結婚について本気出して考えてみた〜逃避行の果てに〜

私はごく普通のアラサーOL。
入籍して1ヶ月以上経つが、まだ新しい姓に慣れない。

色々と行き詰まりを感じて衝動的に家を出た(ただし、行き先も彼には伝えてあった)。
物理的にも距離を置きたかった。でも、何から?彼の鼾?彼自身?置かれた環境?
とにかく、ちょっとした非日常に身を置きたくなった。

私は元来、自分の衝動がどこから来るのかという好奇心を突き詰めずにはいられない性格なので、とにかく新幹線に飛び乗った。パスポートを持って海を越えなかっただけ、自制がきいたと思う。

家を飛び出した当初は、一泊して、もしかしたらもう一泊ぐらいと思っていたものの、一泊して朝目覚めた時にはもうだいたい気づいていた。それでも一応気づいていないふりをして、訳のわからない怒りを感じ、そしてだんだんとそわそわしだし、ついにもう限界を感じてしまった。

帰りたい。
彼の待つ家に、今すぐ帰りたい。

それで、早く帰りたくて仕方なくなって、予定していた最終の便より一本早い新幹線に切符を変更して飛び乗った。

お土産でも買って帰ろうと思っていたのだが、帰りたい、と思ったら、1秒でも早く彼に会いたくて、お土産どころではなくなってしまった。ただひたすら、彼の隣が、彼の待つ家が恋しくなってしまった。

一緒に暮らして約半年。
どうやら、私の脳は彼の隣を自分の帰る場所だと認識してしまったようだ。

彼の鼾が聞こえない、寝ぼけて抱きしめてくれる腕がない。
そのことをこんなに寂しく思うなんて。

入籍をしたことは、とても大きなことだったと今になって思う。
実生活は何も変わらない。
ただ、戸籍の名前やクレジットカードのサインが変わった。たったそれだけのことなのに。
この戸惑いは、多くの人に理解されない。

好きな人の姓になれて幸せじゃないの?
ちがう。そういう問題じゃない。

約30年近く連れ添ってきた、今までの名前は?そんなにスッパリ変化を受け入れられるのか?否。

名前は私の一種のアイデンティティであったはずだ。名前が変わっただけで、事情を知らない人には別人のように思われる。

だから、私の周りでも、旧姓を使って仕事をしている人がいる。私自身もそうだ。

名前に関する葛藤を彼に言うと、しかめっ面をされる。俺の苗字がそんなに嫌なの?
違う、そういうことじゃない。

結婚式の準備に関することや名前のこと。
様々な葛藤の末に私が至ったのは
「結婚式準備楽しかった!ってひとや、彼の名前になれて嬉しい!ってひとや、結婚式準備まじ辛い旦那協力しろや!ってひとや、そのうち慣れるわよと言われつつまだ新姓に慣れなくて戸惑ったりする!ってひとたちがいるのは、人によって違うことだから。女だからみんな結婚式は楽しみとか、そういうことじゃない。
同じ女でも、生理の重い人と軽い人があるみたいなものである。
誰が悪いとかじゃなくて、そーゆーもん」
ということである。

夫婦別姓のニュースを見ていても思う。
生理が軽い人には重い人の辛さがわかりにくいし、同じ女だからこそ、女の敵は女になりがち。むしろPMSのパートナーを持つ男性のほうが味方になってくれる場合もあるが、そうすると男性からも女性からも非難を受ける場合もある。……難しい。

難しい話はさておき。
時間にしか解決できないものもあると思っている。時間薬。
これから彼と一緒に生活することは、基本的な前提なので、その時間の中で少しずつ折り合いをつけていければいいなと思う。

いますぐ全ての問題を解決しなくてもいいのだ。

彼と協力して取り組む課題がたくさんある!楽しみ!

結婚とは、二人プレイのRPGみたいなものかもしれない。

私はごく普通のアラサー人妻。
記憶にある限り、旦那からのプロポーズは、まだない。

#コラム #エッセイ #結婚 #恋愛 #夫婦

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