見出し画像

6. 差別化戦略【DX】特異性を発見し「ならでは」を確立する

成果の上げられる事業を考え、創っていくには、市場の要求に合った明確な事業プランが必要になります。事業プランを創るにあたり、その中で重要なポイントは「マーケティングミックス」です。
「どんなサービスなのか?」「製品・サービスは顧客にとって必要で便利なのか、顧客にとってベネフィットはあるのか」「顧客はどうやってオーダーするのか」 「それがスムーズなのか」「仕組みは」「スタッフは」・・・
といった、市場(顧客)との関係性が大切です。

その中でも、重要なのは、「どんな製品・サービスなのか?」(マーケティングミックス:プロダクト【P】)市場での競争力。
考えが市場とマッチしているか、という点です。

そこで今回はプロダクトを再度掘り下げてみます。それぞれの同業者(新規参入含む)がひしめく中で、事業化で打ち勝っていくには、競合他社と比べ「自社ならでは」の特徴が必要になります。

自社のサービスに特徴を持たせ、競合他社との差別化がどのような「ならでは」になり、事業戦略を考えたらよいかについて、お伝えします。

マイケル・ポーター【差別化戦略】

「差別化戦略」はマイケル・ポーターが提唱した「3つの競争戦略」の一つ

「3 つの競争戦略」とは、
 1.コストリーダーシップ戦略
 2.差別化戦略
 3.集中戦略

1.コストリーダーシップ戦略
「競合製品よりも安くする」ことで勝負する戦略。低価格を実現するために、システム化、効率化でコストダウンを行う必要がある。 例)サイゼリア

2.差別化戦略
「競合他社との明らかな特異性」を作り出すことで競争優位を築く戦略。
高くても売れる状態を目指すこと。 例)スターバックス、高級トースター

3.集中戦略
「特定の製品やサービス、市場に集中する」オリジナルの地位を確立する。
例)⻄松屋(ベビー用品)

この3つの中から、今回は「差別化戦略」を掘り下げていきます。

差別化戦略における「差別化」とは

・一般的な差別化
他のものとの違いを際立たせる

・マーケティングでの差別化
価格以外の部分で、際立った特徴を持たせることで、競合製品(サービス)との違いをアピールする戦略 [機能面]

・マイケル・ポーターの差別化
競合との明らかな特異性を作り出すことで優位をつくり、価格が高くても買って(利用して)もらう状態を作り出す [+付加価値]

【ポイント】
・競合他社やサービスに対して、明確な特異性
・価格が高くても買ってもらえる状態を作る

差別化戦略:差別化の軸は?

1.ブランド力を上げる
2.製品サービスの内容
3.顧客サービス(コミュニケーション、対応、アフターフォロー)
4.流通チャネルの充実

1.ブランド力を上げる(確立する)
・競合と違うイメージ・継続的に新しい付加価値をつくる(つくり続ける)
・社員対応力(ミッション・ステートメント、クレド)
・一貫性のある露出(広告、デザイン、CI:Corporate Identity)
 例)ディズニーランド、スターバックス  etc...

2.製品・サービスの内容
・クオリティの高い製品・サービス
・他社にない新しい機能(Web 開発能力、ソフトウェア、デバイス)を
   取り入れる技術力、スピード感で進化
・+サービス(事務局、コールセンター、営業サポート機能)
・他社で提供していないサービス(付加価値)を行い、他社を圧倒する
   常にユーザビリティアップ

3.顧客サービス
・社員力(ミッション・ステートメント、クレド)
・利便性の高いサービス「使いやすい!」とか常に、デジタルへの依存度を
   スピード感をもって進化させる
上記を統合して、サービス品質を上げる。

4.流通チャネルの充実
・リアルとオンラインを融合させ、顧客に「いつ何時何処」でも対応可能
・営業員(リアル/オフライン)がオンラインに誘導する
・オンラインで「問い合わせ」からの営業員に誘導
・オンラインからオフラインに誘導(HP/ブログ/SNS/広告)
・パートナーシップ(ディストリビュート・プリント)
・最適な「場所」でアウトプット。スピード、コストでの優位を確立する

★ 顧客は「何処」から入ってくるかわかりません。
  どの場面からでも対応可能にすることが重要です。
★ 「ソリューション」とは、組織(社員)も含めて「ソリューション」と
  いうことを、明確にすることが大切です。

差別化戦略のポジティブ・ネガティブ

価格が全てではないが、顧客が意思決定するための大きなファクターであることは間違いありません。製品サービスの内容と価格のバランスがとれていない(= 高い)と、顧客は「(ただ)高い!」と感じ、離れて行ってしまう可能性は否めません。

この関係性は、大変重要なポイントです。
業界の製品サービスレベルを把握し価格を設定する。
今までの価格表示(見積り)と違い、プライスリストを工夫する。

「ネガティブ」を回避するには?

・顧客ニーズを分析、把握する
顧客が存在しない「手前みそ」「自分よがり」で考えた製品サービスでは、受け入れられない。徹底的に、考える → 仮説と検証

・競合他社の分析
強み・弱み(3C)「弱い者いじめの原則」1 番, 2 番, 3 番ではやり方が違う

・徹底した自社分析を行い強みを伸ばす!
「特異性」「ならでは」で差別化

差別化戦略:印刷会社では?

印刷会社が⾰新的なサービスを提供するのに必要な項目(データドリブン)
1.マーケティング・オートメーション
2.マーケティングプログラムの企画とデザイン
3.デジタルサイネージ
4.データベース管理
5.ソーシャルメディア(動画含む)
6.イベント
7.コンテンツ・マーケティング
8.レスポンシブデザイン(Web)
9.プログラミング
(出展:”未来を創る” ジョー・W・ウェブ博士, リチャード・M・ロマノ)
【補足】1は、顧客にサービスとして提供する
    2は、「データリレーション」顧客のシステムと連携する

そのために必要不可欠なスキルは
1.デジタルプリント(スモール〜ワイドフォーマット全域)
2.データベース(セキュリティ等)
3.ワークフローオートメーション(スマート・ファクトリー)
4.マーケティング・オートメーション
5.e コマースインフラストラクチャ
(出展:”未来を創る” ジョー・W・ウェブ博士, リチャード・M・ロマノ )
【補足】 2 は、先様の所有するDB(MA,SFA,CRM 等)との連携に必要な技術
     5 は、Web 開発、API 連携に必要なプログラミング技術が必要
    (例. Java, PHP, Swift, Pyhton など)

■ まとめ

競合他社や競合製品・サービスとの特異性を持つ商品・サービスを開発し、他社との差別化を図ることは、簡単なことではありません。これまでにお伝えした、「印刷会社が⾰新的なサービスを提供する必要な項目」9 項目「そのために必要不可欠なスキルは」5 項目。

これらを独立したサービス、それぞれを組み合わせたサービスを行うことで、差別化戦略を成功させる事ができれば、価格競争からも脱却することができ、利益率を向上させ、ファイブフォース分析でお伝えした交渉力が上がります。

それによってスピード感を持った投資にも繋がり、他社との差別化の項目(材料)が増えることになり、更なる差別化要因を生むことになります。


今回の章では「差別化戦略」を取り上げました。
次回は、「プロモーション戦略」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?