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紙の値上げで出版のコストが上がる

紙の本を作るコストが上がってきています。紙の値段が上がっているためです。

紙の値上げはとくに2022年以降、進んできました。

大手製紙メーカーが2022年に一斉に値上げに踏み切っています。

紙の値上がりの原因は、原材料であるパルプの値上げ、エネルギー価格の上昇、円安など複合的なようです。その背景には、コロナの影響やウクライナ戦争、円が弱くなったことなどが挙げられるでしょう。

2024年7月1日から、王子製紙が再び値上げをします。これにともないコピー用紙の値段なども上がるため、たとえば、オフィス用品を提供するアスクルが紙製品の値上げを発表しています。

こうした状況があるため、本に使われる各種の紙も値上がりします。ちなみにインクもすでに値上がりをしています。紙の本を作るコストが全体的に上がることになります。

先日、ある紙問屋さんと話をしていたのですが、紙の値上げはこの数年でペースが速く、そのため紙問屋、印刷会社、製本工場などの全体が、新しい協力体制やみ分けを作り出すのに懸命に努力しているところだと伺いました。

私も一編集者として、出版業界全体に支えられて仕事ができています。取引先だけでなく、その先の会社や供給元のこと(取引先の取引先や、サプライチェーンの全体)も考えていこうと思いました。

私がよく扱う自費出版も、また商業出版でも、本の制作コストが上がるでしょう。お互いに無理のない価格設定や予算を考え、ていねいな説明を心がけたいと思います。


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