見出し画像

大石家という不思議なラーメン店。

 こんにちは。相変わらずラーメンは食べている金の字です。
皆さまは大石家というお店をご存じでしょうか。
今回は大石家について、ワタクシ金の字がわかる範囲で掘り下げていこうと思います。


大石家の始まり

 大石家とは、岐阜県多治見市に本店を持ち(なぜか)岐阜県内では可児市に1店舗、長野県内には8店舗あるラーメン屋さんです。(9店舗説アリ。伊那入船で週末のみ営業?) 昭和38年に創業し、長野県内には昭和の終わりごろからのれん分けの形で現れました。

 ワタクシが初めて大石家に触れたのは今から40年近く前でしょうか。大石家の箕輪店が今の場所ではなく、現在理髪店になっている信号の交差点にあった時代。まだまだ長野県のラーメンといえばラーメン大学やどさん子が全盛期でした。そんな中で現れた醤油味、チャーシューたっぷりのラーメン。スープがこぼれんばかりに張られていて、それもなんだかワクワクして、食べられるときは本当に幸せな気分でした。

大石家の特徴

大石家伊那店の中華そば。

大石家のお店のラーメン

 大石家のラーメンは
・分厚く、しっかりとしたチャーシュー3枚(店舗による質の差がかなりある) 
・丼のふちまでぎりぎりに張られたスープ
・太くて四角い独特のメンマ
・ここでしか見ないかまぼこ3枚
・たくさんの長ネギ
味玉などは存在していません。店のメニューは中華そば、チャーシュー麺、メンマ麺各大盛りとライス。実に潔い昔ながらのスタイル。
それでも昼時はひっきりなしにお客さんが入ってきます。
醤油であっさりとしていながらも、何とも言えない奥行きのある、深くて懐かしいという味。竹岡式とも言われる、チャーシューダレをお湯で割ったスープ。でもその味わいはとてもお湯で割っただけどは思えないコクと奥行きがあるのです。

大石家のお持ち帰り

 大石家には、持ち帰りのセットが全店にあります。
醤油ダレと粉末スープと油、麺とチャーシュー。忘れちゃならんかまぼこ、ねぎ、メンマ。要はお店の具材は全部入っているのです。だいたい2人前からチャーシューの切れ端サービスのところもあるかと。
(これは最近有料になってるみたい)
 これを作り方通りに作るとお店の味だよと言われていますが、
”なぜか”完全にはお店の味にならないのです。もちろん、再現度は90%以上、食べてもしっかり美味いんだけど、なんかお店と違う… 
何かがもの足りないのです。なぜ?

大石家の派生店・あきん亭

 大石家から派生した(というか元は大石家瑞浪店だったそう)
あきん亭という、岐阜県内で3店舗ほど展開しているお店があります。
こちらも通販では大石家と同じような構成で販売されています。
 ただ、こちらの通販麵は濃縮スープが付属しているのです。
実はここの点がかなり気になって、店舗も食べてみたいと思って
あきん亭恵那店に伺ってきました。

あきん亭恵那店のあきんめん。

 こちらあきん亭恵那店は、厨房の中が見やすいのでじっくり観察することができました。大石家ではお湯で丼を温めるのですが、こちらでも行なわれています。この後からは少し違っていて、あきん亭では別の釜から出汁らしき?ものを丼に注ぐのです。なぜ出汁らしき?と思ったか?ザルを使って固形物を取っているからです。この動き以外は大石家と変わりなさそう。
 チャーシューの枚数は4枚で嬉しいけど、ネギの量がちょっと寂しくて、あと麺が大石家のそれとはかなり異なる。いいか悪いかはあえてここでは触れません。

大石家の不思議

 さて、ここまで書いてきた中で、大石家はお湯、あきん亭は出汁?じゃぁ大石家の方が単調じゃね?という疑問が出てきても不思議じゃないのでは?

大石家の味の疑問

 ところが、大石家の食べログやブログなどの味の評価を見ていると、
「鶏ガラのうまみ」「ガラのコク」みたいなワードが多数みられるのです。
ちなみに私自身は鶏ガラも感じず、ガラっぽい旨味はないと感じます。
それであってもあまりにこの手の意見が多い。ということは、実際に何らかの旨味ブーストがされていると考えるのが自然、という結論となります。
 わかりやすいところでは、うま味調味料の添加でしょう。これはたぶん、あるでしょう。割るお湯の中に溶かしている?これはちょっと非現実的かも。途中結構な頻度で釜に湯をを足しているので、毎回調整するのか?
 ただ、昔の箕輪店は上澄みスープがちょっと薄くて・・・ということはあった記憶が。つまり、リアル竹岡式だった、という可能性。
 しかし、ここ最近食べている伊那・下諏訪ではそんなことがない。伊那はぎりぎりまでスープ量をスレスレにしてるのにどこのスープも全体がうまい。

大石家の謎を解いてみた?

 そこから導き出した、金の字なりの解答。
『チャーシューを炊いた時の茹で汁を使っている説』
ちなみに、様々な人からお湯だけという意見もあり、
またお湯にスパイスを足してある、というお話も伺っています。

 店舗オペレーションとしてガラを炊くというのは(大石家の構造的に)非現実であり、さらなるコストがかかることとなるので、ガラスープ説は否定。
おそらく、現状でも単純な原価は決して安いほうではないと思います。
 そうした背景も踏まえ、あるものを無駄なくすべてを使うという仮定を持ち込めば、チャーシュー茹で汁説が増強されるんじゃないかと。
スパイスは何かのホール(例えば黒胡椒の粒)とか追加していてもおかしくはないし。
(もちろん素人の妄想ですので、真実であるかどうかはわかりません)

さいごに

 お持ち帰りセットがあるのにここまで最後の1ピースが埋まらない、
そんな大石家の謎を解くことは面白すぎませんか?
長野県内の未訪店である飯田・塩尻・松本・長野・御代田もどうやら表情に違いがありそう。とある人曰く、塩尻がベスト、らしい…

 ということで、大石家の自分なりの到達点を見つけませんか?そして一緒に大石家の沼にハマりましょう(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?