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おうち時間に欠かせない楽しませてくれる尊敬する職業

おうち時間でぼくが一番お世話になっている敬愛してやまない職業の方々がいます。

それは、お笑い芸人さんです。

お笑いは日常に溶け込んでしまい、学問としてメジャーなものでもないので芸人を志さない限りは真剣にみることはなかなかないですが、おうち時間でお笑いに触れる時間が増えたおかげで、やっぱり芸人さんは素晴らしい職業の一つだと改めて思いました。

僕が思う芸人のすごさの前に、お笑い素人が最近考えたお笑いの基本を書きます。実際に教えてくださる芸人さんがいてくれたらどれだけしあわせだろうか。

さて、現代は色々なものが飽和していると言われていますが、お笑いも例外ではない気がします。黎明期であればシステムはシンプルで理解しやすいものですが、そのシンプルが時代とともに重なり飽和して今だけを切り取ってしまうと理解するのが難解になるんじゃないかなというのが僕の考えです。というのも、最近の「お笑い」も同じく僕たち素人が味わうにはすごく複雑だと思うからです。もちろん、複雑な要素が合わさることでとんでもないコクや旨味が生まれることも知っています。だからこそ僕は、この素晴らしい職業についてもっと深く考えたいと思っています。(これはお笑いをわかっていないのが悪いなどということを言いたいのではなくて、今まで理解せず笑っていたのであれば、少しでもそれが何なのかを認識できていた方がもっと面白く見れるんじゃないかと思うので、良かったら...という感じです)

人間の生得的な「笑う」という行為に着目するのであれば、例えば、変顔、変な動き、小動物の可愛さ、と挙げればキリがありません。その中でも特筆したいのが、不意を突かれた笑いです。これが今の「お笑い」につながっているのではないかと考えています。(以前、『「笑い」の解剖:経済学者が解く50の疑問』を読みました。そのときに読んだ、人が笑うシステムを少し参考にさせていただいています。)どういうことかというと、「お笑い」はこの不意を突かれる、を意識的に作り出しているということです。それが「フリ」と「ボケ」です。

この「フリ」と「ボケ」は基本でありながら高等なテクニックだと思います。「フリ」は普通はこうだよね、を演出します。「ボケ」は先ほど用意された普通を裏切ります。ここで、ただ裏切ればいいのではなく相手が想像できる範囲での裏切りが必要になります。

恐縮ながら、ここでノンスタイルさんの2008年のⅯ-1グランプリの決勝での漫才のネタを例にさせていただきます。

井上さん「俺、ちょっと最近さ、ホラーがめっちゃ好きやねん」このセリフがフリで、石田さん「俺もめっちゃ好き、めっちゃ好きホラー(丁寧に二回目のフリ)やめとき、もうやめとき、白い服着てんねんからカレーうどんなんて食べたらあかん、もうやめとき言うて、ほらぁ~」でボケます。聞いている人は「ホラー」というワードで待っているので予想外の「ほらぁ」に不意を突かれて、しかもそれを容易に想像することができるので笑える、というからくりです。(もちろんツッコミも忘れてはならない技術です!)

漫才を例に取り上げたので漫才の話になってしまいますが、冒頭でも書いたように色々なものが増えたことでわたしたち見る側のボケの予想範囲も広がっているはずです。そうなると、より突拍子もないことを言う芸人さんが増えてくる、今までのボケが通用しなくなることも起こってくるのではないかと思います。それにより、新しいスタイルに挑戦していく芸人さんも増えていく気がします。今回の「フリ」「ボケ」で括るとジャルジャルさんやミルクボーイさんは独自のスタイルの漫才と言えるのではないかと思っています。

以上がおうち時間で尊敬する芸人さんについて考えたことです。最近はyoutuberさんの方々も台頭してきて芸人さんとどちらが面白いかなどの論争を見かけることがありますが、双方の面白さは少し質の違うものなのではないかなと思います。言い方は悪いけど天然と養殖って感じでしょうか。

すごく残念なのはこれがわかったからといって芸人さんたちと同じことができるようになることはないということです。彼らはテレビ収録や営業や劇場といった現場で鍛えられた人たちです。咄嗟の頭の回転の速さ、日常生活での観察眼や着眼点、トータルで笑いをとる技術、どれも素人にはできません。(ここはテレビに出てるような人たち全員に言えますね。)どんなことでもそこでしか得られない体験があるように、画面の前で笑わせてもらっているだけの人には芸人さんと同じことはできるようにはならないと思っています。だからこそ尊敬しているとも言えるのですが。

しかし、憧れているだけでは大好きなお笑いとの距離はまったく縮まりません。お笑いだけに限らず、自分が素晴らしいと思えるものをより素晴らしいと感じられるように、末筆ながら、今後、より一層の発展と活躍をお祈り申し上げます。

追伸

あくまで解釈です。何が良いとか正解とかではありません。もっとお笑いの歴史を勉強していきます。

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