1. スマイルカーブ【DX】印刷業の最適なビジネスモデルへの変革
DXが後押し!紙メディア(印刷物)
まるでトレンドのように捉えられている「DX」。
これは決してトレンドではなく、ICT 革命は私たちの日常で起きている事と言えます。
印刷においても、このICTを活用したサービスへと移行する傾向があります。
従来の印刷はオフセット印刷を代表とする、一つの情報が大量に生産する技術に長けていた「製造する」「生産する」に視点をあて、技術革新が行われた結果です。また、そこでは沢山のムダも発生していました。
しかし、顧客視点(ターゲット視点)であるマーケティング視点で考えれば、顧客はそれぞれ違えば(年齢、性別、職業、趣味嗜好、etc…)当然(必要な)求める情報も違います。
既にWebではこのICTを使い、デジタルマーケティングはパーソナライズなアプローチが行われて、それなりの成果を上げています。まさにWebメディアが、従来のメディアの主流だった紙(印刷物)に取って代わろうとする勢いです。どうしても「Web v.s. 印刷メディア」の視点で捉えがちですが、紙メディアもICT技術(デジタルプリント、Web含む)を利用し大きく進化し、紙メディアとWebメディアのそれぞれの特徴「強み」を活かした、ハイブリット・サービス(印刷)が可能になり、大きな成果を上げる実例が出てきました。
DXが叫ばれる中、「印刷業界がDXをどう捉え、どう変革していかなければならないか」は、印刷業のノウハウ、デジタル化の実績と市場の変化、変化のスピードを受け入れ考えてみると、答えと言って良い程のヒントが見えてきます。
スマイルカーブ
上のグラフで表すように「川上」(R&B:研究開発、商品企画、デザイン、商品製造)と「川下」(流通、販売、マーケティング、アフター)が商品価値が高く、製造業においては、高付加価値があっても時間とともに商品の市場価値が低下し、一般的な商品になる、いわゆる「コモディティ化」である。
そこで、印刷業と言えば、一律の情報を大量に生産する技術(オフセット印刷等)は、市場に投入されて以来数十年が経ち、高付加価値とはいえず、まさに「一般的(コモディティ化)」といえる。
DXにおいての印刷業の選択肢は?
選択肢は次の通り、4つ挙げられます。
1.現状にとどまる
2.新たなビジネスモデルの創造
3.川上(上流)へのシフト
4.川下(下流)へのシフト
1.現状にとどまる
ICTを駆使し、徹底的な自動化・省力化で製造。
ただし、市場では「一般的(コモディティ化)」しているので市場拡大は望めず、競合との厳しい戦いになる。むしろ市場は縮小する。
2.新たなビジネスモデルの創造
現状のビジネスにこだわらず、付加価値の高い新たなビジネスモデルを創造する。人材、設備等、会社を一新する投資を行う。
3.川上(上流)へのシフト
今までのノウハウを活かし、インキ製造、機器の開発、新たな印刷技術の開発などを行い、供給する。
4.川下(下流)へのシフト
今までのノウハウを活かし、コンサルティング、マーケティング・プロバイダーなど新たなビジネスモデル。これらを複合したサービス提供する。
次号では、ミクロ環境分析の視点から「事業環境」分析を行う、
ファイブフォース分析をご案内いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?