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ハリウッド版ゴジラに見る、ゴジラって実は【岡田斗司夫の興味深い話】

予告編は格好良かったハリウッド版ゴジラ

(ハリウッド版)ゴジラね
大ヒットしたことになってんだけど
あれ本当にヒットしてんの?
よく分かんないんだけどさ
アメリカではヒットしてたのって
第一週だけでしょう
第二週になったら
もう猿の惑星に追い抜かれたはずなんだよね
海外に関しては一回だけ一位になって
すぐに落ちたはずなんだけど
日本ではなんか大ヒットしたってことになってる
僕自身はゴジラは
アベンジャーズよりは
ちょっとダメだったかなに近いのかな
なんか物凄い期待したんだよ
超期待したから
パシフィックリム現象って言ってんだけども
去年パシフィックリムが来る時に
もうパシフィックリムを見るまで死ねない
ってぐらい期待してて
終わったらなんか
こんなもんだったかで
一番最初ジプシーデンジャーが
雨の中出撃してくるシーンとか
台湾か香港の海上決戦シーンは
格好よかったのになーって
何かそんな印象だったんだ
今回のゴジラも
ハワイに行くまでが物凄く面白くて
そこから先なんかだんだん下がってくるし
大体一番かっこいいシーンって予告編で見るし
予告編で想像してたぐらい凄くないし
っていうかな
例えば脚から煙出しながらさ
色んな人がわぁーっと
あ、違う
空挺団がパラシュートでどんどん飛び降りるじゃん
あの後どうなるのかなと思ったら
別に皆、地上降りるだけなんだよな
だから予告編が一番格好良いんだよ
そこが困った

日本版第一作目のゴジラ

で、お話自体はね
面白いっちゃ面白いんだ
っていうのは
ゴジラはまあ第一作の
日本のゴジラなんだけど
日本の第一作のゴジラって
あれは四谷怪談とか耳なし芳一
に近い話なんだよ
実は怪談なんだよ
ゴジラの根本っていうのは
怪獣映画って
怪獣が
ゴジラの逆襲以降
他の怪獣が出てきて対戦になってからが
怪獣映画ってフォーマットがやっとできたんだけども
そうじゃなくて
第一作のゴジラだけ怪談なんだ
怖い話なんだ
どんな怖い話かっていうと
第二次大戦の時の死んだ人の亡霊みたいなものが
日本に上がってきて
第二次大戦の過去のことを忘れた日本人を
反映してる場所
東京をバンバンバンと踏み抜いて
皇居にまで行って
天皇陛下が住んでるところをじっと見て
もう1回海に帰ってしまうという
考えようによっては
とてつもなく怖い話なんだ
一番最初の恐竜型のデザインっていうのを
デザインし直して、し直して
どんどんどんどんケロイドとか
ケロイドって何かって言ったら
放射能による火脹れ
まあ一応ケロイドってのは
皮膚の炎症みたいなもんなんだけども
放射能でできる当時のケロイドの写真
というのがあったんだ
そういうのを参考にして
恐竜型だったものを
ワニみたいなものだったのを
全身をケロイドにして
そういう放射能で火脹れになった
死体みたいな人間が
上がってくるんだよ
なんであらゆるミサイルとか科学兵器が通じないかって
あれ幽霊だからなんだよな
だって四谷怪談とかでさ
お岩さんが出てきたりして
皆で弓とか矢で射ったら死ぬはずないでしょ?
刀で切っても死ぬはずないんだよ
ゴジラや怪獣があのミサイルや大砲で死なないのは
スーパーパワーだからじゃない
だからスーパーロボットものと
間違えては絶対にいけない
何でやられないかって
あれは亡霊だからなんだよ
怪奇現象なんだ
リングとかさ呪怨とかに出てくるさ
貞子とか、ああいうのあるじゃん
ああいうのは別に
女の子だからとか
男の子のサイズだから弱い
って考えないでしょ?
あれは怪奇現象だから怖い
だからゴジラとか怪獣も
怪奇現象なんだよな
そう考えると
第一作のゴジラって凄く分かりやすい
海から帰ってきた
第二次大戦の時の祀られなかった人達だよね
ちゃんと祀られなかった人達が
祟りをなして
よりによって
原爆被害を受けた日本にだけ上がってきて
東京都という繁栄の街を破壊して
もう1回海に帰ると
じゃあどうやってそれを祀るのかって言ったら
そしたらオキシジェンデストロイヤーっていう
超兵器を作ってた芹沢博士っていう人が
戦争で死ななかった人
死ねなかった人だよね
死ねなかった人が
自分の青春を、命を、全てかけたものと
自分の命を犠牲にして
祀らなければいけなかった
っていう祟りと祀りの話なんだよな
ゴジラっていうか
怪獣映画の根本は
この祟りと祀りの話っていうのが
第一作でいわゆるその
盤上でド真ん中の天元にパーンって
石打ったみたいに効いてる
だから
全ての日本映画の怪獣ものっていうのは
ああいうでっかいモンスターが街の中で暴れても
そんなに違和感がないんだけど
それは一番最初のゴジラが
中心の天元にパーンって石置いてるからなんだ

唯一の面白かった所

さて今回のゴジラは
そういう天元の石とか無い訳だよ
じゃあダメなのかっていうと
そうじゃなくて俺
今回のゴジラで唯一面白かったのが
最後ゴジラが怪獣と戦って寝たんだよな
グースカピースカって
疲れたぁーと言って、寝て
最後どうするのかっていったら
がばぁーって起きたんだよ
そしたら
負けたと思ったゴジラ
死んだと思ったゴジラが
起きた瞬間に
アメリカ中のテレビ見てる人達が
おぉーってやってんだよな
もうね、分かりやす過ぎるアメリカ人
でかいのは偉いとか
強いのは偉いとか
マイクタイソンはボクシング強いから
偉いに違いないという
強さとかデカさに対する
無根拠な信仰とか出てきて
あれがあるから彼奴ら
スクールカーストある訳でしょ?
なんかフットボール部のキャプテンだから
偉いに違いないとかさ
アメフトの体デカい奴だから
言ってること間違いない
とか思って
だからそいつら卒業した後は
カーディーラーとかさ
そういうしょうもない仕事しかなくて
どんどん崩れていくんだけども(笑)
何かね
デカくて強い奴は強いみたいな信仰を
まともに出したんだよな
まともに出した結果
ゴジラ最後、海帰る時にさ
日本のゴジラが海帰る時って
立ったままざぁーっと
いわゆるオバケの帰り方する訳だよね
でもアメリカのゴジラって
腹からドッポーンって入ってて(笑)
もう本当にね、親父がね
サウナ風呂に入る入り方でドッポーンって入ってて

ハリウッド版ゴジラのテーマ

分かった!
今回のゴジラのテーマは親父なんだと
でっかい親父が復活したと
アメリカにはもうデカい親父がいなかった
デカいアメ車もなければ
何か合理的な
レクサスとかそういう車ばっかりで
アメリカの今を牽引してる企業って全部さ
シリコンバレーとかそこら辺の若者が
facebookとかgoogleとか
訳の分からない小細工みたいな物ばっかりで
のし上ってると
どこに行ったんだ!
アメリカの親父はって言ったら
(ゴジラが)日本からやってきました!みたいな(笑)
ビッグダディ来ましたよ
アメリカに仇なす原子力怪獣を
ボッコンボッコン殴って
最後は口からなんか火みたいなの吹いて
疲れたーって寝るんだけども
アメリカ人が好きな
負けたかと思ったら立ち上がるとかさ
やられたと思ったら
もう一回アメリカ国旗を立ち上げるとか
よくあのゴジラが
アメリカ国旗持って立ち上がらなかったな
っていうぐらい分かりやすい復活の仕方して
そして最後はドッポーン
またアメリカがピンチになったら来るよー
ザーって帰っちゃうっていう(笑)
そういうさぁ
親父つまり強いアメリカ復活
本当にビッグダディものだよね
という風にやったんだ

日本人だから共感できない

だから
何を祀らなければいけなかったのかというと
日本は
第二次大戦の決算とか戦後繁栄っていう風なものは
あの時に死んだ者
当時のゴジラが公開された時はまだ
生き残ってしまった
って言葉があったぐらいなんだよ
第二次大戦で
本来死ぬべきだったかもしれないんだけど
生き残ってしまった
みたいな言い方があったんだけども
それが帰ってきて
日本人に
お前らの繁栄それでいいのか?
っていう風に死んだ目で見下ろすと
そこら辺が第一作のゴジラの
凄い怖いところであり面白いとこなんだよ
で、今回のアメリカ版は
アメリカ人よ
そんな自信なくていいのか?
っていう風に言って
ビッグダディが平泳ぎで帰っていく
っていうすげえ話なんだよな
だから徹底的に
ハリウッドアメリカ映画で面白いんだけども
俺日本人だから共感できねえわ
退屈な怪獣映画作りやがってー
って思ってたの


この文字起こしについて、
個人的に興味深いと感じた岡田斗司夫さんの動画を切り抜いて
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