にかき消されているのだ。せっかく芳醇な風味を纏ったクリームなのに、これはもったいない!

ここからは私の妄想になってしまうのですが。
たぶん、コメダもシフォン無味無臭問題の解決に取り組んでいると思うのだ。シフォンをカバーするために、ソースを強い味に設定し、美味しいクリームをつけているのだろう。実際それで味のバランスが取れていたシフォンもある。
でも、今回ばかりはソースの強さが裏目に出ている。
一度ソースを味わうと、ソースが強すぎてクリームの味が分からなくなってしまうのだ。クリームを継続して楽しむには、ドリンクでソースの甘さをリセットして、ソースが混ざらないように気をつけて削り取り、集中して味わう必要がある。そんな無茶なぁ。

季節のケーキは決して安くない。店舗によって価格は異なるが、私の行きつけ店舗では540円だ。

540円のうち、何割がシフォンに払われているんだろうね?そう考えると、私はシフォンにお金が行き渡るのが許せないよ。
コメダ、もうシフォンは諦めないか?
え?まだ育成を続ける?
まぁ、今回は少しだけ風味があったからね。次の成長に期待しよっか。


◆まとめ

最初はランキング形式で紹介するつもりだったけど、レモンチーズ紅茶モンブランが甲乙つけがたかったので諦めた。

美味しすぎてすぐ消える!「すずむ レモンチーズ」

レモンの酸味とレアチーズのクリーミー感が最高!
非の打ち所がない、素晴らしいケーキだった。
夏の定番ひんやりケーキとして、来年も登場してくれるといいな。


モンブランにハズレなし!「かおる 紅茶モンブラン」

紅茶クリームの味の感動、ケーキとしての一体感ある美味しさ。
お見それ致しました。
やっぱり季節のケーキはモンブラン、お前が一番だよ。
モンブランの担当者のボーナスが爆上がりしますように。


改名しよっか。「ふわる シャインマスカットシフォン」

「ふわらない」とまでは言わないよ。
たまにふわりと風味がしていたのは紛れもない事実だし、シフォンとしては大きな進歩であることに違いないからね。
でも「ふわる」を自称するのは許せないなぁ。
「たま〜にふわる シャインマスカットシフォン」に改名しよっか。
シフォン部分をディスりまくったけど、ソースとクリームは本当に美味しい。特にクリームの味わいが素晴らしかった。
あのソースとクリームを味わいたいので、少なくとももう一回は食べに行くだろう。


今回は、美味しさもさることながら「爽やかな、夏のひとやすみ。」というテーマにもしっかり添ったケーキが揃っていた。
冷たい食感とレモンの甘酸っぱさ。オレンジの適度な酸味。シャインマスカットの芳醇な味わい。三者三様の爽やかさが見事に表現されていた。

夏のケーキは3種しかないし、2022年と2023年の夏はそれほど刺さらなかったし、正直あまり夏には期待していなかった。
しかし、久々に胸が熱くなるラインナップ。
コメダ、感動をありがとう。

じゃ、私は2周目を食べに行きますので、これにて失礼。

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