伝えることをもっと簡単に

教育役の人たちが、もっとチャレンジできる社会になったらいいな

#こんな社会だったらいいな 」という面白いハッシュタグを見つけたので、スキマ時間に過去に書きかけてたnoteを掘り起こして公開します。

台風が東京を過ぎていく間にサイトがリニューアルされていた、弊社メインサービスTeachme Biz。

私は、この4月からTeachme Biz を提供している株式会社スタディストにいます。

いまだ転職したことに驚かれるのですが、今の仕事を通じて何に貢献したいと思っているかを書く良い機会だと思ったので、noteに残してみます。

なお、本noteはあくまで会社やプロダクト、事業への個人的な思いです。もし会社の人に注意を受けたら消します(笑)。

ついつい長くなってしまいましたが、ぜひご覧ください!


伝えることを、もっと簡単に。

スタディストという企業は「伝えることを、もっと簡単に。」というミッションのために存在します。Teachme Bizを通じたサービス提供をしているのも、このミッション実現のためです。

伝えることを、もっと簡単に。

私たちスタディストの創業メンバーは、かつて業務改善を専門とするコンサルティング集団に所属していました。 そこで目にしていたのが、誰かに何かを伝えることの負荷やムダ。 たとえば、企業には業務手順を伝える「マニュアル」がありますが、制作に膨大な時間がかかる上に、更新も大変。 さらには大変な労力をかけて作ったマニュアルが結局使われていなかったり。
そんな「伝えること」に関するロスをなくしたい。そして、生産的でクリエイティブな仕事に集中できるようにしてあげたい。 これが私たちスタディストの原点です。
「マニュアル」はあくまで一つのフィールドです。仕事でも日常生活でも、誰かに何かを伝えるという行為が 今後もなくなることはありません。
伝えるという行為をより簡単に、そして進化させ続けていく。
これが私たちスタディストのミッションです。
ミッション・ビジョン - 株式会社スタディスト

「伝えることをもっと簡単に」できることは、それだけでも魅力的ですが、その先にある価値も非常に大きいと思っています。

その理由は大きく以下の2つです。

・「教える人」=「できる人」「詳しい人」だから
・「教えるための作業」は効率化の余地が大きいから


教育役は「詳しい人」や「できる人」

「伝える人」や「教える人」は、その分野に詳しい人が担います。つまり、業務に詳しい人が教育役を任され、教育の業務を行います。

たとえば、バイトでの教育は店長やリーダーがやることが多いですし、営業の研修は営業が出来る人や詳しい人がおこないます。

より付加価値の高いことを行える人が、ごく基本的なことの教育にまで時間を割いている職場は少なくありません。「できる人」のノウハウをより多くの人に移植したい、という意図から苦渋の決断でエース社員を教育役にしている組織もあるでしょう。

社内教育は多くの組織にとって必要不可欠です。同時に、伝えることや教育は非常に時間を使う仕事でもあります。


社内教育・引き継ぎ作業は時間がかかるのに、全然進化していない

社内教育には研修、OJT、教材配布など様々な方法があり、それぞれメリットと課題があります。

たとえば、「研修」はよく取られる方法ですが、準備が大変だったり、記憶に残りにくかったり、という課題があるようです。

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OJTは準備は少なくて済むけれど、内容にばらつきがあったり、教え手の時間が不定期に取られてしまうなどの問題があります。

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そして、その一つの方法である手順書やマニュアルづくりは再現性があるのがメリットです。しかし、作るのに時間がかかりますし、読みやすいものを作るのが大変、など課題も多いです。

そして以下の図のように、何より手順書やマニュアルは長い間、ずっと進化していません。

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私が最近おこなってきた Salesforce 管理者へのインタビューでも、業務やシステムに詳しい人が数十時間もしくは数百時間単位でマニュアル作りに時間をかけておられました(強調は本noteのためにつけたもの)。

そもそも Salesforce を使わないと仕事ができない状況になるので、マニュアルはたくさん作りました。今も社内の共有フォルダに PowerPoint 資料として管理して、いつでも見られるようになっています。

──かなり作り込んでますね...しかも数も多い。

数十時間はかかっていると思います。新しいことが増えるたびに対応しているので、トータルでは 100 時間を超えているかもしれません…。

「なぜ私が担当に?」状態から導入してわかった、注意すべき 3 つのポイント──Salesforce 導入〜定着の道のり Vol 3. アクシスコンサルティング株式会社様
マニュアルも、3 週間で終わる予定が 1〜2 ヶ月かかったほど時間をかけて整備したのですが、量もあるのでなかなか読んでもらえませんでした。

ツールを用意しただけでは使われなかった。まずは組織のデザインが必要だった──Salesforce 導入〜定着の道のり Vol 4. ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社様
──100 ページ分もつくると、相当時間をかけられましたよね…?

大浦:外部のパートナー企業と分担しましたが、導入を進めながらの作業だったので 1〜2 ヶ月かかった
と思います。

──それでもさらに個別対応が必要になったのですね。研修後の対応にはどれくらいかかりましたか?

大浦:事業部の全員に使い方を覚えてもらうまでには 1 年ほどかかりました。ですので、Salesforce 導入 1 年目はひたすら個別トレーニングに追われていたようなものです。

新システムの研修で“詰め込みすぎ”は禁物。コツコツ伝え続けることが、最終的には定着への近道に── Salesforce 導入 〜 定着の道のり Vol.9 共同印刷株式会社様

そして、作るのも大変ですが、作ったものが理解されずに差し込みの問い合わせ対応が生じたりすると、複数人の時間が取られる上、作業の中断なども発生し、生産性の低下にもつながります。

教育役をしているスター社員達が、教育にかかる時間を短縮化/効率化して、できる人の時間を他のことに使えたら、どれほど価値があるでしょうか。


教育役のリソースは、付加価値の源泉

一時期、「守りのITから、攻めのITへ」というフレーズが流行りました。しかし、私はこの考え方を支持しません。「守り」と「攻め」の分野では必要なスキルセットもマインドセットも違うからです。

一方、社内の「教育役」を任されるほどの人の時間を確保できることは、企業の競争力の源泉にもなりうるはずです。

ここで先程の図を再掲しますが、手順書やマニュアルづくりはレガシーなまま、進化していません。

マニュアル手順書の課題

しかし各要素をよく見てみると、いまのテクノロジーを使えば、どれも効率化ができそうではないでしょうか。

教えること自体にも意義があります。私自身も過去にそんなnoteも書きました。

しかし、教えるための作業はもっと効率化しても良いはずです。


キレイすぎる資料は、時間がかかるだけでなく、更新・引き継ぎをためらわせる

たとえば、「作る」という部分だけをとってみても、「きれいなパワポの手順書」は作るのに時間やスキルが必要なだけでなく、更新や引き継ぎをためらわせます

私はコンサル出身の方と何度も働いたことがありますが、彼らの社内向けスライドの次にスライドを作るとき、結構なプレッシャーを感じるんですよね。伝える内容には詳しくても、資料づくりや更新などの伝えるスキル部分が心理的プレッシャーにもなり、資料作り時間の増大にも繋がります。

これが、「だれでも簡単に、パッと見てわかる資料を作れる」という仕組みになるだけで、教育役の人にとっては大きな時短になります。

そして作るのが簡単だからこそ、教育役を引き継ぐことも容易になります。そうすると、組織内の教育者を増やすことにも繋がります。


「見る人」「教える人」両方の負担を軽くするTeachme Biz

デモ動画を見ていただければわかりますが、Teachme Bizを使えば手順書やマニュアルを作るのが本当に簡単です。

作ろうと思ってから、出来上がるまでの時間が本当に短く済むので、僕自身も思いつきでいくつか作って公開しています。

たとえば、おいしいコーヒーの作り方を手順書にしてみたり、

出展したイベントの会場案内をその日のうちに作ってみたり、

社内でもソフトウェアの分かりやすい使い方が共有されていたりします。

これをパワポやエクセルで作ろうとすると、結構な時間がかかるのは分かると思います。

Teachme Biz で手順書を作ってみると実感が湧くのですが、作成が簡単になることによって、情報共有に対する心理的ハードルがすごく下がります。「あ、これみんな知らないのか。じゃあ手順書つくっちゃおう」というマインドセットになります。

資料の作成作業だけでなくだけではなく、先程の手順書フローの全てを改善し、作成から手順を実行してもらうまでを総合的に解決するのがTeachme Bizです。

図にするとこんな感じでしょうか。

手順書フローを解決


幸い、様々な事例記事に協力いただいてるのですが、どこもかなりの経営インパクトを生み出しておられます。

製造業では、作業研修を大幅削減しながら、作業の精度向上も実現したり、

―――導入の効果はいかがでしたか?
Teachme Bizを導入したことで、手順書を作る・持ち出す・探す手間が省略でき、大幅な時間短縮になりました。新規作成ではパソコンを使って、多いときで1日、少ないときでも3時間はかかっていましたが、スマホで簡単に出来て1時間くらい。新人教育に至っては、教育する側と教育される側双方の工数が低減でき、1週間が1日になりました。

"1日仕事だった手順書作りが1時間に!ミスの発生も減少"導入事例 Mipox株式会社様

飲食業では、海外で急拡大する際のレシピに使われたり、

このサービスの導入により、メニューやレシピの変更を1分以内にマニュアルに反映できるようになり、2週間かかっていた全店舗への周知が2日以内で済むようになった。さらに「クラウド化することで、レシピや接客のノウハウが外部に漏れる心配もなくなった」(柳本氏)という。

タイの人材難が商機、日本発クラウドサービスが続々上陸:日経ビジネス電子版

バックオフィスの方には、研修の短縮&問い合わせ削減に活用されていたりと、

社歴が浅い従業員を中心に利用が進み、対面質問は従来の数の約2,3割までに減少しました。直接聞きに来るケースのほとんどがマニュアルで解決できないイレギュラーケースで、対面で解決する必要がある場合がほとんどでした。

また、「研修時間の短縮」という効果もありました。月に2回実施している中途入社者向け研修の一部TeachmeBizに移管し、新入社員の方にはそれを自席で観ていただくことにしました。

これによって、研修講師として既存社員が行っていた3時間のライブ研修が30分に短縮、リソースを約83%減にすることができました。

あとは、レポート機能を使って、社内情報の需要の把握もできるようにもなりました。いま従業員が欲しがっている情報をタイムリーにキャッチ。管理部管轄のマニュアルだけでなく、営業部門や技術部門などの、他部署管轄の情報への到達もアシストできるようになりました。

不経済な問い合わせを減らす“マニュアル転生“のコツ|第4回User Conferenceレポート:CCI様編

特に、人の採用や異動が多い業種、メニューなど教える内容の変化が多い領域、あるいは作業を正しく行う重要度が高い組織では、かなり大きな効果が出てきています。

私が担当しているSalesforce分野も、投資が大きく、正しい作業が重要で、継続的な社内教育が必要な領域です。


「伝えることが、もっと簡単に」なった先に

Teachme Bizは、見る人の分かりやすさだけでなく、教える人の作りやすさも、どちらも諦めないソリューション。諦めないことにこだわります。

その先に目指すのは、「伝えることが、もっと簡単に」なった未来の社会

それは、活躍できる人がもっと付加価値のあることに没頭できる社会であり、組織がスター社員の恩恵をもっと享受できる社会にもつながっていると信じています。


...9月の中頃ぐらいから少しずつ書き足していたら、結果的に入社後ちょうど半年のタイミングでの公開になってしまいました。

入社から半年経っても、入社時に感じたやりがいを持ちつづけて働けていて、楽しいです。

もし、このミッションやプロダクト、その先の未来に興味を持っていただける方がいれば、お気軽にお声がけくださいね。

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