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美しい日々

もうすぐ4月が終わる。
あきらめなくちゃいけないことばかりだったのに、季節はいつも以上に私を急かしてカレンダーをめくらせる。

5月の空が鼻先で薫り、6月の雲がカレンダーの2枚先で湿る。
7月は押し入れで眠っている七夕飾り。
8月はもう取り戻せない貝殻で、9月には植木鉢を一つ買うだろう。

私はカレンダーの前に立ち止まり、今日という枠の中に丸を書き込む。
期待も不安もなく、ただ美しいだけの丸を。

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