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戦闘思考力をプレゼンする【岡田斗司夫の興味深い話】

戦闘思考力というキラーワード

ある出版社からさ
企画書が来て、こんな単行本
岡田さん書いてくれませんか
っていうやつなんだけど
戦闘思考力養成講座
っていうのが来たんだ
それはツイッターで何度か
岡田さんが言及されている
戦闘思考力というキーワードは
すごくグっとくるフレーズだと思います
戦闘思考力の低い私のようなものは
戦闘思考力を高めたいという
衝動に駆られます
思考力で悩みを上回りたいという欲求が
多くの人にあると思います
以前ツイッターで書かれていた
思考の高速化という要素も
盛り込めるかと思います
岡田さんならば
本当に使える思考力の本が出せると
確信してます
っていう風に書いてあって

戦闘思考力っていうのは
何かっていうとさ
俺ハンターハンターで
ビスケがゴンとキルアの戦ってるのを見て
呟いてた言葉なんだけども
闘いながら考える能力のことなんだ
つまり例えば
話してる俺
今話してるのって
一応紙の準備してるんだけどさ
概略のメモだけなんだ
さっきから来てるポストイットの質問
皆の質問あるじゃん
あとこのコメントに関しても
ほとんど見た瞬間に答えてる
こういう見た瞬間に考えて
答えていることを
俺は仮に戦闘思考力っていう風に呼んでんだ
別に戦闘してるわけでも
何でもないんだけどさ
こういうのを含む思考の高速化は
どういう風にできるのかっていうやつで
一応考えてみたんだ
本の依頼があったんだけども
本の依頼っていうので
本書くだけじゃつまんないじゃん
それだったら俺
多分こんな本書くよっていうプレゼンを
ここでやっちゃおうかなと思って
ちょっと皆
そのプレゼン聞いてくれる

思考の高速化の3つの方法

思考の高速道路
スマートハイウェイって
俺仮に呼んでるんだけどさ
その事について考えてみたい
思考、考えを高速化する
っていうのはどういうことか
コツがあるんだ幾つか
例えば
訓練方法として
秒単位の締め切りを設ける
何か考える時に
ゆっくり考えるんじゃなくて
あえて3秒以内に考えるとか
5秒以内に考える
いわゆるクイズ番組のノリだよね
5、4、3でもいいし
なんか信号が変わるまでに
とりあえずの結論を出す
っていう風に考える
この秒単位で答えを出す
っていうのを時々やってると
瞬発力がすごい上がるんだ
思考の瞬発力
思考っていうのはさ
なんか脳の中でエネルギー使うしさ
さっき俺チョコレート食べたんだけれども
ブドウ糖を大量に消費するんだ
だからいつもいつもできる訳じゃない
考えっていうのはさ
俺らモノを考える時っていうのは
いつも考えちゃう人がいるじゃん
俺もそうなんだけどさ
ずっとモノを考えてると
人間の筋肉って
そこしか鍛えられないんだよね
そうじゃなくて瞬発力で
3秒以内に答え出すとか
5秒以内に答え出す
っていうのの連続が
すごく頭の訓練になるんだ
こういう秒単位で締め切りを
設けるってのが一つ目

フランス法

二つ目
とりあえず法
フランス法と俺言ってんだけど
前回言ったよね
それには理由が三つあるって言って
一つ目を言いながら
二つ目考えて
二つ目言いながら
三つ目考えるというやつだ
つまりとりあえず
三つって言ってから
三つ理由を考えるという方法
これもね思考力が鍛えられる
何でかっていうと
人間ってね
100%完璧な回答なんか出せないんだよ
とりあえずの解答を出すしかない
なので三つあるって言って
一つ目言って
二つ目言ったら
残り全ては
三つ目に集約するしかないんだよ
なのでここで整理能力が付く
ということは
その時に言ってることは
割とデタラメに近くても
完成度が低くても
脳は鍛えられるわけだ
戦闘思考力とか高速思考力っていうのは
こうやって鍛える
自分が作り出したものに拘らず
自分の脳の訓練になってるかどうか
というのを考える

デッサン法

あとねデッサン法
っていうのがある
これは俺がよく使うんだけども
今これずっと喋りっ放しじゃない?
この喋りっ放しだから
モノを考えてられるんだ
どういう事かと言うとだな
頭が良い人でも
無口な人っていうのがいるんだ
こういう人はなかなか思考力というのを
鍛えるチャンスがない
何でかっていうと
人間は発言して初めて
自分の言いたい事が分かるという
フランスの現代哲学みたいな話に
なっちゃうんだけど
考えてることって
言葉にしないと
相手に伝わらないじゃん
という事は
言葉にした瞬間に
この言葉じゃなかったとか
言葉にした後で
俺が言いたい事はこういう事だったんだと
後で発見することが多いので

  • デリダ(コメント)

デリダね、ありがとう
みんな賢いなー
俺フランスの思想家って言ってたけど
デリダとか正解が出てるから
助かるよーサンキュー

正確に思考して
正確に表現しようっていうのは
漫画でいう
主線っていうんだけどさ
ちゃんとした線だよね
綺麗な輪郭線を
シューっと最初から引くというのに
すごい近い考えで
これはね
しんどいねん
面倒くさいし
それよりはデッサン取るみたいに
似たような近似の線だよね
大体こうじゃないのって線を
ザーっと引いていって
その結果
自分が書きたい線を
見つけるという方法がある
その方が精度が上がるよ
一番最初からキューっと
正しい事を言おうとしたり
何かブログとかに書く時でも
一番最初から間違いなく
誰にも反論されずに
誤解されない文章っていうのを
バチっと書こうとしたら
まあ書けない
それよりは何か書いてみて
徐々に徐々に言いたい事に近づける
一番良いのは対話で
言ってみて、違って
相手が分かんない顔したら
また言い替える

そうなんだよ
正確に自分の言いたい事を言っても
相手が受け取りたいように
受け取ってくれないんだ
つまり
コミュニケーションっていうのは所詮さ
自分と相手の間に出来た関係
にしか過ぎないから
自分が言いたい事、言うべき事を
言えば終わりじゃなくて
相手に通じなきゃ駄目なんだ
ということは
発言したら
その後
常に微調整していかなきゃ駄目なんだ
この微調整を一杯することを
俺はデッサンって言ってんだ
だから自分の言いたい事の
線をいっぱい引いて
向こうがその中の線を読んでくれて
自分が言いたいことと
相手が聞き取ったことが
ほぼ似通ってたらオッケー
って考え方
これがデッサン法な

思考のギアを変えるという意識

最後の
ギアっていう考え方が
思考の高速道路スマートハイウェイの
多分根本の考え方になるんだ
今まで言ったのは全て
考えを早める方法なんだけれども
ギアは逆
ギアダウンとかギアアップ
って考え方なんだ
今自分が考えているモノの考えてる速度
多分、今僕は
高速モードで考えてる
普段よりはやや速い速度で考えてるから
まあ大体これぐらいバーっと喋れる訳だよな
皆これ見てる最中に
俺の高速モードに段々付き合ってるから
徐々に徐々に速くなってるはずなんだ
なので
この番組見終わった後
多分皆ちょっと興奮して
頭が回りすぎてる感じだ
それは俺も同じで
だから俺なんか寝れなくてだな
これどうやったらいいんだろうなとか
いつも思っちゃうんだけど
高速モードになってると

ということは
普段は中速モードなんだ
普段中速モードで
高速モードに上げれるということは
低速モードっていうのもあるはずだ
低速モードっていうのは
何かって言うと
トルクが強い
つまりパワーがあるんだけども
回転数が低い状態
思考には回転数が早いんだけども
トルクが弱い
パワーが弱い
つまり
良い思いつきなんだけども
正当性が高いかどうかわかんない
もしくは
よくよく検証してみると
変な考えだったっていう様な
思考もあれば
回転数は遅い
ゆっくりとしか生み出されないんだけども
洞察に富んでいて
もしくは
相手の気持ちがよく分かってって
そういう考え方もある
この低速ギアをあえて使うクセを作る
思考の高速化は
高速訓練ばっかりしちゃ駄目なんだ
そういう瞬発力筋肉ばっかり
やってると駄目になっちゃう
持久力も鍛えなきゃ駄目なんだ

意外と難しくて、大事な低速ギア

低速ギアの作り方は
基本は対話なんだわ
誰か相手と話す
僕ら中途半端に頭良いもんだからさ
相手が言ってることって
話してる最中でもう理解しちゃって
何と答えるか
そろそろ考え始めるじゃない
酷い人なんか
何か喋ってたらさ
相手の言葉が終わらない内に

  • あなたの言いたい事はこういうことですね

  • ということはこうじゃないですかとか

  • じゃあそれにはこうしたらいいんじゃないですかって

被せて被せて話すと
こういう人たちを
僕たちは頭が良いって
ついつい思い込んじゃう
長年そういう風に思い込んでる
そういう人と俺
対談することもあるんだけどさ
あんまり安心しないんだよね
というかなんかね
自分が言ってることが情報扱いされている

  • あなたが言ってる内容は要するにこうですね

「要するになんて言うなー」
って言いたいわけだよね
「俺の人生を要するになんていう
何か変な言い方で言うなー」
と思うんだけども
これをギアをダウンする
何かって言うと
まず相手が言ってる時に
何を言わんとしてるのかっていうのを
先読みをあえてしない
相手が言ってることを聞いて
こっからがポイントな
言い終わった瞬間に
「分かるなー」
って言ってみるんだ
これを全て相手の言うことで
やっちゃったら変なんだけども
できるだけ何かを相手が言う毎に
「分かるなー」
って本当に口に出して言うんだ
その瞬間モノを考えなくて良い
さて
そこからフランス人と同じ
とりあえず法だ
「分かるなー」
って言ったからには
分かることを探さなきゃいけないんだ
なので相手が言ったことの中で
分かる部分とか
自分も似たような経験している部分とかを
取り敢えず話し出してしまう
会話のスピードは恐ろしく下がるよ
会話やり取りなんだからさ

  • 私はこう思うんだ

  • でも俺はこういう風に思う

  • じゃあこういう風な場合どうするんだ

  • じゃあこう

これだったら会話が
どんどん進むんだけど
相手が何か言うたびに
「分かるなー」とか
「良いこと言ったねー」とか
「うーん」
って言ってから
自分の経験とかを話し出すと
物凄い会話の速度落ちちゃうんだよ
その代わり相手の言ってる
なんで言ってるかの気持ちとかが
やたら分かるようになる
これが
スピードは低いけど
トルクが強い
パワーが強い考え方
この思考の速度を上げるギアトップと
思考の速度を下げる
速度を下げてパワーを出すギアダウン
このギアを持つことで
低速中速高速って
三つの思考ギアができる
こうやれば思考の高速化っていうのは
そんな難しくない
高速化自体は
さっきの訓練みたいなものでできる

  • 女を口説くときじゃない?(コメント)

確かにそうだよね
女の子と話する時には

もう向こうで
美人の女性スタッフが
腕組ながらニヤニヤしてるんだけれども
やだなぁ

女性との会話にも最適な低速ギア

何か言われた時に
俺たちついつい
女の子から相談を受けたときにさ
役に立とうとしちゃって
アドバイスとかしちゃうじゃん?
助言とかしちゃうじゃん?
それどころか
説教までしちゃうじゃん?
あれをもうグッと我慢して
何か言われたら
「わかるなー」
って言って
自分の出来るだけ個人的な経験で
どうでも良いような話してみな
そしたらなんかね
向こうは話聞いてくれた
と思って喜んでくれて
何かまた言うから
何かまた言った時にその時も
「そうかー」とか
「そんなこと考えた事もなかった」
って言ってから
また自分の似たような経験を話す
自分の考えたことを話しちゃ駄目なんだ
考えたことは
思考をまた高速化させてしまって
ギアをトップに入れちゃうから
そうじゃなくて
自分の経験を掘り出して
似たような経験のことを
無理矢理、押し出して話す
これがトルクが強いんだけども
思考力が低い話し方
分かるな?

複数のギアを使い分ける

思考力を上げる方法
スピードを上げる方法は
スピードを上げるだけじゃなくて
下げた状態を保てるってことなんだ
太極拳の訓練って
かなりゆっくりとした動きするじゃない?
かなりゆっくりとした動きっていうのが
力強くできてれば
流れるような早い動きもできる
でついつい僕たちは
ロジカルシンキングとか
思考スピードとか
後は速読だよな
ああいうものって全てスピードが前提だ
という風に考えちゃう
でもそれはあんまり
頭の良いやり方ではない
頭の良い俺が思うやり方っていうのは
ギアの複数を
自分が持っていることを分かっていて
どのギアも使いこなせること
こういう現場では
思考の高速ギアをする
でもコメントとかで
気持ちが分かるコメントが出たら
ぎゅっとギアを下げて

  • (頭の良い俺発言に対し)自分で言いやがった(コメント)

自分で言いやがったんだよ俺
こういうことを言うからさ
俺自分のなんか頭が良いみたいなことを
ペラペラペラペラ説明するからさ
なんか結構しょっちゅう
失敗するんだけどね

みたいな
今の瞬間
俺ギアをぎゅーっと落としてたんだ
こういう風な考え方をすると
自分の中に緩急っていうのができる
メリハリっていうのができるのかな
頭の中に
そうするといいよ


この文字起こしについて、
個人的に興味深いと感じた岡田斗司夫さんの動画を切り抜いて
文章化しております。
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