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風の小説 「俺の話を読んでくれ」

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本
言葉を紡げば　いつの日か壮大な小説が書けるのだろうか？この物語は一人の中年が己の可能性だけを信じ日々日常を紡ぎます
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松田フェニックス
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【風の小説】向井トオルはカフェにいる　春が来たとは言いがたい肌寒い休日だ　冷めたカプチーノを口に運びながらここへ来るまでの記憶を慎重に呼び起こしていた　まず隣の奥さんに挨拶した…その後本屋で可愛い店員さんと立ち話…　記憶を逆戻るには理由があった　チャックが　全開だったのだ

俺の話を読んでくれ
松田フェニックス

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【風の小説】根室市から車を２０分ほど走らせた病院で男の子が生まれた　名は太陽のように明るく生きてほしいと言う両親の願いで陽平と名付けられた　時を同じく遠く離れたアメリカコネチカット州でも一つの命が誕生した　名はキャリー　この先二人の人生が交差することもなく　あかの他人です

俺の話を聞いてくれ
松田フェニックス

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【風の小説】叔父の営む水産加工会社で事務を担当している柏木サトミは電子レンジの中で回転する冷凍ごはんを無表情で見つめていた　ティンッ！・・電子レンジが鳴った　ごはんを取り出そうとした瞬間サトミは衝撃を受けた　つ冷たい・・レンジの設定が　生もの解凍になっていたのだ

俺の話を聞いてくれ
松田フェニックス

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【風の小説】中国料理　龍福軒　人気ＮＯ１は（ヤング天津飯セット）だ　食欲をそそる香り　にぎやかなランチタイムも終盤　カウンターの端っこで　今まさに　裁判官から極刑を言い渡されたかのごとく絶望の中うなだれる男がいた　　　　主文　お客様のオーダーが通っていませんでした。

俺の話を読んでくれ
松田フェニックス

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【風の小説】階段を駆け下りるフミエ　もう間に合わないかも　無理・・でも　あきらめたくない！そんなのヤッ　考えたくない　イヤよッ　しぼんでく希望をふるい立たせてフミエは走る　あの角を曲がれば・・・・　崩れ落ちるフミエのスローモーション　今走り去ったのだ　ゴミ収集車は

俺の話を読んでくれ
松田フェニックス

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【風の小説】（前回までのあらすじ）　コンビニで野生の狼みたいな目つきで　カラアゲ君をにらみつけたが結局買わなかったオレ　レジ待ち客の心理を鋭くついたつもりだろうが俺の購買意欲は鋼鉄の城壁だコノヤロー。　　すいません　あと　カラアゲ君ください。

俺の話を聞いてくれ
松田フェニックス

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【風の小説】過去を嘆き悲しむなど馬鹿げてると思うかい？俺は思わない　もしも後悔してるならそれはベストな選択だったとは言えないよね　だからこそ行動する勇気を持ちたいんだ…スイマセンさっき注文したうどん　おそばに変更できますか？あ　無理ですかハイすいませんうどんでいいです。

俺の話を読んでくれ
松田フェニックス

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【風の小説】　我が家のホットプレートが壊れました いなくなってはじめてアイツのありがたみが身にしみてます いつもそばに居てくれるのが当たり前みたいに… まるで空気みたいに思ってたよ ごめんよ我が家のホットプレート そしてありがとう さらば我が家のホットプレートよ

出来なかった逆上がりが出来るように　書けなかった小説が書けるように　何かしらなんでもないようなことを書き連ねていこうと思います