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キックオフ対談 『情報整理大全』を考える (3)〜情報整理のセンスの磨き方〜

今年9月に「情報整理大全」シリーズ創刊にむけてのキックオフ対談が行われました。本noteは、対談を振り返りながら「情報整理大全」とはなんぞやをお伝えするシリーズです。今回はその3回目です。

スピーカーは第3弾執筆者であり、本シリーズ監修者でもある佐々木正悟氏と、「シゴタノ!」管理人でタスク管理ツール「TaskChute(タスクシュート)®」の開発者、サイバーローグ研究所代表取締役大橋悦夫氏。
ホストは弊社社長の香月登です。
*対談中のスピーカーの敬称は略しています。

*キックオフ対談「情報整理大全」を考える(1) はこちらから
(2)はこちらから

情報整理のセンスはどうやって磨かれるのか?

香月:情報整理の原点に立ち返った時、情報整理には、どういった能力が必要だと見えてくるのでしょうか。
 

大橋:そうですね。そもそも多くの人は、いつか使えるかもしれないと思って、Evernoteに情報を入れる。その「いつか」がすぐに来た場合は、「ああ入れてよかった」と思って、その思考は強化されるんですが、その「いつか」が来ない「いつか」ばかりのものを入れておくと、「Evernote使えねえ」と思うようになるわけです。

でも、それは違うわけじゃないですか。それは、「いつか」という読みが、その人にとって見当違いだったわけですよね。

その辺も、さっき言った教養のところで、実は身に付けられるものだと思っていて、どういう情報を入れたら、すぐに役立つかという感度は、教科書で教わるものではなくて、実際にデータを入れることによって身に付くんだと思うんですよね。

そこは、まさにセンスじゃないですか。

このセンスですが、梅棹先生の本で「フィールドノート」(野帳 )という言葉が出てくるんです。

梅棹先生は、山登りをしている間もリアルタイムで野帳に記録をする。山登りをしていて疲れたところで、普通の人がちょっと挟むような休憩の間に、休む代わりにせっせとこの「フィールドノート」記録をしていたそうです。

そういう習慣があったから、山から下りて研究所にいても、ちゃんと記録がリアルタイムで取れるようになったと。でも、普通の人は記録をマメに取るようにしようと言われても、そうなりはしません。だったら、山に登ればいいのか?それも違いますよね。

結局、極限に疲れている状況で、「記録をとらなきゃいけないんだけど、すべては取れない」と思った時に、「いや、これは今は書いておかなきゃいけない」と取捨選択を迫られる

そういう状況で残しておいた記録を、後で振り返る。

「ああ、これをやっぱり残してよかった」と感じることもあれば、「あそこであんな苦労して、これを書いても意味なかったな」と感じることもある。

そういった失敗と成功を重ねることによって磨かれるのがセンスだと思います。結局、センスは、ツールの使い方の本をいくら読んでも身に付けられないわけですよ。

<(4)に続く>


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大橋さん、佐々木さんTwitterはこちら:


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