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きな粉道10粒目

第1クラックと

香ばしい匂いは

きな粉としての最低条件


これまでの数回は、いかに香ばしさを出すかに注目してみたけど、浅煎りを作って甘さが引き出せるのかを試してみる。まずは冷蔵庫で冷やしたパターンを。そこからフライパンで2度煎りし、煎り具合の調整もする。冷凍庫で冷やすパターンもやろうと考えていたけど、どうせなら1週間くらいじっくり冷やそうと思ったので今回はやらない。

材料&道具

・乾燥大豆(50g)
・フライパン
・木ベラ
・器
・ブレンダー
・キッチンの電気
・冷蔵庫

材料&道具

オーブンの代わりに、冷蔵庫が加わった。

煎る前の大豆

濡らしたキッチンペーパーなどで拭いて、大豆についた汚れをとる。

フライパンへ投入

油はフライパンにひかず、弱火で乾煎りする。焦がさないことが重要なので、木ベラで大豆を動かし続ける。

3分経過

全く変化が起こらない。

5分経過

冷蔵庫で冷やしているのと、できる限りの弱火にしているから、やっと全体的にひび割れてきた。

8分経過

音も香りも全く変わらないけど、皮の表面に色がついてきた大豆がチラホラ。

10分経過

8分ごろの状態から変化なし。さすがに火を弱くしすぎちゃったかもしれない。

13分経過

皮は全体的に色づいてきた。けれど、第1クラックがはじまらない。心配ではあるけど、生焼けも怖いからもう少し続ける。

15分経過

相変わらず変化はない。うーん、どうしたものか。

18分経過

雲行きが怪しくなってきた。失敗したかも。

20分経過

これ以上やっても、変わらなさそうなので火から下ろすことにした。

煎り終わり直後の大豆
煎り終わった大豆

20分煎った大豆。第1クラックも香ばしい匂いもしないままやめたのは初めて。吉と出るか凶と出るか。

左 元の大豆 右 煎った大豆

大豆の味がして美味しいけれど、グニャッとしていて口の中に残る感じがやや不快。本来の甘さは特に出ておらず、半分生焼けの大豆になってしまった。

10回目 左 元の大豆 右 煎って剥いた大豆
9回目 左 元の大豆 右 煎って剥いた大豆

明らかに煎り具合が足りないのがわかる。火加減が弱すぎたな。

フライパンに投入

20分煎った大豆の半分をフライパンに入れて2度煎りしていく。量が少ないと火の通り方も変わるだろうからやや心配。

3分経過

全く大豆に変わりはない。

5分経過

5分経っても動きはない。

8分経過

フライパンが熱くなってきただけ。手が疲れてきた。

10分経過

粘ること10分。やっと香ばしい匂いが。

12分経過

香りが強くなってきたからここでお終い。

煎り終わり直後の大豆
煎り終わった大豆

お皿に移してから、余熱のおかげか第1クラックが少しだけ起こってきた。

左 元の大豆 右 煎った大豆

煎った大豆を触った時に熱く感じた。1度めの時はぬるかったから、やはり火が通ってなかったのだろう。グニャッと感はあるものの多少マシになった。香ばしさが少しついて、煎り大豆らしい味に近づいた。

10回目 左 元の大豆 右 煎って剥いた大豆(2度煎り)
10回目 左 元の大豆 右 煎って剥いた大豆(1度煎り)

火が通ったことがわかるような、良い感じの香ばしそうな色になってくれた。

まずは1度入りの大豆から削る。

削る前(上から)
削る前(横から)

熱が取れるまでしばらく置いて、大豆をブレンダーに入れる。

荒削り(上から)
荒削り(横から)

水分をまだ含んでいるからか飛んでいかない。

荒削2(上から)
荒削2(横から)

重さがあってブレンダーの刃に絡みにくいのか、なかなか削れない。

削り終わり(上から)
削り終わり(横から)

全然粉状にならなかったけど、いくらやっても削れないから諦めた。

10回目のきな粉(1度煎り)
9回目のきな粉

生の大豆のままなのかと思うほどに白すぎる。

煎り大豆の時に感じた生っぽい食感はそのまま残ってしまった。大豆の甘さはやはりなく、豆っぽい味がそのままするだけ。きな粉とはほど遠い出来上がりになった。浅煎りといえども、第1クラックと香ばしい匂いがしないと、ただの大豆の粉になってしまうようだ。

きなこ帖で香ばしさの星をつけるなら★☆☆☆☆
きな粉らしさはなく、大豆の粉に逆戻り。

次は、2度煎りした大豆を削っていく。

削る前(上から)
削る前(横から)

2度煎り後の大豆も、粗熱をとってからブレンダーに入れる。

荒削り(上から)
荒削り(横から)

水分が飛んでくれた証拠なのか、容器のなかで勢いよく飛び回る。

荒削り2(上から)
荒削り2(横から)

少しずつおとなしくなってきた。

削り終わり(上から)
削り終わり(横から)

こちらも大豆の欠片が残っているけどこの辺で終わり。

10回目のきな粉(2度煎り)
10回目のきな粉(1度煎り)
左 10回目のきな粉(1度煎り) 右 10回目のきな粉(2度煎り)

見た目には茶色っぽさが足されている。

フニャっとした食感は少なくなったものの、まだ残っている。気持ちばかりの香ばしさはついたけど、風味づけされたかなくらい。味には反映されていなくて、まだまだ大豆の味が残っている。甘くもなく香ばしくもなく、中途半端な味になってしまった。

きなこ帖で香ばしさの星をつけるなら★☆☆☆☆
風味ばかりの香ばしさなので星1つ。


反省点
・大豆が冷えたままだと火は通りにくい
・弱火にしすぎて、いつもとの比較ができなかった
・火加減の調節に失敗した
・浅煎りとはいえ第1クラックが起こり、香ばしい匂いがしないと半生大豆になる
・1度煎りの時点で最低限煎らないと2度煎りしてもきな粉らしさが出ないかも
・2度煎りで第2クラックが起こるくらいまでやれば結果は変わったかも
・2度煎りするからと、最低なことに1度煎りの時に手を抜いてしまった
・大豆のままフライパンで2度煎りは可能
・ちゃんと煎らないとブレンダーでうまく粉にできない
・冷凍庫で1週間は冷やして煎りたい


弱火にしすぎて大失敗した。20分でやめないで第1クラックが起こるまで粘っていれば結果は違ったかもしれない。どこかで2度煎りするからと、大豆と真剣に向き合っていなかった。最悪だ。今回はダメだったけど、冷やして火の通りを遅くする方法は、やりようによっては有効かもしれない。甘みを引き出すべく、もう少し浅煎りができる方法を探していきたい。

大豆のままなら、フライパンで2度煎りできることは分かった。粉にしてオーブンに入れるのは、自動的にやってくれるからラクだけど、逐一様子を見られないという弱点はある。フライパンはずっと面倒を見ないといけないが、色、匂い、音を感じながら調整できるから、大量に作りたい時などは有効かもしれない。煎り方はとにかく練習あるのみ。

次回は冷凍庫で冷やした大豆を煎ってみる。今回よりもさらに火の通りが悪いだろうけど、音がしっかりするまで諦めずに粘ろう。それで浅煎りの甘さが引き出せたら万々歳だもの。フライパンでの2度煎りも試してみる。もし1回で浅煎りと深煎りができたらいいな。

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