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節分だった。

三日坊主の三日目は来なかった。
日々徒然と。愚痴の溜まり場的な、文字の吹きだまり場所を作ろうと二月から始めたnoteもやはり毎日は続かなかった。
いや、ほんとうに。
毎日ブログを綴っている人は本当にえらい。
昨日……昨日はなんだ? 節分か? そう言えば節分だ。
いつものように残業し、スーパーにふらりと寄って、すぐに目に入った節分のPOP。意外に高い恵方巻が夜九時を過ぎても値引きもされずに強気に居座っている。
980円。海鮮巻き。
さも豪華で、中身のわりにはお得だと謳っているが、まあ高い。
回転寿司に行ったらもっと満足感を得られるくらいに食べられるんじゃなかろうかと思ってしまう。
手に取るのを躊躇い、先に進むと、ついつい目につく値引きシール。
納豆巻き、半額。
99円の半額。
お安い。これなら買ってもいいか、巻物だし、今年の節分気分はこれにしておこう。
そう考え、手を伸ばして……やめる。
家に賞味期限が昨日で切れた納豆がある。冷凍しておいたごはんもある。納豆ごはんで良くないか? 納豆ごはんでいいな。納豆ごはんにしよう。
結果、スーパーでは何も買わず、帰宅して納豆ごはんを食べるつもりが、ごはんを解凍する気にもなれず、スナック菓子と缶チューハイで夕飯を終えたのでした。
どうしてこうなった。
季節の行事を大切にする家庭で大事に育てられたと言うのに、なんとも情けない。
いつもの通り、帰宅直後にシャワーを浴びて、惰性で缶チューハイを片手に壁によりかかりながらパソコンを立ち上げ、テレビをつける。スナック菓子をパリパリ言わせながら、画面の中で、精一杯、日々の暮らしを盛り上げようとしている人々を見て、ただただえらいなぁと思う。
一人だと、横着してしまう。
一人ゆえに、横着が許されてしまう。
それが気楽で良いところでもあるのだけれど、四季の行事が何かあるたびに、遠い記憶、家族団欒のあたたかさが思い起こされ、妙な郷愁を誘う。
実家に帰ってみようかな。
考え、改める。
やめよ。このコロナ禍で万が一があったら家族に迷惑がかかる。家族に何かあったら私は一生、後悔しながら生きなければならない。
実際に病気になったら云々だけじゃなく、風評被害まで考慮しなくてはならない。家族のご近所付き合いに影響が出てもいけないし。
くそ、コロナめ。
毒づいて、缶チューハイを口に運ぶ。
そんなこんなで、三日坊主の三日目にもならなかった夜は過ぎた。

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