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困っている子に話しかけたら。


僕は散歩を終え、家に帰っていた。
すると、交差点でオロオロと財布を片手に困っている少年がいた。

「どうしたの?大丈夫?」
と声をかけると、
「お母さんにプレゼントを買いたいんだけど、近くのお花屋さんがやってなくて。。」

「あら、そうだったの。それは困ったね」
「近くでプレゼント買えそうなところ知りませんか?」

近くはコンビニしかない。
車を出せばショッピングモールまでいける。
しかし、初対面の子を乗せるわけにもいかず、どうしようか迷っていた。

すると「僕のお家近くなので、自転車ならありますよ」と教えてくれた。
「よし、自転車で駅まで行こう。そこならお店たくさんあるから!お兄さん、暇だから付き合うよ」

ということで、初対面の少年と買い出しが始まった。

話を聞くと、小学2年生でサッカーをしているとのこと。
「お兄さんもサッカーのコーチしてるんだよ」
「そうなんですね!」
「三苫薫の知り合いなんだよ」
「本当ですか!すご!」
と鉄板トークを織り交ぜながら仲良くなった。

「今年4月にお父さんの仕事の関係で、イギリスに移住することになったんです」
「へえ、イギリスに行くんだ!」
「寒いところだから、お母さんにお年玉でマフラー買ってあげたいんです」

少年の優しさで心が温かくなった。

一緒にロフトに行くも、少年の納得いくものが見つからず婦人服売り場へ。

「お母さんは赤が好きだがら、赤いバックを買ってあげたい」

すると、マネキンが身につけていた赤いバックを見つけ、無事プレゼントをゲットしハイタッチする2人(初対面

包装してくれている際、店員さんが尋ねる。
「僕、お兄ちゃんと買い物来たの?」
「いえ、さっき初めて会いました!」
「え!?」
「あ、さっき帰り道で困っていたので、そのまま付き添ってるんです汗」
「へえ、そんなことあるんですねえ」

こうして通報されるのを回避し、無事帰路に着いた。

「お兄ちゃんありがとうね!」

「全然いいよ!今度一緒にサッカーしような」

「うん!」

「これ、お兄ちゃんにあげる。お礼だよ」

お年玉の千円を差し出す少年。

「気持ちは嬉しいよ。ありがとう。でもそれで好きなポケモンカード買いな!」

「いや、大丈夫。お兄ちゃんにお礼受け取って欲しいの」
「今日はありがとう」

なんてできた子なんだ。。

気持ちを無視するのも申し訳ないと思い
「ありがとう、大事に使うね」と受け取る僕。

帰り道、その子の母親が喜ぶ顔を想像して、笑みが溢れた。

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