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7. プロモーション戦略【DX】 顧客に最適な価値を、最適なタイミングで伝える

差別化がされ「製品・サービス」を作り(考え)、顧客に効率的(コンビニエンス・適正コスト)で届けられる、サービス土台を作り上げた。
Promotion(プロモーション)の役割は、
 「価値の伝達(価値を市場に伝える!)」
どんなに素晴らしい「製品サービス」でも、その存在が伝わっていない限り、利用・購買はしてもらえません。

プロモーション戦略

「ターゲットの顧客に、最適な価値を、最適なタイミングで伝える」ことが、プロモーション戦略です。

最近では「コミュニケーション戦略」ともいわれます。マーケティングでは、消費者【顧客】と企業の双方向のコミュニケーションが重要です。
コミュニケーションにおいて、「誰が、いつ、どのように」情報を伝えるかは、とても大切です。

情報の発信者、情報を受け取るタイミング、伝え方、が重要になります。
企業にとって「どんなに素晴らしい製品・サービス」を持っていても、その存在を伝え(知らしめ)なければ、大きな損失です。また、市場の反応(リターン)がなければ、社員の方のモチベーションも下がり、組織としても機能しません。

Promotion(プロモーション)は、市場・顧客からの反応を受ける、双方向のコミュニケーションです。その結果を製品・サービス自体のブラッシュアップにすることで、サービスレベルを上げ、差別化にも通じます。
また、Promotion(プロモーション)を取り上げるには、2 つの理由があります。

1. MSP(マーケティング・サービス・プロバイダー)にとって、マーケティングは知識・スキルとして重要で、組織(仕組み・パートナーも含む)として対応することが大切だからです。

2. 自社のプロモーションを深く考え、テスト・実施をすることでノウハウが溜り、自社の顧客にレベルの高いサービスが提供でき、差別化戦略につながるためです。

■ 【広義】のプロモーション
・広告、CM: 認知度を上げる
・PR(パブリック・リレーションズ):大衆関係。顧客と良い関係を作る行動
・SP(セールス・プロモーション)、販促:購入意欲を上げる
・人的販売 : 人が関わって販売促進
※ SNS、口コミもプロモーションの一部

■【狭義】のプロモーション
・SP(セールス・プロモーション)
 狭義な意味でのプロモーションでは、「4つの手法&7つのツール」

4つの手法&7つのルール

■ 4つの手法
1. 試用手法:サンプルの提供、体験(感)、試乗、試食、デモ
2. プレミアム手法:景品、おまけ、特典
3. プライス手法:値引き、クーポン、価格からアプローチ
4. 制度手法:ポイントインセンティブ・サービス制度。会員組織

■ 7つのツール
1. 印刷物:ポスター、チラシ、カタログ、パッケージ、ロゴ、マーク
2. 出版印刷物(編集):カタログ、機関紙、会員会報、マニュアル
3. ネットツール:EC、SNS、バナー広告、アプリ
4. POP:店頭、ディスプレイ
5. イベント:イベントを開催し、話題化させる、体感
6. 動画系ツール:昔はVP, 今はWeb, YouTubeなど視聴からのアプローチ
7. SPメディア:車内広告、(屋外) 看板(ネオンサインなど)

Webメディアが強力になり、ネット上にあらゆる情報と商品があふれています。今までの「不特定多数」への【プッシュ型】から、ターゲットが自ら情報を取りに来る【プル型】のプロモーションの重要性が増え続けて、所謂「不特定多数」→「特定多数」への技術が速いスピードで進化しています。

プロモーション戦略7つのステップ

プロモーション戦略を行う上で、必要になる7つのステップについて説明します。

1. ターゲットの明確化
以前は「20 代の女性」。今は「20 代で敏感肌に悩んでいて、肌に優しいコスメを探しているが、あまりコストはかけられない」進化してペルソナ

2.目的の決定
設定したターゲット(顧客) の認知段階に合わせて設定するのが、「AIDMA」モデルです。
Attention (注目) : 商品・サービスを認識
Interest (興味)   : 商品・サービスに興味を持つ
Desire (欲求)     :  商品・サービスを欲しいと思う
Memory (記憶) :  商品・サービスが記憶に残る
Action (行動)    : 商品・サービスを購入する場面で、最適なツールを選択

例えば、次の図のようになります。

AIDMAモデル:時間と効果の関係

3.コミュニケーションの設計
ターゲット・目的が決まったら、「何を・誰が・どのように」メッセージを発信するかを決める。
「何を」:こちらが伝えたいメッセージではなく、ターゲットが受けとり
     たいメッセージを
「誰が」:もちろん企業主体となるが、広告ならばタレント・芸能人が代理
     の主体になる
「どのように」:
    1.ベネフィット ターゲット(ユーザー)の利益を詳述
    2.イメージ 製品・サービスのイメージを膨らませる
    3.1&2 のミックス

4.コミュニケーションチャネルの選択
内容が決まったら、最適なチャネルを考える。
マスメディア、ネットツール、口コミ
【人的なもの】口コミ、販売員、説明員(メッセ)など
【人的ではない】広告、ネットツール、看板、ポスター

5.予算の設定
目標から逆算して、予算を立てるのが一般的
・市場のどれだけ(%)の人にメッセージを届けたいのか
・実際に届くと思われる市場比率の設定
・メッセージを認知し、製品を試用する見込み客の比率の設定
・試用率1%当たりの広告露出回数を見積もる
・ターゲット人口1%の露出にかかる費用を算出
・GRP に基づいて予算を決める
(※GRP:延べ視聴率。ネットの場合はPV 数、バナーの位置、
     SNS はフォロワー数)

6.プロモーション比率の決定
・広告宣伝 ・・・〇〇%
・PR (パブリック・リレーションズ) ・・・〇〇%
・SP(セールス・プロモーション) ・・・〇〇%
・人的販売 ・・・〇〇%
・SNS の運用 ・・・〇〇%
・消費財(B to C)広告向き ・・・〇〇%
・生産財(B to C)人的販売向き ・・・〇〇%

7.効果測定
最近では測定方法に、KPI* が多く用いられています。
(*KPI:重要業績評価指数。認知度、興味を持つ人の増加を測定する。
Web の閲覧数や、SNS のシェア数、Web ページへの来訪者に対してのクリック数や購入者数も、KPI を用いることが多い。)

プロモーション戦略:AIDMAの法則

AIDMAの法則をさらに詳しく説明すると、人は
【注意/注目】 > 【興味】 > 【欲求】 > 【記憶】 > 【購入】
の流れを、無意識に行っているとされています。
AIDMA を一つづつ確認していきます。

1. 認知:Attention
まず商品を知ってもらうことが重要です。認知さされなければ、存在しないのと同じです。

2. 興味:Interest
製品・サービスの「魅力」「他との違い」「機能」を伝え、興味をひく。
従って(前出の)具体的なターゲット像と、その媒体等の選択が重要になる。また、フィーチャー(機能) だけでなはなく、ベネフィット(先様の利益))を伝える。

3. 欲求:Desire
ベネフィットを伝えることで、ターゲット(顧客)は自分自身に置き換え、使用した際の、具体的なイメージができる。
経験談(口コミ)、動画等もイメージしやすい。

4. 記憶:Memory
「欲しい!」と思い、すぐに行動する場合もあるが、行動(購入)したいと思うに留まる場合もある。そのため、「Memory」が重要になる。
「タイミング」(温度が高い)が、ポイントとも言えます。
 3,4 は顧客接点のポイントとなります。

5. 行動:Action
行動を起こす(起こさせる)には「何かのキッカケ」が必要になります。
「4つの手法」をタイミングを外さず、上手に使い分ける。
また、それぞれを組み合わせても、効果は高くなります。

AIDMA の法則は古い?

近年では「AIDMA」の法則は古い・・とも言われ不安になるかと思いますが、「人の心理」ですので基本的な購買行動は変わりません。
その AIDMAをベースに発展した、いくつかのフレームワークを紹介します。

【 AISAS 】
・Search(検索・情報収集)
・Share(共有)
インターネットの進化により、欲しい情報を自らSearch し、周りにShare する、ということです。

【 AISCEAS 】
・Comparison(比較)
・Examination(検討)
情報収集後、他と比較し検討した後に、購入、共有することです。

【 AIDCAS 】
・Conviction(確信)
・Satisfaction(満足)
Memory(記憶)が、Conviction(確信)に代わり、購入後のSatisfaction(満足)がプラスされています。

【 LTV (Life Time Value) 】
いま最も、重要と言われている LTV (Life Time Value)
パーソナライゼーションには顧客体験が重要視され、顧客満足度(ロイヤリティ)をいかに上げるかが、ポイントになります。


今回はAIDMAを中心に「プロモーション戦略」をお伝えしました。
次回は、「クレド:credo」です。


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