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vol.5 BtoB企業の「会社案内」は営業ツール!刷新時、気をつけるコンテンツ制作3つのポイント

こんにちは。BtoBマーケティング コンテンツ コンサルタントの宮﨑晃彦です。
2019年8月に『 [デジタル+オフライン] BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド』を出版。
note記事vol.3では具体的なコンテンツ制作方法として、ウェブサイト制作に関して触れました。今回はBtoB企業のための「会社案内パンフレット」刷新方法についてお話します。

■そもそも「会社案内パンフレット」の刷新は必要?

BtoB企業が新規営業に力をいれるのであれば、コーポレートWebサイトと共に見直すべきは「会社案内パンフレット」です。

「え?今どき会社案内?」「いやいや、それより先に製品(サービス)パンフレットを作らないと…」となる気持ちはわかります。

これまでの会社案内は「挨拶代わりにとりあえず渡す」ものでした。そのため、営業に活用できた、と実感する方はごく僅かでしょう。

しかし、これからの時代、継続した新規営業力強化と、さらには事業部を横断したクロスセルを促進するには、いまの「カタチだけの会社案内」から「全社横断の営業ツール」への再生が求められます。

・外部環境変化で親会社や特定のルートから安定した受注が減り、自社での新規商談獲得のための営業活動が必要になった

・既存顧客からの売上が右肩下がりで危機感を感じている

・複数の事業部で複数の製品やサービスを販売して、部署をまたいだクロスセルがうまくいかない

こんな企業に特にオススメです。

■「新規顧客獲得」のために載せるべき3つのコンテンツ

「とりあえず渡すだけ」だった会社案内を一新し、「新規顧客獲得」のために、何を載せるべきか?
その答えは、新規のお客様から「面倒な新規口座を開いてでも、この企業から買いたい」「継続した取引をしたい」と思っていただくことにあります。伝えるべきは以下の3つです。

① 「誰を相手に、何を売っているのか」というサービス全体概要
会社案内には、自社の「全社的事業総合カタログ」としての役割を持たせましょう。うまく作れば「自分たちの事業はよくわかるが、隣の事業部はよくわからないから案内できていない」という、ありがちなクロスセルの機会損失を防ぐ事ができます。全体像はできるだけわかりやすく簡略化、図式化して、ソリューション全体像図(ソリューションマップ)的なものを載せられるとベストです。
② 「何が他社と違うのか、強みなのか」という差別化ポイント
単なる提供製品、サービスの羅列ではなく、「なぜそれを弊社が提供しているのか、弊社から購入いただくメリットは?」について、できるだけ明確に記載しましょう。その説明の際に、企業のこれまでの経緯や沿革の説明が必要であれば掲載しましょう。
③「どのような業種業界のお客様と取引をしてきたのか」という実績
日本のBtoBにおいては、系列や関連会社と取引があるか?は非常に重要なファクターです。取引先はなるべく多く、業界別に記載するだけで取引の機会が増加します。掲載の際は社名の正確性はもちろん、五十音順であるとか、ヌケモレがないか、など、失礼に当たらないような配慮も必要です。
● そのほか
事業の継続性が問われる製品やサービスを提供しているのであれば「どの程度その製品、サービスに本腰を入れて(継続して)提供する心構えであるのか」、取り扱いがニッチ商材であれば「具体的にどの業種業界のどういうお客様企業に導入されてどのような反響があるのか」、マルチベンダーでさまざまなメーカー商材を扱うのであれば「具体的な導入元メーカーと、その販売実績、保有資格(認定技術者数など)を明記すると共に、弊社から購入いただくメリットをきちんと説明」など、とにかく「新規のお客様目線で」「気にされるであろう点」「取引開始の際にハードルになりそうな点を払拭するような説明、記述」を心がけましょう。

■「会社案内」最適なボリュームは?

営業に使う「会社案内」はあまり冗長にならず、簡潔にまとめてある事もポイントです。かといって、1枚ペラでは信頼性に欠けます。フツーの日本企業では見開きの4ページが標準で、対応業界や製品、サービスが多い場合でも片観音折りの6ページ中綴じもしくは両観音折りの8ページ、くらいが適正です。いずれにしても初回商談時に、営業スタッフがさっと広げてざっと概要をお客様に説明、理解いただける構成である事が重要です。

■更新頻度が高い企業情報は別紙リーフレット化しよう

従業員数や事業所など企業情報の更新頻度が高い場合は「企業情報」は敢えてパンフレットに含まず、別途1枚もののリーフレットにして挟み込んで使う、というのも更新の際の手間や印刷コストを抑えるテクニックです。

■「会社案内」制作コスト相場はどれくらい?

アウトソースする場合は、どの段階から依頼するかでコストが変わります。

① 社内で原稿と構成(ワイヤフレーム)をまとめ、デザインを外注する
相場価格:200,000円~ 400,000円(4ページの場合)
② 原稿制作と構成(ワイヤフレーム)からすべて外注する
相場価格:300,000円~ 600,000円(4ページの場合)

会社案内の場合、写真撮影などが必要になる場合は追加コストがかかります。こちらも値段重視で選んでしまいがちですが、それではこれまでと変わりません。せっかく依頼するのであれば②にして、プロの知見で内容面でもアドバイスをもらう方が得策です。安かろう悪かろうにならないように、BtoB、同業界における制作実績をよく確認して制作会社を選定しましょう。

■「会社案内」はコーポレートWebサイトと一緒に改訂しよう

制作会社を紙とWebとで分けるのをやめて、まとめて制作可能なベンダーに依頼して進める、というのも社内工数やコストを抑えるテクニックです。また、記述内容やデザインの統一も図られることでブランディング効果も高まり、一石二鳥です。ただし、Webと印刷物の両方を手がける制作会社を選ぶ必要があります。

■「会社案内」は「採用パンフ」と兼用してOK?

最近は新卒採用をきっかけとして会社案内の改訂に取り組む企業も増えているようですが、採用と営業用途ではターゲットはもちろん、目的がまったく異なるため、欲張るとどっちつかずになります。会社案内は採用用途とは切り離して考えましょう。

いかがでしょうか?今回は会社案内パンフレットについてお話しました。
これをきっかけに「とりあえず渡すだけ」の会社案内をから営業に使えるアイテムに進化させていただければと思います。

その他、ソリューションパンフレットやパワーポイントでの提案書の作り方などについても『 [デジタル+オフライン] BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド』に掲載していますので、ぜひご覧ください。

ーつづくー


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