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たくあんはどうやってできるのか?

私たちの作っている、たくあん漬け。

原料となる天日干し大根と生大根は毎年6月頃に契約生産者さんとどのくらいの量を栽培してもらうかの契約をします。

8月下旬から種まきが行われ、

塩押し大根:11月上旬から12月末まで
天日干し大根:11月下旬から2月上旬まで

に入荷して、その後はそれぞれの方法で漬け込みが行われます。

私の会社では、大根が1番美味しい時期である秋冬作の大根のみを使用します。

つまり、上記以外の時期には入荷しないため、秋冬に摂れた大根を一年かけて製造していくこととなります。

私のところでは最低2〜3ヶ月以上ぬか漬けして熟成発酵がある程度進んでからになりますので毎年、2月か3月頃から新ものの製造が始まります。(一部除外品あり)

それはなぜかというと、漬け込んで間もない間はまだ大根そのものがまだ熟成発酵が進んでおらず、ぬかに馴染んでないため、たくあんというより大根そのもの味が強く感じてしまうからです。

漬け込み期間が長くなればなるほどに、熟成発酵が進み、味もまろやかで旨味がどんどん増していきます。そのためにはまず、2〜3ヶ月の熟成発酵が必要だと私達は考えています。

各メーカーさんによってここをどう考えるかで、漬け込みの方法もそれぞれです。また機会があればその漬け込み方法の違いも書きたいと思います。


ちなみに、私の工場では、長いものではぬか漬けして3年間以上漬け込んだ原料もあり、そちらは3年ものシリーズとして商品化されて、製造販売しています。



こうしてぬか漬けされ、熟成発酵が進んでから、原料を必要に応じて地下タンクから取り出され、製造工場に持ち込まれます。




そのまま製品になるものや、塩度調整や調味漬けを行ってから製品になるものなど、さまざまです。
それぞれ、商品ごとのマニュアルに沿って概ね1週間以内に製品となります。

つまり、数ヶ月以上の熟成発酵期間を経たのちに、1週間以内に大きさや味を整えて商品化しています。


創業者である私の祖父 木村保雄は、

「美味しいたくあん漬けを作るためには、美味しいぬか漬けたくあんをつくること」


と言っていたそうです。いかに漬け込みが大切で大事なのか、今もその言葉を大切に漬け込み作業を行っています。そのため、私も11月から2月までの間は漬け込み作業の毎日です。


現在では自社商品、OEM商品など合わせると100種類以上の製品がありますが、その全て(一部商品は除く)は自社で漬け込んだ原料を使用しています。

実はぬか漬けして熟成発酵した原料を気に入っていただいて、整形したのちに、そのまま同業者へ卸しも行っています。10年以上もの間ずっと使ってもらっていますが、出来るだけ熟成期間の長い、黄色く自然に発色した原料を送ってください、です。


いよいよ今年も新物の製造が始まりました。今年は天候も良く、大根の出来も良いので、楽しみです。

美味しいぬか漬けたくあんができていますように!

では、また明日。


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