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スマホやゲームが原因で現代文が苦手な人が増えている?

こんにちは、医塾の木村です。
夏期講習期間ですね。皆さん勉強の進捗はいかがでしょうか?
今年は例年に比べると過去問を解く量が少ないのですが、年齢的な衰えを感じる毎日です。毎日過去問を6~7年分解いていましたが、今となってはなぜ出来ていたのか不思議です・・・。
授業の準備以外にも勉強していかないと人として衰退する一方だと思いますので、また基本に立ち返って勉強していきたいと思います。

夏前の生徒・保護者面談で気になったのですが、(表立ってHPには出していないものの)現代文が苦手という相談が増えてきています。
ファスト映画であったり、短文でのSNS、短時間の動画が流行するなど、社会が時短と効率を求めた結果、長い文章を読み解く能力は衰えつつあるのかもしれません。
統計をとっているわけではないので正確なことは言えないのですが、国語力の低下に関するニュースもたびたび報道されているので、ある程度苦手な人は増えているのかなとは思います。

また、同時にスマホの使い方についても相談を受けることが多いです。
正直スマホを使えていない人は多いです。スマホを使うのではなく、「スマホに使われている」んですよね。自分の能力を鍛えるために使うのではなく、ただただコンテンツ消費のためであればスマホは不要かなと思います。

私立理系の場合は受験科目には国語がない(使わなくてよい)ケースが多いですね。そのため、国語=文系受験者の科目だ!と思っている人も多いのですが、実は数学や化学にも国語力は必要です。
むしろ日本語読解力はかなり大事な能力の一つだと思います。
教科書・問題文・解説は日本語で書かれていますので、日本語が正確に読めるというのは勉強において大事な能力であるということは言うまでもないでしょう。
ちなみに、国語が苦手だから理系に進むというのも上記の理由(理系科目でも国語力が大事)からお勧めしていません。
何かが苦手だから・・・と消去法的に文理選択をするのではなく、何をしたいかで進路を決めてほしいですね。

閑話休題。
国語力の原因はスマホの使い過ぎだ!SNSのやりすぎだ!などと言われていますが、本当にそうでしょうか?
確かに、「スマホ(SNS)の使い過ぎで学力が下がる」というのはある程度正しいとは思います。その時間は勉強していないということですので、利用時間が長くなればなるほど相対的に勉強時間は少なくなります。また、そうしたSNSを利用している生徒に話を聞いても、「何も考えずにショート動画を垂れ流している」という人はかなり多いです・・・。これでは学力は上がりませんし、読解力は下がる一方でしょう。見て終わりですからね。
他にも、幼少期にベビーシッター代わりにYoutubeやDVDを見ていた生徒は国語力の面でかなり苦戦していました。
全部与えられてしまうような自分で何もする必要がない環境に置かれてしまうと、自ら考えて行動する力が失われてしまうのかなと思います。
しかし、スマホが普及している現代において、国語が得意な人はたくさんいます。結局はスマホとどう付き合うかの問題でしょう。
スマホは、知らないことを調べたり、学んだことを深堀したりできるツールである一方で、無限に遊べてしまうツールでもあります。
自己管理できないのであれば正直スマホを解約するのが一番です。自分で管理ができない=持つ能力・資格がないということです。
小学生や中学生が車を運転できない、お酒を飲むことができないのと一緒かなと思います。年齢での区切りがないだけで、スマホを使いこなせる人と、スマホに振り回される人がいて、後者はスマホを持つべきではないということですね。

正直なところ、私が子どもの時にスマホが普及していなくてよかったと思っています(笑)間違いなく勉強できなくなっていました。そういう意味では私も子どものときは「スマホを使えない側」だったのだろうと思います。
そういう人は大学生になってから持てばよいですね。「成人になったら持つ」と割り切ってしまってよいと思います。

ただ、もちろんですが、自己管理をしてうまく活用できる人にとっては、スマホは自分の能力を効率良く伸ばすことができる最強のツールの一つですので、全員一律禁止にすべきだとは思っておりません。
使える人は使い、使えない人は使わないという簡単なお話ですね。

そのため、私の個人的な意見ではありますが、読解力低下の原因については、スマホが悪いというよりは、スマホを使えない(自分で制御できない・使いこなせない・何も考えずにただ時間を浪費するだけになっている)人が悪いということなのかなと思います。

ちなみに、国語(特に現代文)が苦手になる原因として、「勉強しなくてもそこそこ点数が取れてしまうから勉強しない」「というか何をすればよいのかわからない」ということも挙げられます。心当たりがある人は多いのではないでしょうか。
数学、英語、物理、化学、生物・・・色々科目はありますが、現代文だけはあまり勉強しなくてもそれなりに点数が取れた、という人は多いと思われます。
数学などは勉強しなければ0点もあり得る科目ですが、現代文は勉強しなくても0点は取りにくい科目ですからね。テスト前に慌てて勉強する人は特にですが、時間がない→現代文はそこそこ取れる→他の科目はやらなきゃヤバイ!と後回しにされてしまうのが国語ですね。

勉強の仕方がわからないという人は、教育の問題でもあるので、個々人に帰責できない部分があるとは思います。私も小学校・中学校の国語の授業は学ぶ意味がよく分かりませんでした。
高校の授業で初めて文章を「読み解く」経験をして、初めて国語の勉強とは何かがわかった気がしますし、現代文にちゃんと解き方があり、中学受験の問題から東大・京大の入試問題に至るまでやるべきことが何も変わらないということを知ったのは大学を卒業してからでした(遅すぎますね笑)

正しい方法で勉強すれば国語力(読解力)を身につけることはできます。
スマホの使い過ぎにしても、勉強方法がわからないことにしても、結局のところ国語力低下の原因は「勉強していないからできない」という、たった一つのシンプルな答え(ジョジョ第3部より)に還元されるものなのかなと個人的には思っています。


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